ホームデポ(HD)分析

シーゲル二郎です。

今回は、ホームデポ(HD)を分析していきます。

ホームセンターで世界トップの巨大企業です。

 

連続増配…7年

S&P格付… A

採用インデックス
・NYダウ
・S&P500

 

ホームセンター業界世界トップの企業です。ですが、活動エリアはほぼ米国内だけのローカル企業です。小売業であり、販売する商品が巨大なので、あまり海外展開するジャンルではありません。

日本でいうカインズホームやコメリと同じ業種ですが、その規模はケタ違いです。アメリカは、イメージ通り家がバカみたいに広くてデカく、日本みたいな新築志向もないので、中古物件の需要も高いです。

そのため、住宅は買って終わりではなく、DIYで補修や改良していくことが当たり前の文化になっています。日本のDIYは金持ちの趣味道楽ですが、アメリカのDIYはむしろ節約のために必要な日常生活の一部のようです。

日本の家はウサギ小屋みたいに狭いといわれていますが、平均床面積で考えると世界5位の広さであり、かなり上位になっています。東京の社畜がイメージダウンに貢献しているようです。

もちろんアメリカはぶっちぎりの1位で、日本の倍近くまであるようです。広大な国土も、強い国の必要条件ですね。

住宅が広いことで、ホームセンターの需要も非常に高く、成長産業ともいえる業界になっています。

アメリカのホームセンターは、少ない企業でシェアを分け合っており、このホームデポ(HD)と、ロウズカンパニー(LOW)の2社で多くのシェアを獲得しています。

ロウズカンパニー(LOW)は、連続増配55年であり、米国配当貴族指数にも選ばれています。成長産業を2社で分かち合っている状況なので、激しい競争にはならないと思います。

また、Eコマースのネット販売に力を入れており、急成長を達成しています。ホームページでは、商品の販売だけではなく、DIYに関する知識やノウハウについても詳しく説明されているようです。実際店舗で買い物をする人も、何が必要かを調べてから来客する人が多いようです。

ホームデポの店舗には、知識豊富な店員を多く配置しているので、安心して必要なものを探すことができます。日本でいう家電に詳しい店員みたいな感じですね。

同じEコマースであるアマゾンは、比較的決まったものを定期的に買う顧客がターゲットなので、商品説明などは購入者のレビューやアフィリエイトに任せている部分が大きいです。その点、ホームセンターは専門性が高く、必要に応じて買うべきものが変わってくるので、専門業者ならではの強みが生かせる分野です。

そのため、小売業でありながら、アマゾンの脅威にさらされていない数少ない分野です。

 

リーマンショックで大きくやられています。もともと事件の発端は、低所得者向けであるサブプライムローンの返済が滞ったうえに、担保にしていた住宅価格が大きく下落してしまったからです。そのため、住宅の購入が冷え込んだので、ホームデポも大打撃を受けています。

とはいえ、赤字にはなっておらず、右肩上がりで回復しているので問題ないでしょう。

 

営業CFマージンは10%前後で、小売業では驚異的です。ライバルのロウズカンパニーは8%前後だったので、収益性は多少高いといえます。大規模な店舗なので、投資CFが多いかと思いましたが、意外と少なめです。今後の実店舗出典は控え、ネット販売に力を注ぐようなので、今後さらにフリーCFを生み出しやすい環境になりそうです。

 

リーマンショック後は非常に美しい右肩上がりです。配当性向は継続的に50%を切っており、増配余力はまだまだあります。

 

自社株買いに積極的なため、ROEが極端に増加していますが、業績が安定しているので問題ないでしょう。

 

現時点情報(2017/8/19)

株価…159.9ドル
予想PER…21.7倍
配当利回り…2.27%
連続増配…7年

今後の成長を考えると意外と割安な感じがします。配当利回りは2%強と高くはありませんが、今後の成長と配当性向を考えれば、期待できそうです。

業績だけで見れば文句なしです。ホームセンターという成長産業を抑えており、小売業ですがアマゾンの脅威も少ないです。むしろ専門知識を生かし、アマゾンが入り込めない深い堀を創ることが期待できます。

今後の増収増益も見込まれており、配当金も悪くありません。利益率があまり高くないのは、業種柄仕方がないので、問題ではないでしょう。

シーゲル二郎的なマイナスポイントは、米国内だけでのビジネスなので地域分散ができていないことと、住宅市場に影響されるため不況に弱いと思われるところです。

とはいえ、リーマンショックでも黒字を確保しており、住宅価格が下がろうと維持補修は必要ですから、思ったよりは安定しているイメージでした。

ライバルのロウズカンパニーと比較すると、こちらのほうが収益性が高く、ネット販売の拡大余地が大きいので、総合的にはこちらのホームデポのほうがより優秀かもしれません。

とはいえ、両方とも優良企業に間違いなく、バリュエーションも似たようなものなので、どっちも買っちゃえばいいのではないでしょうか(適当)

この2社で潰しあうというというよりは、ホームセンター業界自体が没落するのが最大のリスクです。

シーゲル二郎は、配当貴族でロウズカンパニーを、NYダウでホームデポに間接投資しているので、できれば争うことなくじわじわ成長してくれれば嬉しいですね。

 

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