自社株買いの流行は資本主義の終焉か?
シーゲル二郎です。
最近、株主還元の方法として、配当金のほかに自社株買いが流行しています。自社株買いです。自社株買いとは、文字通り、企業が自社が発行した株式を、市場から購入することです。自社株買いをすると、発行株式数が減り、1株当たりの資産や利益が増えるので、株価上昇につながることが多いです。ケーキの大きさが変わらないけど、切り分ける人数が減ればたくさん食えるよねという理論です。
参考記事「自社株買いとは」
米国企業の中には、借金して債務超過になるまで自社株買いをする狂った企業が多くあります。ピエロが食べ物を売る企業とか、歯磨き粉を作る企業とかです。
この異常ともいえる状況に、シーゲル二郎は危機を感じています。株式会社とは、そもそも資金を広く集めるために誕生したものです。そのため、最初は株式を発行してお金と交換するし、途中で追加で資金が必要になれば、株式を新たに発行したりします。(増資)
株式を発行したのはお金を集めるためなのに、自社株買いは、その反対です。お金を出して、株式を回収するのです。
積極的な自社株買いを始めた企業は、もううちは株で資金を集める必要がないよという意思表示でもあり、株の本来の意味である、資金を集めるためという目的から大きくはずれてしまったということになります。そして、株式を追加で発行しないということは、株式を今後もずっと持っている人しか利益を得ることしかできないということです。
もちろん株式以外に社債などによる資金調達はできますが、上記の企業は借金しても自社株買いに使ってしまうので、本当にお金があり余っているのです。
勝ち組多国籍企業にとっては、株も社債も本来の「事業に必要なお金を集める」という目的から外れてしまったのです。
世界中を支配し頂点に君臨した多国籍企業にとっては、株は資金を集める方法ではなく、経営者が株主の機嫌をとり、お小遣いをもらうための道具になってしまったのかもしれません。資本主義の終焉は近そうです。
しかし、終焉までの間は、株式を保有している人だけが利益を享受できますので、ひたすら積立を続けましょう。