ファイザー(PFE)分析
シーゲル二郎です。
今回は、ファイザー(PFE)を分析していきます。
世界有数の製薬会社で、「バイアグラ」を発明した企業でもあります。
連続増配…6年
S&P格付…AA
採用インデックス
・NYダウ
・S&P100グローバル
・S&P500
名前はシーゲル二郎も初めて聞きました。世界有数の製薬会社、メガファーマーの一角です。循環器・中枢新家、鎮痛、抗炎症系などの新薬開発で実績があるようです。シーゲル二郎はあまり病気にかからないので、症状名を言われても全くピンときません(笑)
出典「ビジネス+IT」
グラフだと1位になっていますが、少し古いデータなので現在は入れ替わっているかもしれません。M&Aによる買収合戦が盛んな業界なので、順位はあってないようなものです。市場を独占しているような巨大企業は皆無であり、非常に競争が激しいです。
事業内容はすべて製薬関係であり、半分が新薬、半分がジェネリックです。米国ではジェネリック医薬品のシェアが90%を超えており、広く普及しています。
とはいえ、花形は新薬開発です。しかし、大手のメガファーマーは最初から自社で開発したものは少なく、大抵は有力ベンチャー企業などを買収していくことが多いです。
そのため、メガファーマーは事実上、医薬品専門の投資会社みたいなものです。開発力よりも、いかに潤沢な資金で適切なM&Aができるかが重要です。この手法はファイザーが成功を収めたことより、「ファイザーモデル」とも呼ばれています。
ようするに札束で殴るゲームです。(無駄遣いはNG)
売上先は分散されており、特筆することはありません。
リーマンショックでも無傷です。今後の業績予想が凄まじいですが、2016年に買収したスピーラ社を含めた買収効果により、利益倍増になりそうです。これだけの企業が買収で利益倍になるってすごいですね。
2010年に大きくへこんでいるのは、2009年に買収した米国ワイス社の影響かと思います。それを除けば、極めて美しいです。設備投資は不要ですが、研究開発やM&Aには莫大な費用が掛かるため、要注意です。
実は2009年に減配するまでは連続増配41年の配当貴族でしたが、没落してしまいました。直近では配当性向が100%を超えていますが、今後は純利益倍増予定なので問題ないでしょう。2013年は何かあったようですが分かりませんでした。
自己資本比率が下がってきていますが、買収を重ねた結果かと思います。
現時点情報(2017/9/11)
株価…34.1ドル
配当利回り…3.76%
実績PER…28.85
予想PER…18.18
連続増配…6年
いつも載せているPERは予想のみですが、今回は実績も載せてみました。今後の増益予想がハンパないので、予想PERでは18倍程度とそこそこになっています。
特筆すべきは、配当利回り3.76%というところです。直近では配当性向100%を超えていますが、今後は問題なさそうです。
製薬会社はビジネスモデルがあまり好きではありません。莫大な研究費をかけても、そのうち利益をもたらすのはほんの一部の成功した新薬だけです。そのため、数打ちゃ当たるの精神であり、当たらなかったら会社が傾きます。
また、M&Aが盛んであるため、安く買収したいメガファーマーVS高く買収されたい新興企業の対決であるともいえ、個別株で投資するのは難しいジャンルになると思います。
かといって、製薬含むヘルスケアセクター全体では、配当利回りが低く、直近では1.5%を切っています。そのため、個別株、セクター戦略どちらもクセが強いです。
話がそれました。ファイザーの事業内容は深く理解できませんが、実績で数字を見る限りでは、不況耐性も高く、安定性も十分です。直近では配当利回りが4%近くまであり、投資タイミングとしても申し分ないのではないでしょうか。
しかし、リーマンショックで連続増配が途切れている点が問題…では全くありません。
41年連続増配がリーマンショックでストップしたという部分だけ聞くと、確かにポンコツ銘柄に見えてしまいますが、ファイザーの場合、利益はほとんど落ち込んでいません。ファイザーが減配したのは、業績悪化ではなく大型買収のせいです。2009年に、チャンスといわんばかりに米国大手ワイス社を買収したので、その代わり減配したと予想できます。
「不況に強いヘルスケアなのに減配した」みたいな記事をよく見ますが、、減配そのものは問題ありません。大事なのは、不況で減配しないことではなく、不況でも利益を生み出し有効に使えるかどうかです。
不況でがっつり暴れまくれる企業が、長期で高いリターンを生み出します。暴れる方法は、配当金、自社株買い、事業拡大どの方法でも構いません。
参考記事「セルフドルコスト平均法」
ファイザーは、不況の時だから配当金よりも、株価が下落した企業を買収したほうがいいという判断をしたので、減配したまでです。株主利益にとってはむしろ理想的な立ち回りだったといえます。
しかし、減配したことは間違いないので、配当貴族の椅子は失っています。このような正しい減配をした企業を排除してしまうのが、米国配当貴族指数の大きな弱点です。逆に、無駄に増配を続けるポンコツ企業を残してしまうこともあります。
いい面と悪い面がはっきりしている企業です。
良いところ
・大手製薬メーカーで、M&Aに定評があるため、今後も成長が期待できる。
・配当利回りは4%近くあり、高配当。
・正しい減配をしているので、連続増配ばかりに注目する投資家の目に留まらない。
・トランプ大統領による薬価格引き下げというほどよい懸念材料がある。
悪いところ
・買収で利益が伸びすぎ。悪い意味で目立ってしまう。
・政治リスクや訴訟リスクが大きい。
シーゲル派にとっては長所も短所も同じようなものですが、シーゲル二郎が分析するとこんな感じです。あとはご想像におまかせします。