インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)分析

シーゲル二郎です。

 

今回は、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)を分析します。

IBMは、社内ネットワークやクラウドサービスなど、ソフトウェアを中心としたIT企業です。

 

連続増配…22年

S&P格付…AA-

採用インデックス
・NYダウ
・S&Pグローバル100
・S&P500

 

BtoBが基本なので、あまり馴染みはありませんが、創業は1910年で、IT企業としては老舗ともいえる企業です。

シーゲル二郎はIT企業のことは知らないので、抽象的な話や、数字の話が多くなるので詳しく知りたい方は他の人の分析を見てください。

連続増配は22年で、米国配当貴族には選ばれていませんが、大手IT企業の中では1番長いです。優良企業ではありますが、いろいろとクセがあって、現在あまり人気はありません。

インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)は、ソフトウェアを中心としたIT企業です。もともとはパソコンの開発もしていましたが、2005年にパソコン事業をLenovo社に売却しており、ハードウェアから撤退しました。

ハードウェア事業は、コモディティ化が進み、価格競争が進んだため、儲からないと判断したからです。

IBMは世界中の大企業の社内ネットワークの大半を構築しているといわれており、IBMのシステムがなければ、大企業は仕事ができなくなってしまいます。

また、人工知能「ワトソン」の開発も先行しています。

 

そのため、事業内容は複雑怪奇で、高卒のシーゲル二郎では理解不能です(笑)

また、個人向けの事業では、Amazonやマイクロソフトといった強敵が多く、あまり目立てていません。

 

米大陸にはメキシコやブラジルなども含まれているようです。米国だけの比率は35%ほどのようなので、大半が海外で稼ぐグローバル企業です。ある程度の大企業であれば、必ずIBMのお世話になっているといっても過言ではありません。

 

そんな硬派なIBMですが、現在投資家からはポンコツ扱いされることが多い不人気銘柄です。

その理由の一つに、世界一の投資家、ウォーレンバフェット氏の売却があります。

もともとバフェット氏は、「理解できないビジネスをする株は買わない」という極意があり、IT企業には一切投資をしていませんでした。しかし、2011年、IT企業であるIBMに突然投資を始めました。そのため、投資家の注目を多く集めました。

もっとも、バフェット氏にとっては突然でも意外でもなく「理解できたから」買っただけなのでしょうけど。

しかし、そのIBM株を、2017年に1/3売却したことを発表しました。

そのため、多くの人がバフェット氏のIBM投資は失敗だったと考え、IBMの投げ売りが始まりました。

 

売上は20四半期(つまり5年)連続で減少しており、ここでもポンコツの名をほしいままにしています。

しかし、利益率は非常に高く、純利益は高水準を保っております。

 

営業キャッシュフローマージンは、20%前後で推移しており、もろ儲けしております。ソフトウェア企業のため、投資キャッシュフローも少なめで、フリーキャッシュフローもすさまじいです。

 

連続増配22年は伊達ではありません。配当性向は50%を切っていますが、EPS上昇のために自社株買いを大量にしております。そのため、株主還元に積極的とも取れますし、売上減少のお茶を濁しているともいえます。

自社株買いは各指標を底上げし業績をよく見せるので、若干のポンコツポイントです。

 

自己資本比率が20%を切っており、通常の企業であれば好ましくないですが、IBMのキャッシュ獲得能力を考えれば十分です。

レバレッジがかかっているため、ROEも非常に高いです。稼ぐ能力は素晴らしいです。

 

現時点情報(2017/8/22)

株価…140.33ドル
配当利回り…4.3%
連続増配…22年

20四半期売上連続減少中のため、投資家の期待が低く、右肩下がりともいえるチャートです。配当利回りも、4%を超え高配当といえます。

逆張り投資家はぜひどうぞ。

IBMは、社内ネットワークに強みがあり、大企業の運営に必要不可欠なサービスを提供しているので、毎年更新料を得ることができる安定的なビジネスモデルを持っています。

また他社に乗り換えるためのコスト(=スイッチングコスト)も高いので、深い堀(=ワイドモート)を築いているといえます。

しかし、様々な懸念材料があるため、投資家も正直に低い評価をつけています。

・事業編成中のため何をやっているかわからない。
・よくわからない事業買収にお金が使われているのではないか。
・競合相手が強く勝てるかどうか不安。
・売上がずっと減少していて、いつ戻るのかわからない。
・自社株買いなどで数字を細工しているのではないか。
・配当金で投資家をおびき寄せるための連続増配ではないか。
・バフェット氏が売ったということは、ビジネスモデルに問題があるのではないのか。
・上昇相場なのに株価が全然上がらない。
・おまけにシーゲル氏の本では「成長の罠」の悪い例として取り上げられている。

これだけの状況がそろえばポンコツ扱いされても文句は言えないでしょう。

IT企業は、成長が日々激しく、事業買収も活発です。そのため、バフェット氏と同じくシーゲル二郎も何をやっているかなんて理解できないし、理解する必要もないです。

結局、事業の成長性ではなく、いかに安定して利益と配当金を伸ばしていけるかがカギなのですから、多少のポンコツぐらいが逆にちょうどいいのです。

例えば、下記のような比較的成熟したIT企業であっても、今後もシェアを維持できる分野があるはずです。
・IBM…社内ネットワーク
・マイクロソフト…OS、オフィスソフト
インテル…パソコンCPU
シスコシステムズ…スイッチ、ルーター

これらの分野は、成長産業どころか衰退産業といっても過言ではありません。しかし、無くなることはありませんので、そこから現金を得ることができ、事業買収で他の分野に拡大していくことができます。

株価が低ければ、今のIBMのように余ったお金で自社株買いをしてEPSを伸ばせばいいだけです。

また、投資家の期待はかからないので、妥当な株価で積立続けることができ、配当金を雪だるまのように増やしていくことができます。

そういった意味で、売上は減少していてもちゃっかり高収益で稼ぎ続けていて、かつ投資家から避けられているIBMは、今後素晴らしいリターンをもたらすかもしれません。

「成長の罠」から抜け出したIBMは、どれほどのリターンを生み出せるのでしょうか。

なお、連続増配22年なので、もう数年まてば米国配当貴族指数に採用されるかもです。(ワクワク)

 

 

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