モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)分析
シーゲル二郎です。
今回は、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)を分析していきます。
世界的お菓子メーカーです。
連続増配…3年
S&P格付…BBB
採用インデックス
・S&P100
・S&P500
社名はなじみがないと思いますが、ナビスコと聞けばピンとくるのではないでしょうか。クラッカーの「リッツ」や、クッキーの「オレオ」などの有名ブランドを保有しています。
企業ができた事情は複雑です。まず、タバコ企業のアルトリアグループ(MO)の傘下であった食品企業のクラフトフーズが2007年スピンオフされ、その後2012年に米国内事業と米国外事情に分離した時の、米国外のほうがモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)です。
クラフトフーズは北米内事業が中心で、粉チーズなどが有名です。お菓子ではなく加工食品が中心のメーカーです。ですが、こちらは2015年にケチャップで有名なハインツと合併してしまい、社名はクラフト・ハインツ(KHC)となりました。
そのため、米国での販売がメインだったクラフトフーズも海外展開するような流れになっています(笑)
つい最近までは、日本企業の山崎とライセンス契約を結び、「山崎ナビスコ」という日本法人を通じて製造していました。2016年8月で契約終了となり、現在はモンデリーズ社で直接製造されたお菓子が輸入されています。
それに伴い山崎ナビスコは「山崎ビスケット」に社名変更となり、現在は独自に商品を製造開発しています。
出典「ロケットニュース24」
左側の「リッツ」がモンデリーズ社で製造されているもので、ナビスコの記載があります。
右側の「ルヴァン」が、契約終了後に開発されたパチモンです。形が丸から四角になっており、大人の事情を醸し出しています。
リッツは今まで山崎が製造していたので、日本製だったのですが、現在はモンデリーズが直接製造したものを輸入しているので、インドネシア製となっています。そのため、山崎の流通力のおかげかリッツよりルヴァンのほうが売れているようです。
現在はCMでも従来のリッツパーティーと、新星ルヴァンパーティーが入り乱れています(笑)
シーゲル二郎の予想では、ナビスコやリッツブランドには勝てないだろうと思っていたのですが、意外な結果でした。日本人は何よりも国産を選ぶんですね(泣)
ちなみにシーゲル二郎はリッツのチーズサンドが好きです(聞いてない)
リッツ以外にも、様々なお菓子を販売しております。
種類 | ブランド |
クラッカー | リッツ、プレミアム |
ビスケット | オレオ |
ガム | クロレッツ、トライデント |
アメ | キシリクリスタル |
超特殊市場の日本でも馴染み深いものばかりですね。同じスナック会社のペプシコ(PEP)とは大違いです。
クラフトフーズの国際部門が分離してできた企業なので、海外展開は抜群です。扱っている商品も、クラッカーやビスケットなどは世界共通で受け入れられるものばかりです。
2015年の増益は、コーヒー事業をオランダのDEマスター・ブレンダーズ1753社と統合させたことによる一時的なものかと思います。
2016年の減収は、ベネズエラの通貨切り下げによる影響が響いているようです。米国外売上が大きいので、為替の影響を受けやすく、ドル高の影響で売り上げは減少中です。
営業CFマージンは10%ほどで、収益性は低いです。また、投資CFも同業種と比べると非常に多いです。生活必需品セクターでは、営業CFマージン20%越えも普通であり、投資CFも少ない傾向にあります。
比べてしまうと、かなり劣っているように見えます。
2015年と2016年の凸凹はコーヒー事業統合によるものなので、一時的なものです。2012年にクラフトフーズと分離しているため、配当金はそれ以降を見れば十分です。
企業の成り立ちは比較的新しい企業なので、今後の動向に注目です。
自己資本比率は40%もあり、生活必需品セクターとしては非常に高いです。低利益率なことも踏まえると、モンデリーズはまだ成長途中の段階にある企業といえます。
そういった意味では、ルーツが同じのクラフト・ハインツに似ていますね。多くの生活必需品セクター企業は成長が止まった企業ばかりなので、選択肢としては貴重です。
現時点情報(2017/9/15)
株価…40.68ドル
予想PER…21.73倍
配当利回り…2.14%
連続増配…3年
2013年はクラフトフーズとの分離です。業種の割には株価がブレブレです。配当利回りも2%強しかなく、高配当が多い生活必需品セクターとしては珍しいです。
業績の割にはPERは高めに出ており、そこそこの期待がされているように見えます。
モンデリーズは、特徴が尖っている企業といえます。企業のルーツをたどると老舗企業ですが、アルトリアからの分離、クラフトフーズからの分離と、企業構造が大きく変化しています。
また、元国際部門担当であるため、海外売上比率が非常に高いです。為替相場に振り回されるので、ボラティリティは高めであり、成長途中なので配当金も低めです。
そのため、生活必需品セクターの中ではかなり下に見られることが多いかわいそうな子です。配当暮らしの人にはもちろん、シーゲル派からも避けられがちです。
事業内容は非常に魅力的ですが、安定性やバリュエーションはあまり魅力的とはいえません。投資の判断は難しい企業になると思います。
とはいえ、不人気な要素も高リターンの一要因にすぎないので、安定して黒字を出している間は楽観視してもいいと思います。
また、お菓子は生活必需品すぎない消費財の典型的な部分なので、今後の成長も期待できるかと思います。