フィリップス66(PSX)分析

シーゲル二郎です。

今回は、フィリップス66(PSX)を分析していきます。

バフェット銘柄の一角で、ガソリンスタンドなど石油の川下事業を行う企業です。

 

連続増配…5年

S&P格付…BBB+

採用インデックス
・S&P500

 

バフェット氏率いるバークシャーハサウェイのポートフォリオのうち、第7位のウェイトを占めています。とはいっても4.1%しかなく、影は薄いです。

石油を扱う企業で、エネルギーセクターに属しています。セクター内ではエクソンモービル(XOM)シェブロン(CVX)が有名ですね。これらの企業は、オイルメジャーと呼ばれ、石油の発掘から販売まですべて行う垂直統合型の企業です。

このフィリップス66は、もともとコノコフィリップス(COP)というオイルメジャーの川下部門でしたが、2012年に分離されました。

そのため、現在のフィリップスは川上専門企業、フィリップス66は川下専門企業ということになります。川上と川下というのは、石油事業の大きな分け方で、次のようになります。

川上…油田の開発、採掘
川下…精製、販売

川上は石油が出る油田を保有しており、大きな利益を得やすいです。その代わり、調査や発掘に多額の投資が必要で、結果が出るまで数十年単位の計画が必要になります。また、原油価格が下落すると大きな損失になります。

川下はガソリンスタンドなども含まれ、卸売・小売業の性格があり、利益率は低めです。その代わり、原油価格に左右されにくいのが大きな特徴です。

巨大なオイルメジャーは、両方の部門を保有していますが、割合としては資本力が必要だけど儲かりやすい川上の比率が高いことが多いです。エクソンモービルは7割、シェブロンは9割が川上部門です。

そのため、エネルギーセクターの中では、川下専門のフィリップス66は特殊な事業構造ともいえます。石油の精製を行ったり石油化学製品を製造したりもするので、素材セクターの特徴も兼ね備えています。

 

2016年には純利益が半分以下になっています。川下部門のため利益率も非常に低いです。今後の利益予想は増益が予想されています。

 

営業CFマージンは2~6%しかなく、薄利多売の小売業を思い出します。投資CFも安定しておらず、非常に汚いです。

 

増配率は素晴らしいですが、利益が追いついていません。連続増配に期待する企業ではありません。

 

ROEは直近下がっていますが、自己資本比率は45%前後で推移しており鉄壁です。エネルギーセクター企業は自己資本比率の安定性が抜群ですね。

 

現時点情報(2017/9/17)

株価…87.67ドル
予想PER…19.84倍
配当利回り…3.25%
連続増配…5年

参考に原油価格も載せています。右側の数字はドルではありませんので注意してください。コノコフィリップス(COP)から分離された直後はかなり上昇しています。また、2014年からの原油価格は暴落していますが、フィリップス66にはあまり関係ないようです。

川上部門を抱える多くのオイルメジャーは、原油価格の暴落ともに下落しています。川下専門のフィリップス66は原油価格の影響を受けにくいので、原油価格が低迷しているときには安定しています。

エネルギーセクターの中でも、川上と川下で分散するとリスクを減らせるかもしれませんね。

 

バフェット銘柄ですが、あまりバフェット氏の特徴とは一致していませんね。消費者独占企業でもなく、高収益な企業ともいえません。バフェット氏がフィリップス66に投資している理由は、「経営陣が好きだから」という直感的な理由からです。

しかし、バフェット氏は「愚かな経営者でも運営できる企業」に投資することも大切にしています。

ここで「バフェットのいうことは矛盾してる」なんて幼稚な考えをしてはいけません。何事でもそうですが、法則はどんな時でも当てはまるものではありません。あくまでバフェット氏の中で、フィリップス66に納得できる理由があったから投資しているにすぎません。

消費者独占企業とかそんな簡単な言葉で説明できるほど、世界一の投資家の頭は簡単にはできていないということです。バフェット氏のコカ・コーラに対する理解と、あなたのコカ・コーラに対する理解は全然深さが違います。

バフェット氏の名言通りに投資すれば成功するほど、集中投資は簡単なことではありません。多くの無知な投資家は、広く分散されたポートフォリオを組み、市場にしがみつくかっこ悪い投資を続けるしかないのです。

バフェットのマネをするなら、バークシャーハサウェイ(BRK.B)を買ったほうがいいです。

話がそれましたが、フィリップス66のシーゲル二郎流分析では、エネルギーセクター内での分散担当くらいしか役割は見つけられませんでした。

フィリップス66(PSX)分析” に対して1件のコメントがあります。

  1. 名無し より:

    > 割合としては資本力が必要だけど儲かりやすい川下の比率が高いことが多いです。
    ここは「川上の比率が高いことが多いです。」ではないでしょうか。

  2. つみたて次郎 より:

    >>名無し様

    おっしゃる通り逆になっていました。ご指摘ありがとうございます。

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