クラフト・ハインツ(KHC)分析
クソダサいパクリ系投信ブロガーのシーゲル二郎です。
今回は、クラフト・ハインツ(KHC)を分析していきます。
最近合併で誕生した、超巨大食料品メーカーです。
連続増配…1年
S&P格付…BBB-
採用インデックス
・S&P100
・S&P500
かのバフェット氏がCEOを勤めるバークシャーハサウェイ社の傘下だったハインツが、クラフトフーズと合併して2015年に誕生しました。これにより、バークシャーハサウェイの保有株の中で最も割合が高くなり、約20%を占めています。
そのため、バフェット銘柄として信者含め大きく注目を浴びている企業です。
クラフトフーズは、チーズ類に強みを持ち、加工食品や冷凍食品事業が中心です。左側の粉チーズ「クラフト」は、スーパーや飲食店でよく見かけると思います。
ハインツは、ケチャップのイメージが強いですが、その他調味料でも多くの国でトップシェアを握っており、地域に合わせたグローカルな事業展開を得意としています。右側の逆さボトルは、超有名ですね。
合併の片割れであるクラフトフーズの歴史をたどると、もともとはアルトリアグループ(MO)というタバコ企業の傘下に入っていましたが、2007年にスピンオフされました。
その後2012年には、北米事業をクラフトフーズ、北米外事業をモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)として2つに分けました。
そのため、合併前のクラフトフーズはほぼ米国内でのみ事業展開をしていました。その反面、ハインツは売上の大半が米国外のグローバル企業だったので、ハインツの販売網をいかしてクラフトフーズのチーズなどを海外にばらまいてやろうという魂胆がありました。
とはいっても、クラフトフーズは食料品が中心で、モンデリーズはリッツやオレオなどのお菓子類が中心なので、かつての仲間同士の悲しい争いは起きないでしょう。
クラフトがほぼ米国内専門だったので、合併後も米国の割合は高めです。とはいえ、今後は海外展開に積極的なので、今後は海外売上比率も伸びていくでしょう。
合併は2015年以前は、クラフトフーズ単体のデータです。2012年にモンデリーズと分離していて、2015年はハインツと合併しており、今後のデータを予想するには不十分です。ディフェンシブ性を求めて投資する人にはオススメできません。
営業CFマージンは、直近では20%ほどです。合併前は20%を超えることはなかったので、ハインツの実力に引っ張られて収益性は上がっているようです。とはいえ、合併して間もないので、数字をもとに投資をするのは早計です。
全く参考になりませんね。
合併後は自己資本比率が大きく改善しています。とはいえ、今後も他業種の買収を虎視眈々と狙っていることや、バフェット氏が自社株買い好きなことを考えれば、今後はどんどん低下していくと思われます。
ROEは参考になりませんね。
現時点情報(2017/9/15)
株価…81.43ドル
予想PER…23.96倍
配当利回り…3.07%
連続増配…1年
データはが合併した2015年以降のみなので注意。2017年2月には、英ユニリーバの買収を発表し、投資家を驚かせました。同業種の買収は予想されていましたが、まさか自分より大きいユニリーバとはだれも思っていなかったようです。ユニリーバ(UL)は超大型株ですが、この発表で株価が10%も上がるお祭り騒ぎになりました。
通常大きな買収計画を発表した時は、合併される側が上昇するのはよくありますが、合併する側は下がることが多いです。基本的に優良企業を買収するときは、買収される側が有利に交渉できる場合が多く、買収額を上乗せされてしまうからです。ユニリーバほどの有名企業ならなおさらです。
しかし、なぜか買収する側のクラフト・ハインツも上昇しています。バフェット銘柄なので、合併後の成長が期待されたのかもしれませんね。
しかし、ユニリーバの抵抗もあり、公表後2日目で撤回を発表しています。
配当利回りは3%を超えており、十分な水準です。とはいえ、連続増配実績はないに等しいので、配当金目当てで買うような銘柄ではないので注意してください。
バフェット銘柄でポートフォリオの比率が№1なので、嫌でも注目を浴びる企業です。
合併後のデータが少ないので、過去の業績から投資判断を下すのが難しいです。かつてのIBMのように、「バフェットが持っているから」という温い理由で保有すると、痛い目を見るかもしれません。
バフェット氏率いる持ち株会社バークシャーハサウェイは、投資会社の3Gキャピタルと約5,000億円ずつ出し合い、2013年にハインツを買収しています。そのため、各社ハインツ株式の約25%を支配していました。
そして今回の合併の際に、クラフト側の株主への調整として、各社約6,000億円くらいの投資金額を用意したようです。
合併後のクラフト・ハインツ全体でも各社25%ずつ割り当てられました。
クラフト・ハインツの時価総額は、合併当初約12兆円近くありましたので、その25%というと、3兆円弱です。しかし、各社が投じた金額は、各社1.1兆円ほどです。最初にハインツを買収した時に非上場となっているので、あくまで推測にすぎませんが、莫大なリターンを得たことは間違いなさそうです。
事業規模としてはクラフトの方が大きな企業でしたが、合併後の割り当てはほぼ半分ずつだったので、クラフトの株主にとっては割に合わない合併だったといわれています。
利益の大きさ云々というよりは、すでにバークシャーハサウェイはクラフト・ハインツで大きなリターンを得ている所に注目です。クラフト・ハインツは、今までは利益を生み出すドル箱でしたが、今後保有する人にとってドル箱になるかは不明です。
これは、同じくバフェット銘柄の1つである、コカ・コーラ(KO)も同じです。コカ・コーラも、バークシャーハサウェイの多大なる利益に貢献した優良銘柄の1つですが、最近の株価は冴えません。しかし、大きな含み益を抱えているので、売りづらい状況になっています。
バフェット氏にとってはこのまま売却して多額の税金を取られるよりも、配当金マシーンとして手元に置いておいたほうがいいのです。(シーゲル二郎の推測にすぎませんが)
同じように、このクラフト・ハインツも、すでに大きな役目を終えた株なのかもしれません。今後の配当金を上げていけば、このまま保有しても十分なメリットになります。
これから保有する人は、含み益なんて関係ないので、バフェット氏のマネして保有してもバフェット氏以上のメリットを得ることはできないことに注意してください。バフェット氏が持っているからという理由だけで保有する温い投資家のせいで、適正な値段がついていない可能性も十分ありますからね。
バフェット氏の投資手腕を信じるなら、バークシャーハサウェイ(BRK.B)株を保有するほうが間違いないですよ。
参考記事「税金を甘く見るな!」