バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)分析

シーゲル二郎です。

今回は、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)を分析していきます。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏がCEOを務める投資持ち株会社です。

 

連続増配…0年

S&P格付…AA

採用インデックス
・?

 

投資家なら必ず知らなければならない企業です。ニューヨーク証券市場に上場している株式会社ですが、実態はバフェット氏が運用するETFだと考えたほうが近いです。そのため、個別株の1つとして考察されることは少ないです。

バフェット氏の投資手腕を信じるなら、マネをするのではなくバークシャーハサウェイ株を買いましょう。

バークシャーハサウェイには、クラスAの株(BRK.A)とクラスBの株(BRK.B)があります。もともとはクラスAしかありませんでした。現在(2017/9/18)のクラスAの株価は約3,000万円です。そのため、一般庶民では買うことができず、基本的に機関投資家同士の売買に使用されます。

クラスBの株価は約20,000円なので、庶民でも買うことができます。クラスBは、利益配分はクラスAの1,500分の1、議決権は10,000分の1です。クラスAより議決権が薄まっているので、株価は

B×1,500株<A×1株

にならないとバランスが取れないことになります。もしクラスBに買いが集まり、クラスAとのバランスが取れなくなった場合、A株を買ってB株を空売りすることで瞬時に修正が行われるので、上記の状態は維持され続けます。

この仕組みは、ETFと投資先のバランスが崩れたときにも同じ現象が起きます。例えば、NYダウ30種に連動するETFよりNYダウ30種をバラバラに買ったほうが安い時は、NYダウ30種がバラ買いされてETFが空売りされます。

バークシャーハサウェイは、例外を除いては配当金を全く出しておらず、リターンはすべてキャピタルゲインのみです。得た利益は、次の投資先に向けられます。自社株買いも通常は行われません。

バークシャーハサウェイの実態はバフェット氏が運用するアクティブファンドに近いです。そのため、会社の資産の多くは株式であり、現在のPBRは1.4倍くらいで推移しています。PERが1.2を切った場合、PBRが1.2倍を超えるまで自社株買いすることを公言しています。

そのため、PBRが1.2倍付近になったらお買い得ということになります。

逆に言えば、基本的にPBRは1.2倍以上です。リーマンショック前には1.8倍だったこともあります。PBRがちょうど1倍だと会社が持っている株主資本と株価が釣り合っていることになります。

普通の株であれば、成長が期待できるので1倍を超えるのがほとんどですが、ETFとして考えると、通常は1倍以外ありえません。なぜなら、ETFは運用会社に代わりに投資してもらっているだけで、信託報酬を除けばETF価格と投資先の価格は一致しなければならないからです。上記のA株とB株が釣り合わなければならないのと同じです。

バークシャーハサウェイをバフェット氏が運用するアクティブファンドと考えると、本来の価値より20%以上のプレミアム価格で販売されていることになります。もちろん売るときも20%以上プレミアム上乗せで売れますが、あまり好ましい状態ではありません。

バフェット氏も高齢なので、万が一があればPBRが1.2倍を下回る水準でしか売れない危険性もあります。

 

「バークシャーハサウェイ」という名前は、1965年に紡績業の会社の名前です。当時バフェット氏は、師匠であったグレアム氏のバリュー株投資を実践しており、資産を多く持っている企業を丸ごと買収し、業績改善をテコ入れする戦略を得意としていました。紡績業は当時の時点で斜陽産業であったので、利益が出ているうちに他の会社を買収して巨大化していきました。現在は名前だけが残っている状態です。

事業内容は、さまざまな企業を傘下に持っているので、コングロマリットといわれることが多いです。その中でも4分の1を占める保険業が中心という見方が多いです。保険業は顧客から先に掛け金を預かり、必要に応じて保険金を払うビジネスモデルなので、しばらくはキャッシュを自由に使うことができます。そのキャッシュを別会社に投資し、リターンを得るのが基本戦略です。

保険会社の筆頭では、ダイレクト自動車保険で全米2位のGEICO(ガイコ)が有名です。バフェット氏が総資産の4分の3を投資したことで知られており、教科書的には×の超集中投資です。

他にも、マクレーンという食品卸売企業が全体の4分の1を占めており、あまり話題にはなりませんが事業の核その2です。

上場企業株も保有しており、バフェット銘柄として有名です。上場企業で保有している分の割合は次の通りです。

 

会社名 構成比率
クラフト・ハインツ 17%
ウェルズ・ファーゴ 16%
アップル 12%
コカ・コーラ 11%
アメリカン・エキスプレス 8%
IBM 5%
フィリップス66 4%
その他 27%

 

上位7銘柄で7割以上を占めており、集中投資といえます。とはいえ、バークシャーハサウェイにはマクレーンやGEICOなどの非公開企業も多いので、このポートフォリオをマネしても同じリターンを得ることはできません。

バフェットがIBMを売ったとかの情報は、バークシャーハサウェイ全体では小さな話です。

 

通常通りの分析では測れませんが、売上は右肩上がりで美しいです。投資会社なので、リーマンショックでは大きくダメージを受けています。

 

営業CFマージンは15%ほどですが、企業構造が特殊過ぎて高いのか低いのかはわかりません。投資CFはそこそこあります。

 

ずっと無配なのでDPSはありません。バフェット氏は課税される配当金を嫌っています。とはいえ、今後は支払われるような予兆もあります。現時点では、インカムゲインは全くなしのキャピタルゲインのみを狙う株です。

 

自己資本比率は約45%です。レバレッジは2倍強で推移しています。傘下の企業は事業が安定しているものが多いので、レバレッジをかけて積極的なリターンを狙っています。ボラティリティが低い株×レバレッジの仕組みはバフェットロボと呼ばれたりします。

 

現時点情報(2017/9/18)

株価…179.89ドル
予想PER…21.54倍
配当利回り…0%
連続増配…0年

無配当なので配当利回りはゼロです。このブログで初めて紹介する無配当株です。チャートにS&P500も一緒に乗せておきましたが、継続してアウトパフォームしています。配当金が考慮されていませんが、配当金込みでもバークシャーハサウェイが勝っています。

 

あまりに特殊過ぎてまともに分析することは不可能です。基本的にウォーレンバフェット氏や、№2のマンガー氏の投資手腕を信じるor信じないしかないと思います。また、2人とも高齢なので、万が一の時には暴落するリスクもあります。

シーゲル二郎は理解できないものには投資しないし、経営者の良し悪しで左右される企業は嫌なので、バークシャーハサウェイに投資する気はありません。バフェット氏のマネをしてる投資家は非公開企業の利益を得ることができないので、素直にBRK.Bを買ったほうがいいですよ。

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