バフェット流投資 | つみたて次郎の投資日記 https://siegeljiro.com シーゲル流×積立NISA×iDECO Sun, 10 May 2020 02:03:28 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.0.9 134557597 バフェット「資産の90%をS&P500に投資せよ」 https://siegeljiro.com/90-sp500 https://siegeljiro.com/90-sp500#comments Sat, 03 Nov 2018 21:01:27 +0000 http://siegeljiro.com/?p=4049 つみたて次郎です。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏は、自分がなくなった後の資産の管理について妻に次のように告げています。

 

「資産の90%はS&P500、残り10%は政府短期国債に投資せよ」

 

家族がしっかり資産を運用できるように遺言を残しています。

ちなみにバフェット氏は2度結婚しており、最初に結婚した相手はスーザン氏でしたが、2004年に亡くなり、その後2006年にアストリッドと結婚しました。

バフェット氏は、投資会社であるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)のCEOです。事実上はバフェット氏が舵を取る投資ファンドともいえる存在です。

バフェット氏は現在、ジョフ・ベソス氏、ビル・ゲイツ氏に次ぐ世界第3位のお金持ちです。資産総額は840億ドル(約8.9兆円)です。

資産の多くはバークシャー・ハサウェイのA株になっており、株主と運命共同体ともいえます。

ですが、自分の死後にはS&P500に投資しろと言っているということは、自分が去った後のバークシャー・ハサウェイを売れという指示になり、少し悲しいです。

バフェット氏自信は根っからの集中投資家で、「分散は無知に対するヘッジだ」という格言も残しています。その一方、インデックス投資の有効性を認めており、多くの投資家の最適解になるという発言もしています。

妻への遺言も、S&P500に連動するインデックスファンド(バンガードなど)に資金の90%を投資しろといっています。

そのため、世界一の投資家が認めるS&P500への投資が1つの最適解であるという見解が広がっています。

 

日本人が参考にする場合の注意点

あくまでアメリカ人のバフェット氏が妻や株主等に伝えている言葉であるため、基本的にはアメリカ人向けの運用方法であるという点には注意が必要です。

S&P500は米国株に連動する指数であるため、日本人が投資する場合は米ドルに対する為替リスクを抱えることになります。

長期投資であれば為替変動の影響は無視できるとされていますが、短期的にはボラティリティの増加要因となります。

だからといって為替ヘッジをつけて対応するのが適当だとは思いませんが、「アメリカ人向けの投資法」である点は割り引いて考える必要がありそうです。

また、次の項目で述べますが米国短期債についても同様の疑問があります。

 

 

10%の短期債を持つ意味

S&P500に90%投資するのは、バフェット氏が米国経済の成長を強く信じていていることを考えれば当然の内容です。

ですが、残り10%の政府短期国債が気になります。バフェット氏はアメリカ人なので、米国短期債のことを指しています。

世界で最も安全な資産(ということになっている)米国債を10%組み込んでいます。短期債ということなので、償還までの期間が1年未満の価格が極めて安定している債券になります。

上記の格言の通りにポートフォリオを組むと、次のようになります。

わざわざグラフにするまでもありませんがこんな感じです。S&P500は米国企業500社の株式になるので、全体の90%が株式、残りが政府短期国債になります。

政府短期国債10%については、いわゆる生活防衛資金のような意図があるのかと勝手に予想しています。必要な出費があったときに優先して売却する部分という意味で。

参考記事「生活防衛資金は投資家の命綱

なので日本人が真似する場合、短期債の部分は日本国債等の円建て資産で代用するのが良いのではないかと思っています。

割合を維持していくのであればリバランスが必要だし、生活防衛資金としての国債ならリバランスする必要は別にありません。

生活防衛資金と割り切ってしまうのであれば、さらにリスクの低い個人向け国債や現金にしてもよさそうです。

バフェット氏はバイ&ホールドが基本の投資家で、値上がりしたから一部利確するようなケチなことはしません。

2017年にはウェルズ・ファーゴ(WFC)を少し売りましたが、保有株数がWFC株全体の10%を超えてしまうとFRBの調査が入って面倒だからという消極的な理由によるものです。

バフェット氏の投資哲学を考えると、リバランスして調整するということはしないのではないかと思います。

なによりバフェット氏がリバランスのような小手先の投資法について語るシーンを想像したくありません。

バフェット氏にはリバランスとか積立投資とかとは無縁の、雲の上にいる存在であってほしいのです。

バフェット氏には、抽象的で誰も実践できないような投資哲学を貫いてほしいです。

 

なぜVTIではなくVOO?

バンガードのETFであれば、S&P500に投資するVOOよりも、米国市場全体に投資するVTIのほうが有名です。なぜVTIではなくVOOを推奨したのでしょうか?

つみたて次郎が捻くれた2つの理由を考えてみました。

 

①単純に大型株が好きだから

バフェット氏は米国の誰もが知っている超大型株への集中投資で成功した投資家です。S&P500は大型株500社の時価総額平均なので、単純に市場全体よりS&P500が好みだという理由です。

 

②ブラックロック、ステートストリートに配慮した

S&P500に連動するETFは各社の目玉商品で、ブラックロックはIVV、ステートストリートはSPYがあり、それぞれ総資産額が最大です。特にSPYは全ETFの中で最大級です。

それに対し、バンガードはVOOがありますが、一番人気は米国市場丸ごと投資のVTIです。この状況でVTIといってしまうと、明らかにバンガードをひいきすることになってしまいます。

それでもバンガード好きはアピールしたいので、S&P500(バンガードなど)というちょうどいい表現に落ち着いたと考えたのが理由です。

 

どちらもつみたて次郎の妄想なので、99.9%違うと思います。

 

S&P500に投資するなら?

上記で紹介したバンガード・S&P500(VOO)は海外ETFであるため、通常の株式と同じように市場で買付しなければなりません。

利便性を重視するのであれば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)という投資信託を活用する手があります。

投資信託なので金額指定による買付や自動積立も可能となっており、つみたてNISAの対象商品になっているのも大きなメリットです。

つみたて次郎も現在積立中ですので、S&P500に投資したい場合はぜひ検討してほしい商品です。

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【バフェット】バークシャーハサウェイの議決権について考えてみる【BRK.B】 https://siegeljiro.com/brk-b-giketuken https://siegeljiro.com/brk-b-giketuken#comments Wed, 13 Jun 2018 21:01:05 +0000 http://siegeljiro.com/?p=7219 つみたて次郎です。

米国個別株投資家に大人気の銘柄の1つに、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)があります。

かの有名なウォーレン・バフェット氏がCEOを務める保険コングロマリット企業で、事実上バフェット氏がファンドマネージャーを務めるアクティブファンドのように扱われることが多いです。

そんなバークシャーハサウェイには、BRK.ABRK.Bという2種類の株式が発行されています。

BRK.Aは、1株当たりの株価がなんと約30万ドル(≒約3,300万円)もあり、機関投資家や富裕層向けの内容になっています。

BRK.Bは、A株を1,500分の1に分割して誕生した株で、株価はA株の1,500分の1以下になるように推移しています。

現在の株価は約200ドル(≒約2.2万円)となっており、個人投資家でも気軽に買うことが可能です。ただし、議決権はA株の10,000分の1しか付与されておらず、理論価値は次のようになります。

 

A株1株≻B株×1,500株

 

A株に対するB株で考えると、株価が1,500分の1なのに議決権は10,000分の1になっており、計算すると同じ投資額に対する議決権の重みは6倍以上違っていることになります。

議決権の価値の分、A株1株のほうがB株1,500株よりも大きくなります。

万が一逆転するような事態があった場合、A株を買い・B株を空売りすることで調整されるような仕組みになっています。

実際に取引できるのはB株のみですが、購入する際にはA株の株価にも気を付ける必要がありますね。

ちなみにほとんどの個人投資家には関係ない話ですが、A株は任意でB株1,500株に交換することができます。ただし、B株→A株に交換することは出来ません。

 

そして今回は、議決権の重みについて考察していきます。

A株とB株の株価と発行株式数は、次の通りです。(2018年6月12日現在)

株価 発行株式数 時価総額合計
A株 292,770ドル 約74.7万 約218億ドル
B株 195.53ドル 約13.46億 約263億ドル

 

A株とB株の時価総額における比率で考えてみると、B株のほうが大きいようです。これは意外な事実でした。

時価総額を合計すると約481億ドルとなり、これはバークシャーハサウェイ全体の時価総額とほぼ一致します。

そして株式の種類別に議決権の重みを計算してみました。

バークシャーハサウェイに対する議決権の保有割合

 

A株全部…全体の約85%
B株全部…全体の約15%

 

A株の時価総額に対する割合は半分を下回っていますが、議決権で考えると全体の85%近くを持っていることになります。

BRK.Bを保有している個人投資家が全員束になっても、株主総会をひっくり返すことは出来ません。

 

つみたて次郎は、株式における議決権をかなり重要な要素だと考えています。

バフェット氏の名言に、「株ではなく事業を買う」という言葉があります。

株式投資のリターンの源泉は企業が稼ぎ出すリターンであり、優良な事業を適正な価格で買うのはバフェット氏の基本戦略となっています。

つみたて次郎もこの言葉に深い感銘を受けており、例え個別株を直接保有しないETFや投資信託への投資であっても、その背景にある事業に目を向けていく必要があると思います。

そして株式投資とはその企業のオーナーになることに等しいですが、果たして議決権のない株式は本当の意味でオーナーになっているのか?という疑問があります。

参考記事「無議決権株に対する不信感

そのため、議決権が付与されない優先株式や無議決権株に対し、あまり良い印象を持っていません。

そして今回のBRK.Bも、議決権が不完全という意味では同様のケースです。

 

そもそもバークシャーハサウェイがA株→B株への株式分割を行ったのは、金融機関の思惑を避けるためという消極的な理由があります。

昔からBRK.Aは値嵩株として有名で、株価が高すぎて買いたくても買えない投資家がたくさんいました。しかし、質の良い投資家に長期保有してもらいたいということで、株式分割は一切しない方針でした。

その状況に目を付け、BRK.Aの権利を分割して個人投資家に売りつけようとする金融機関が現れ、それを阻止するために先手を取って株式分割に踏み切ったという経緯です。

分かりやすく例えれば、楽天バンガードのような間接投資ファンドを立ち上げられないように、自分たちで直接少額投資可能な状況を構築したといったところですね。

と、ここまではバークシャーハサウェイの投資家に対する情熱がよく伝わるエピソードなのですが、なぜその際に議決権の重みを細工したのかが非常に気になります。

やはり議決権が小口投資家にバラけるのを嫌ったのかもしれません。

 

ここまでバークシャーハサウェイの議決権について批判的な立場で解説してきましたが、バークシャーハサウェイの議決権についてはかなり特殊なケースであると考えています。

通常の株式会社であれば、議決権の有無や重みが違う株式を発行することで、議決権を維持しつつ増資することが可能です。

しかしこれは、投資家と経営陣の間にズレが生じることになり、一般的には悪材料になります。

しかしバークシャーハサウェイの場合、バフェット氏やその右腕マンガー氏の手腕を信じて投資している人がほとんどであり、むしろ創業者たちで全て議決権を保有しているほうが投資家としては安心できるかもしれません。

もし一部のBRK.A株主が結託してバフェット氏をクビにしようとしたら、その他大勢の株主は大反対すると思います。

これが上場株式ではなく未上場のミューチュアルファンドだとして考えれば、外部の影響でカリスマファンドマネージャーがクビになったらファンド保有者はたまったものではありませんよね。

先日、フェイスブック(FB)の多議決権株の廃止を求める声が上がっているというニュースがありました。

外部リンク「米フェイスブック、外部投資家の大半が多議決権株式に反対

これは、CEOであり議決権の過半数を握っているマーク・ザッカーバーグ氏への信認が揺らいでいると考えることもできます。

マーク・ザッカーバーグ氏の手腕を信じてFBに投資している人もいれば、ただ単にフェイスブックという事業を信じて投資している人もいるはずで、多議決権株は後者の株主にとって不都合な存在です。

しかしバークシャーハサウェイに投資している人は、ほぼ100%バフェット氏の投資手腕を信じてBRK.AやBRK.Bを保有しているはずであり、仮に議決権の100%をバフェット氏が握っていてもあまり気にならないような気がします。

バークシャーハサウェイ≒バフェット氏やマンガー氏らの投資会社という状況が続く限り、バークシャーハサウェイの議決権はあまり大きな意味を持たないのではないかと考えています。

ただしいずれにせよ、特定の経営陣に依存した株式会社は好みではないので、つみたて次郎がBRK.Bに投資することはおそらくないでしょう。

最後に、バフェット氏の格言の1つを紹介して終わりたいと思います。

 

 

バカでも経営できる企業を買え

 

 

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BRK.A欲しい

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バフェット「そこそこの事業を割安で買うより、素晴らしい事業をそこそこの値段で買ったほうがいい」 https://siegeljiro.com/buffett-subarashii-nedan https://siegeljiro.com/buffett-subarashii-nedan#respond Tue, 03 Apr 2018 21:01:36 +0000 http://siegeljiro.com/?p=6550 つみたて次郎です。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏の名言に、次のようなものがあります。

そこそこの事業を割安で買うより、素晴らしい事業をそこそこの値段で買ったほうがいい。

シンプルな文章ながら、投資の核心を突いた内容となっています。

一般的にバフェット氏は、バリュー株投資家といわれています。しかし、そのスタイルを見る限りでは、ひたすら割安株を追いかけるバリュー投資とはかけ離れているようにも思えます。

例えば、バフェット銘柄として有名なコカ・コーラ(KO)も、バフェット氏が投資した当時1988年時点では割高なグロース株でした。

そもそもバフェット氏は、バリューやグロースという考え方はあまり好きではないようなので、特に意味を持たない考察かもしれませんが。

バフェット氏の師匠であるベンジャミン・グレアム氏は、バリュー株投資の元祖ともいえる投資家で、解散価値に対して割安な株、いわゆる「ネットネット株」に集中投資を行い大きな利益を得ました。

当然弟子であるバフェット氏も、当時はグレアム氏の影響を強く受けた投資を行っていましたが、とある人物の助言を受け、その考えを改めるようになります。

その人物とは、現在バフェット氏率いる投資持株会社、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の副会長、チャーリー・マンガー氏です。

言わばバフェット氏の右腕ともいえる存在で、バフェット氏に負けず劣らずの超有名投資家です。

バフェット氏は、マンガー氏との出会いがきっかけで、従来のグレアム流投資法をアレンジし、「優良企業が安くなった時に買う」というスタイルを確立させました。

これは個人投資家にとっても、重要な考え方です。

特にバリュー株投資の場合、株価が割安だから投資した結果、ただのボロ株を掴まされただけだったということが日常茶飯事です。

そもそも市場は大体効率的なので、割安に放置されている株は株価相応の原因がある場合が多く、単純に割安株を保有していても大きなリターンを得ることは難しいです。

また、いくら割安でも企業が長期低迷したり倒産したら意味がないので、企業の事業内容等に問題がないかをしっかりチェックしていく必要があります。

 

その一方、この格言が拡大解釈されているのではないかという疑問もあります。

この格言通りに従えば、業績の良い企業に集中投資する結果になります。連続増配優良銘柄への集中投資なんかはまさにこの通りです。

これは裏を返せば、業績の悪いボロ株を捨てるという意思表示でもあります。

過去の歴史を振り返れば、米国市場で全く期待されず赤字で低迷した鉄道株は、長期でS&P500のリターンを超えていたというデータがあります。

シーゲル銘柄の代名詞であり長期リターン№1のフィリップモリス・インターナショナル(PM)も、当時は決して優良企業なんかではなく倒産寸前のボロ株でした。

バフェット氏の格言に基づけば、次の式が成り立ちます。

割安な平凡企業<そこそこな優良企業

確かにこれは真実かもしれませんが、そもそも企業価値を計算するのは容易ではなく、それこそバフェット氏ほどの実力がなければ割安かどうかを判断するのは困難です。

そして問題なのは、「割安な平凡企業」も「そこそこな優良企業」も、投資先としてはどちらも非常に優れているということです。

牛肉のA5とA4を比べているようなもので、例え優劣があるとしても、どちらも十分優良であるという視点を見失ってはダメだと思います。

過去の長期データを見れば、低PBR戦略低PER戦略のような事業内容を考慮しない割安株投資も報われています。

その究極ともいえる、超割安な問題企業に投資するネットネット株投資も素晴らしいリターンをもたらしています。

したがって、「優良企業をそこそこの値段で買ったほうが良い」が正しいとしても、「そこそこの企業を割安で買うのはダメだ」ではないということに気を付けなければなりません。

現在ボロ株の代名詞とも言われているゼネラル・エレクトリック(GE)も、株価が安ければ十分報われる可能性はあります(実は15株持ってます)

バフェット氏本人も、GE取得を検討しているような発言をしており、適正な株価を計算しているような状態です。

投資先を優良企業のみに絞ることで、かつての鉄道株のようなお宝を諦めるという事実はしっかり考えていく必要がありそうです。

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バフェット「ゆっくり金持ちになりたい人はいない」 https://siegeljiro.com/buffett%e2%80%90yukkuri https://siegeljiro.com/buffett%e2%80%90yukkuri#comments Wed, 01 Nov 2017 09:01:54 +0000 http://siegeljiro.com/?p=4072 シーゲル二郎です。

世界では、たくさんの人が投資で大金持ちになっていますが、徹底した長期投資で成功した人は非常に少ないです。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏は、徹底した長期投資で成功した人物です。

何かのきっかけで暴落した企業の株を買い、その企業が良い会社であり続ける限り持ち続けました。そのため、資産が増えていくスピードは比較的緩やかです。

バフェット氏は、投資会社バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)のCEOです。同会社は通常の会社というより、バフェット氏がファンドマネージャーを務めるアクティブファンドといったほうが実態に近いです。

バフェット氏の資産のほとんどは、バークシャーハサウェイのA株といわれています。そのため、同社の株が上がればバフェット氏の資産も増えることになります。

ちなみに現在、資産総額は約8.5兆円で、ビル・ゲイツ氏に次ぐ世界で2番目のお金持ちです。

バークシャー・ハサウェイは、配当金を出さないことで有名です。そのため、リターンは全て株価の上昇です。

1965年~2012年での株価上昇率は、年率約20%近くありました。平均なので年度ごとにばらつきはありますが、毎年増えるのはたったの20%だけです。

1,000,000円投資しても、1年後はたったの1,200,000円です。1年間で10倍になるような夢はありません。

次の年は1,200,000円に+20%でたったの1,440,000円です。まだ夢はありません。

37年目には850,560,000円です。夢だらけです。

最初に100億円用意して運用していれば、ちょうどバフェット氏と並ぶくらいのお金持ちになっています。

このように、複利でだんだんと増えていくので、最終的には大きな資産に成長します。裏を返せば、夢のように稼ぐためには長い時間が必要なのです。

現在アマゾン(AMZN)のCEOを務めるジェフ・ベゾス氏が、バフェット氏と対談する時がありました。

ジェフ・べネス氏は、バフェット氏にこう尋ねました。

「なんでみんなあなたの投資戦略をマネしないんですか?」

それに対し、バフェット氏はこう答えました。

「誰もゆっくり金持ちになりたいひとなんていないよ。」

これは、多くの投資家が短期的な利益を求め、結果投資資金を溶かしてしまうという状況を考えれば、非常に納得のいく理由です。

バフェット氏は集中投資で財産を築きましたが、その一方投資家の多くはインデックスファンドを持ち続けることが最適だということを話しています。

参考記事「分散は無知に対するヘッジだ

バフェット氏自身は集中投資、みんなに勧めるのは分散投資ですが、どちらも長期保有する点は一緒です。世界一の投資家が長期投資するべきといっていても、多くの投資家は短期投資で大儲けを夢見てしまいます。

2015年における米国での投資信託保有期間は、平均して4.6年です。ちなみに日本は2.6年です。

外部リンク「日本版ISAの道 その129

米国のほうが長いですが、それでもたったの4.6年です。投資信託は、もともと長期投資向けに設計されているのがほとんどなので、株式などを含めればさらに短くなると予想できます。

金融先進国で、バフェット氏が生まれ育った米国ですらこのありさまなのですから、バフェット氏の教えを実践している人がどれだけ少ないかがよく分かります。

人は、金持ちになりたいという欲望があります。そして、できれば若いうちに金持ちになりたいとみんな思っています。

だからこそ、多くの人にとってはこれからも株式市場はギャンブル場として君臨するし、数少ないゆっくりお金持ちになりたい人にとっては、着実に資産を増やせる希望(エスポワール)になると思っています。

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若いうちは貧乏に耐えろ

 

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バフェット「分散は無知に対するヘッジ」 https://siegeljiro.com/buffett-bunsan https://siegeljiro.com/buffett-bunsan#respond Mon, 30 Oct 2017 21:01:59 +0000 http://siegeljiro.com/?p=4042 シーゲル二郎です。

世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、集中投資で世界有数の大富豪になりました。

バフェット氏は、投資先の事業価値と株価に大きな差があるときに集中投資を行い、良い会社であり続ける限り持ち続けることで巨万の富を築きました。

現在バフェット氏がCEOを務める投資会社、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)は、保険業をと中心とするコングロマリットです。

保険業の中心としては、ダイレクト自動車保険のGEICOがあります。バフェット氏が投資をしたときは、手元資金の4分の3をGEICOに集中投資したことで有名です。

自信があるときにドカンと投資するのは、非常にかっこいいです。ですが、多くの投資家がマネすると、一発退場を食らいかねない諸刃の刃です。

タイトルの「分散は無知に対するヘッジ」というのはバフェット氏の名言の1つですが、続きがあります。

「分散は無知に対するヘッジだ。自分で何をやっているか分かっている者にとって、分散投資はほとんど意味が無い

バフェット氏は、並外れた自信があるからこそ、集中投資で利益を上げることができました。上記の格言は、分散投資に対する強烈な批判になります。

その一方、多くの投資家はインデックスファンドをずっと持っていたほうがいいという発言もあり、平凡な投資家であれば分散投資をするべきだということも話しています。

この格言には、2つの意味が込められています。

ここで話を変えますが、超有名ブロガーであるイケダハヤト氏のブログタイトルは、「まだ労働で消耗してるの?」です。(以前は労働でなく東京でした)

東京での労働で消耗していたけど、現在は地方(高知)でのびのびと生活しています。

このタイトルは、2つの意味を持っています。

1つ目は、東京で馬車馬のように働いている社畜に対しての煽りです。

2つ目は、既に地方在住の人からの共感です。

たったワンフレーズで、異なる属性の読者の興味を誘うことができます。

バフェット氏の「分散は無知に対するヘッジ」というフレーズも、2種類の意味にとれます。

1つ目は、何も考えずに思考停止で分散投資している人への批判です。

2つ目は、たいした知恵もないのに自信過剰でリスキーな集中投資をしている人への批判です。

分散投資・集中投資、どちらのタイプの投資家にとっても耳が痛いフレーズです。

しゃべった本人が世界一の集中投資家であればなおさらです。

シーゲル二郎は以前「貧乏人も卵は1つのかごに盛れ」という、分散投資の大切さについて説明した記事を書いています。

バフェット氏のような桁外れの才能がない無知なシーゲル二郎は、素直に分散投資を徹底していくつもりです。

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まだ集中投資で消耗してるの?

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バフェット「バカでも経営できる企業を買え」 https://siegeljiro.com/buffett-keieidekiru https://siegeljiro.com/buffett-keieidekiru#respond Sun, 29 Oct 2017 21:01:06 +0000 http://siegeljiro.com/?p=3989 シーゲル二郎です。

ウォーレン・バフェット氏は、誰もが知っている有名企業の株式に長期投資して大成功し、世界一の投資家と呼ばれるようになりました。

参考記事「バフェット氏のポートフォリオ

バフェット氏は、長期的に優位性がある企業に投資します。優れた企業には優れた経営者がいることが多いですが、長期間の企業運営だと、あまり優秀でない経営者がトップに立つこともあります。

そのため、愚かなCEOが就任しても問題なく企業が運営できる企業に好んで投資しています。

何度も出てきますが、コカ・コーラ(KO)はその筆頭です。よほど大ポカをやらなさなければ、コカ・コーラブランドは一生安泰でしょう。

その他には、ケチャップやチーズで有名なクラフト・ハインツ(KHC)なども同じ分類でしょう。

最近ではアップル(APPL)がバフェット銘柄に加わっていますが、若干この要素を持っているような気がします。アップルは、IT企業ではなくブランドで売る企業に移り変わっています。

 

 

ですがその一方、高度な経営戦略が必要な企業にも多く投資しています。

商業銀行のウェルズ・ファーゴ(WFC)や石油川上事業を行うフィリップス66(PSX) などは、経営陣が魅力であるという理由で投資されている部分が大きいです。

経営陣が魅力であるというということは、経営陣が入れ替わったら魅力半減ということです。上記の格言通りに投資をするなら、経営陣を見て投資をするのはあまり良くないということになります。

バフェット氏は、経営陣が優秀でなくても問題ない企業に投資する一方、経営陣の能力を評価して投資することも多いです。

バフェット氏の格言の中では、比較的幅がある内容になっています。

そして何より、バフェット氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)は、残念ながらこの格言の条件を満たしていません。

なぜなら、バークシャー・ハサウェイは、経営陣の手腕が最も大切だからです。CEOのウォーレン・バフェット氏や№2のチャーリー・マンガー氏は高齢であり、今後ずっと経営に携わることができるわけではありません。

皮肉にもバフェット氏の格言は、自分が経営する会社には通用しないということです。

ですが、バフェット氏がこの格言をすべて守っているわけではないように、格言とは万能ではありません。

「バカでも経営できる企業を買え」という格言を言葉通りバカ正直に受け止めてしまったら、大きな機会損失になってしまうかもしれませんよ。

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バフェット「散髪が必要かどうか床屋に聞いてはいけない」 https://siegeljiro.com/buffett-tokoya https://siegeljiro.com/buffett-tokoya#respond Sat, 28 Oct 2017 21:01:13 +0000 http://siegeljiro.com/?p=3986 投資金額が小さい評論家のシーゲル二郎です。

世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏は、優良株への長期投資という王道で世界有数の大富豪になりました。

そんなバフェット氏には、様々な名言が生まれていますが、投資だけでなく、日常生活にも役立つものがたくさんあります。

その代表的なものが、タイトルにもある「散髪が必要かどうか床屋に聞いてはいけない」です。

髪を切るべきかどうか悩んでいるときに、床屋の店員に聞いたら、「切らないほうがいいよ」なんていう人はいないということです。

金融機関に株や投資信託の相談に行くということは、これと同じようなものです。金融機関は、うまく商品を売って利益を得たいので、多少話を大げさにして商品を売ろうとするでしょう。

日本では特に横行しており、無駄に金をため込んでいる年寄りのカネを引っ張り出そうと奮闘しています。ネット証券なら手数料がかからないものに高額な手数料を差っ引いたり、投資価値のないボッタくりをうまく売りつけようとしています。

金融機関に金融商品の相談をしに行くのは、カモがネギを背負っているような状態です。

利害関係者の意見を全部真に受けてはいけないという、世の中を渡っていくための大切な考え方です。

 

 

では、どこで情報を仕入れればいいのでしょうか?

少し矛盾しますが、シーゲル二郎は金融機関で相談するだけならいいと思います。向こうは必死に商品の魅力を説明するでしょう。

相談してもすぐには契約せず、一旦家に帰って自分で自分で調べましょう。これは本でもネットでも何でもいいです。

利害関係者のバイアスがかかった情報というのは、基本的にメリットは大げさに、デメリットは少な目に説明されます。

金融機関で聞いた情報と、自分で調べた情報のギャップを調べていくことで、説明の本当とウソがはっきりと見えてきます。

利害関係者から聞く情報は信用できない場合が多いですが、最初から疑っているのであればそれは有力な参考情報になります。

もし自分で調べてもギャップが見つからなければ、それは素晴らしい金融機関と金融商品だということになります。

シーゲル二郎流に言い換えれば、「散髪するかどうか床屋に聞いてもいい、ただし話半分に聞け」となります。

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嘘を嘘を見抜く力

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バフェット「株ではなく事業を買う」 https://siegeljiro.com/buffett%e2%80%90kigyouwokau https://siegeljiro.com/buffett%e2%80%90kigyouwokau#respond Fri, 27 Oct 2017 21:01:48 +0000 http://siegeljiro.com/?p=3971 シーゲル二郎です。

ウォーレン・バフェット氏は、誰もが知っている有名企業の株式に長期投資して大成功し、世界一の投資家と呼ばれるようになりました。

参考記事「バフェット氏のポートフォリオ

バフェット氏は、株を買うときに、株券を買うイメージではなく、会社の事業そのものを買うイメージで投資をしています。

当サイトの読者様であれば説明するまでもありませんが、株とはただの紙切れではありません。(現在は電子化されていて紙ですらないけど)

株券とは、企業の所有権を分割したものです。株を買うということは、文字通り会社の一部を買うということです。株をすべて買い占めてしまえば、その会社は自分の物です。

例えば、みんな大好きコカ・コーラ(KO)は、2016年12月時点で発行株式数は4,288,000,000株でした。2016年12月末時点の株価は41.46ドルでした。

現在はもっと上がっていますが、当時の状況なら大体1株5,000円で買うことができました。

1株コカ・コーラの株を保有するということは、ザ・コカコーラ・カンパニーという会社の1/4,288,000,000を保有することができるということです。

少し無茶な計算ですが、自販機で500mlのペットボトルコーラを買うと、160円くらいします。これを発行株式数で割ると、0.0000000373円です。

5,000円でコカ・コーラの株を1つ買うと、ペットボトルが1本売れるたびに0.0000000373円の売上が自分の物になるという訳です。

あくまで売上だし、この計算は子会社などを一切無視しているので少しおかしいですが、イメージとしてはこのような感じです。

どんなに発行株式数が増えても、この原理は変わりません。バフェット氏はバリュー株投資家といわれていますが、投資するタイミングは結構割高なことも多いです。

バフェット氏がコカ・コーラに投資をしたのは1988年ですが、当時コカ・コーラはピカピカのグロース銘柄のような株でした。

バフェット氏が購入する前にすでに大きく値上がりしていて、多くの投資家が割高だと判断していた時でした。

ですが、コカ・コーラはその後利益成長率が年15%を超える急成長を遂げ、大きなリターンをもたらしました。

今でこそコカ・コーラは典型的な高配当バリュー株として扱われていますが、バフェット氏が投資した当時はバリバリのグロース株でした。

バフェット氏は投資する際の株価に細心の注意を払っていますが、それは自分が考えている事業価値に対して割安か割高かどうかです。

周りの投資家が割高だと判断していても、事業の内容を考えて割安だと判断すれば投資を決断します。

バフェット氏は投資の神様でもありますが、様々なビジネスの未来を読み解くことができる経営の神様でもあるのです。

株を買うのではなく事業を買うのであれば、事業の未来を見通す並外れた才能が必要ということですね。

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バフェット氏のポートフォリオ https://siegeljiro.com/buffett%e2%80%90portfolio https://siegeljiro.com/buffett%e2%80%90portfolio#respond Thu, 12 Oct 2017 09:01:37 +0000 http://siegeljiro.com/?p=3530 シーゲル二郎です。

世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェット氏は、ご存知の通りバークシャーハサウェイ(BRK.B)のCEOです。

普通の上場企業ではありますが、事業は保険を中心とした多種多様にわたり、事実上バフェット氏らが運営する投資ファンドのようになっています。

バークシャーハサウェイの傘下には多数の子会社があり、ダイレクト自動車保険で全米2位のGEICO(ガイコ)、食品卸売企業のMcLane(マクレーン)が主力となっています。

そして投資家にとって大注目なのが、非公開企業ではない上場企業への投資です。現在のバークシャーの株式ポートフォリオは次の通りになっています。

上場株式では、上位4銘柄で過半数を占める集中投資です。全体的に、ブランド力の高い老舗企業が多くあります。現在保有割合が6位であるIBMは、事業の見通しが立たないことで一部売却されて低めの割合になっています。

会社名 構成比率
クラフト・ハインツ 17%
ウェルズ・ファーゴ 16%
アップル 12%
コカ・コーラ 11%
アメリカン・エキスプレス 8%
IBM 5%
フィリップス66 4%
その他 27%

 

上位銘柄は全て企業分析してあるので、よろしければご覧ください。どれも利益率が高く、消費者にとってなじみが深いブランドばかりです。

世界一の投資家の投資先ということで、バフェット氏の売買には多くの投資家が注目します。最近では、アップルを買い増しする一方、IBMを売却しています。

バフェット氏が売却した銘柄は、もれなく暴落することが多いです。

インターナショナル・ビジネス・マシーズ(IBM)の株価チャートです。バフェット氏は、5月頭頃に保有株のうち3分の1ほどを売却したことを発表しています。

5月後にすぐ下落が発生していますが、その前の雪崩がすごすぎてバフェット氏のせいなのか分かりません(笑)

他にはゼネラル・エレクトリック(GE)をすべて売却しています。

シーゲル二郎は個別株投資をしていないので関係ありませんが、バフェット氏の売買の動向は少なからず市場にも影響を与えるので、継続してチェックしておきたいですね。

ただし、バフェット氏の後追いをしていては、バフェット氏よりも高く買い、バフェット氏よりも安く売ることになるのであまりオススメはしません。

バフェットの投資先をそのまま追いかけるのは良くないですが、バフェット氏の投資理由は参考にできます。今後も安定してキャッシュフローを生み出す優良企業に投資してほったらかしするだけなので、ウォール街の連中のような特別で複雑なことをやっているわけではありません。

バフェット氏の投資方法がシンプルだからこそ、マネするのが難しいのかもしれませんね。

マネできないと思った人は、素直にバークシャーハサウェイ(BRK.B)の株を買いましょう。

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BtoB < BtoC https://siegeljiro.com/btob-btoc https://siegeljiro.com/btob-btoc#respond Sun, 17 Sep 2017 11:00:30 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2741 シーゲル二郎です。

世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏は、消費者の知名度が高いビジネスへの投資を好んでいます。

具体的には、コカ・コーラ(KO)アメリカン・エキスプレス(AXP)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)などです。それぞれ炭酸飲料、クレジットカード、町の銀行ということで、消費者になじみ深いBtoC企業といえます。

一般的には、法人向けにビジネスを行うBtoB企業よりも、BtoC企業のほうが長期投資に向いているといわれています。BtoB企業の特徴をまとめると、次の通りです。

 

①知名度

BtoB企業は、そもそも法人向けなので、一般人の知名度は低いです。そのため、広告の必要性も低くなっており、マーケティングで企業価値を上げたりすることが難しく、愚直に商品やサービスの質を上げていくしかありません。

 

②ブランド効果

知名度と被りますが、商売相手は法人なので、ブランドはあまり関係なく、いかに相手の希望に合うものを安く高品質で用意できるかが全てです。相手企業の購買部とのやり取りになるため、取引に複数の社員がかかわることになり、ブランド指名買いなどはあり得ません。

ブランド力というよりは、取引先との信頼が重要です。かといって、信用を勝ち取っても強気な値段をつければ交渉の余地をあたえてしまうため、法外なボッタくりはできません。

 

③事業安定性

気まぐれで取引先を変えられることはないので、競争力を保っている間は安定しています。裏を返せば、強力な競合の台頭で大きな影響を受けます。顧客をつなぎとめるのが値段と品質しかないので、取引継続であっても、値引き交渉をされてしまう可能性もあります。一度の取引量が多いため、取引先を奪われれば窮地に追い込まれてしまいます。

 

④就職難易度

日本だけの話かもしれませんが、就職先ランキングを見ると、銀行、保険、製造メーカーなどの知名度が高い企業がずらずら並んでいます。投資するうえでは関係なさそうな気がしますが、人気が高いということは、優秀な社員が集まりやすいことでもあり、給料以外の魅力があることにもなります。

BtoB企業はいわば「隠れ優良企業」に分類されてしまい、就職する人は給料や安定性などの堅実を求める人が流れやすくなります。これはBtoBの問題というよりは、知名度が低いが故の欠点ともいえます。

いろいろまとめましたが、BtoCは上記の反対ということです。知名度は高いので、広告によるマーケティングが非常に重要です。日用品メーカーのP&Gや、ウォルト・ディズニーはみんなに広く知られていること自体が強みなので、多額の広告費を払っています。

また、一度ブランドが根付けば、「ブランド指名買い」が発生するので、強気な値段設定でも顧客が離れにくくなります。

ディズニーランドに行きたい人は他の遊園地は見向きもしないので、入園料が高くても客は入ります。

iPhoneを使っている人は、クソダサいandroidなんて見向きもしないでアップル社のiPhone8を買います。

どれだけボッタくりであろうと、顧客の心を掴んでいる間は好き勝手にビジネスをすることが可能です。莫大な利益を得ることができれば、次の広告や研究開発ができるので、長期にわたってブランドと競争力を保つことができます。

逆に言えば、ブランド力を保てないBtoC企業は悲惨です。ブランド力がない企業は値下げするしかないので、ますます利益が減り、最終的には資金がショートして倒産してしまいます。

バフェット氏が好むのも、強力なブランドを築き、ボロ儲けしている企業です。上記のような消費者が同じ商品やサービスを使わざるを得ない企業を、消費者独占企業といいます。

ブランド力を活かせないBtoB企業は、おのずとコモディティ化しやすく、競合と値下げ合戦や開発合戦に巻き込まれがちだということです。

これらの理由から、「BtoB < BtoC」という一般論が成り立ってしまうのです。

とはいえ、これはあくまで企業の勝ち組負け組を表しているにすぎず、投資リターンの勝ち組負け組になるかはわかりません。

参考記事「理解できない企業には投資しないという傲慢

 

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