NYダウ≒アクティブファンド

シーゲル二郎です。

米国株を代表する指標に、NYダウがあります。これは、米国を代表する優良企業30社の株価を平均したものです。

つまり、NYダウに連動するインデクスファンドを保有するということは、選ばれている30社の株をまとめて持っていることになります。その名誉ある30社は下記の通りです。(2017/8/18現在)

※横スクロールや並び替えもできます。
構成比率は2017/10/12時点
コード会社名セクター構成比率
BAボーイング資本財7.9%
GSゴールドマン・サックス金融7.2%
MMMスリーエム資本財6.6%
UNHユナイテッド・ヘルスヘルスケア5.8%
HDホームデポ一般消費財5.0%
MCDマクドナルド一般消費財4.9%
AAPLアップル情報技術4.7%
IBMインターナショナル・ビジネス・マシーンズ情報技術4.4%
JNJジョンソン・エンド・ジョンソンヘルスケア4.1%
CATキャタピラー資本財3.9%
TRVザ・トラベラーズ金融3.8%
CVXシェブロンエネルギー3.6%
UTXユナイテッド・テクノロジーズ資本財3.6%
Vビザ情報技術3.3%
DISウォルト・ディズニー一般消費財2.9%
JPMJPモルガン・チェース金融2.9%
PGプロクター・アンド・ギャンブル生活必需品2.8%
AXPアメリカン・エキスプレス金融2.8%
WMTウォルマート・ストアーズ生活必需品2.6%
XOMエクソン・モービルエネルギー2.5%
MSFTマイクロソフト情報技術2.3%
DWDPダウ・デュポン素材2.2%
MRKメルクヘルスケア1.9%
NKEナイキ一般消費1.5%
VZベライゾン・コミュニケーションズ通信1.5%
KOザ・コカコーラ・カンパニー生活必需品1.4%
INTCインテル情報技術1.2%
PFEファイザーヘルスケア1.1%
CSCOシスコシステムズ情報技術1.0%
GEゼネラル・エレクトリック資本財0.7%

目もくらむような優良企業ばかりです。

ですが、米国市場には3,000を超える企業が上場しています。

これら30社だけで、時価総額基準で米国全体のうち約25%を占めていますが、とても幅広い分散投資をしているとはいえません。

参考に、NYダウよりも重要な指標として有名なS&P500は、全体のうち約80%をカバーしています。

もっと広いものであれば、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」という株式指数があり、米国市場のほぼ100%をカバーします。

これに投資したければ、バンガード社のバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)を買えば達成できます。

過去10年の結果では、NYダウはVTIにギリギリ負けているようです。配当利回りは若干NYダウのほうが良い場合が多いですが、大きな差はありません。

NYダウは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが、時代に合わせて影響力が高く、収益性や財政状況が優良な企業を30社選んでいます。

最近では、2015年にアメリカ大手通信会社のAT&Tが外れ、アップル社が採用されました。

しかし、明確な基準はなく、一度に3銘柄入れ替わることもあったりと、透明性に欠けます。また、時価総額基準ではなく、単純株価平均でウェイトが決まるのも大きな弱点です。

例えば資本財セクター最大のゼネラル・エレクトリック社は、1株あたりの株価が安いので比率は1%を切ってしまっています。

一時期は、株価が高いIBMが全体の10%を占めていたこともありました。

この構造は、日本の日経平均株価と似ています。日経平均株価も、ファーストリテイリング(ユニクロ)社が全体の10%近くを占めていて、バランスが悪いです。

インデックス投資を行う人は、分散投資や、仮設市場効率性に賭けて投資をしているはずです。

であれば、米国市場に投資をしたいなら、指標が有名で選択肢が多いS&P500連動の商品か、より広い範囲に投資できるVTIなどのほうがいいです。楽天から販売される、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」もほぼVTIと同じなので非常におすすめです。

少し前までは、信託報酬の関係からNYダウを選ぶ人もいましたが、現在はその問題も解決しているので、わざわざNYダウを選ぶ必要はありません。

その中であえて採用基準がはっきりしないNYダウを選ぶということは、「意図的に選んだ30銘柄に投資するアクティブファンド」に投資することに等しいです。(信託報酬は激安だけどね)

なので、S&P500やVTIへの投資と、NYダウへの投資は全くジャンルが違うと考えたほうがいいと思います。

シーゲル二郎はそもそもインデックス投資ではなく個別株投資がしたいので、ダウジョーンズが選んだ30銘柄が素晴らしいと思うからNYダウに投資をしているまでです。

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