ポートフォリオ考察 | つみたて次郎の投資日記 https://siegeljiro.com シーゲル流×積立NISA×iDECO Sun, 10 May 2020 22:23:46 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.0.9 134557597 VYM+VYMIという全世界高配当株ポートフォリオを考えてみる https://siegeljiro.com/vvymvymi https://siegeljiro.com/vvymvymi#comments Tue, 09 Oct 2018 21:01:58 +0000 http://siegeljiro.com/?p=8566 つみたて次郎です。

今回は高配当株ETFを用いたポートフォリオについて考察していきたいと思います。

 

バンガード・米国高配当株式(VYM)
バンガード・米国外高配当株式(VYMI)

 

VYMは米国の高配当株・VYMIは米国外の高配当株をカバーするETFなので、この2つを組み合わせると国際分散された高配当株全域に投資することが可能です。

ちなみにVYMIは国内の証券口座から買付できないため、その点はご了承ください。

上記ETFは高配当にフォーカスしていますが、配当利回りに関係なく幅広く市場をカバーしているETFを挙げると次の2つがあります。

 

バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)
バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)

 

VTIが米国株全域・VEUが米国外株全域をカバーしています。

 

現在、全世界株式に占める米国株の比率は約58%です。(2018/8/31時点)

分かりやすく計算するために、米国株と米国外株に50%ずつ投資し、国際分散ポートフォリオを構築すると仮定して、各種データを比較してみたいと思います。

つまり下記のポートフォリオ2種類を用いた比較が、本記事のメインテーマになります。

 

①VTIとVEUを50%ずつ(通常の国際分散)
②VYMとVYMIを50%ずつ(高配当な国際分散)

 

各種指標について

それぞれの指標を単純平均した数値は次の通りです。(銘柄数は合計)

項目※ VTI+VEU VYM+VYMI
信託報酬 0.075% 0.20%
銘柄数 6,368 1,328
PER 17.3倍 14.3倍
PBR 2.3倍 2.0倍
売買回転率 3.5% 8.5%
配当利回り 2.3% 3.3%

※配当利回りは2018年10月2日現在。その他は8月31日現在。

信託報酬と銘柄数に大きな違いがありますが、それを除けばVYM+VYMIがやや割安な程度で大きな違いはありません。

バンガードの高配当ETFは他社と比べると配当利回りが低めになっており、差は1%しかありません。インカム収入を得たい人には物足りないポートフォリオかもしれません。

 

セクター比率について(2018/8/31現在)

セクター VTI+VEU VYM+VYMI
金融 19.13% 25.72%
情報技術 17.04% 6.85%
一般消費財 11.74% 6.55%
資本財 11.22% 9.56%
ヘルスケア 11.04% 10.21%
生活必需品 8.12% 11.66%
エネルギー 6.43% 10.93%
素材 5.63% 5.20%
コミュニケーション 3.41% 6.41%
不動産 3.38% 1.05%
公共事業 2.89% 6.11%

 

金融セクターと情報技術セクターに大きな違いがあります。

金融多め情報技術少なめというのは、VYMとVYMIの両方に共通している傾向です。

また、一般消費財はやや少なめ・生活必需品はやや多めになっています。

 

 

最も幅広い高配当ポートフォリオ

高配当なETFは多数存在しますが、その多くはセクター比率が極端に偏っていることが多いです。

その中でVYM及びVYMIは、比較的銘柄数も多くセクター比率も市場平均に近いです。

そしてその2つで構成されるVYM+VYMIポートフォリオは、純粋な高配当戦略を行うのに最も適しているのではないかと思います。

一種の思考停止ポートフォリオですが、配当利回りとリターンが比例するという現象が今後も継続するのであれば、高い確率で市場平均をアウトパフォームできるはずです。

任意に選んだ高配当株で構成されるポートフォリオや、地域やセクターが偏ったポートフォリオの場合、例え高配当株の優位性があったとしてもリターンの低い部分ばかりを保有してしまうリスクがあります。

国際分散やセクターといった影響を最小限に抑え、真の意味で高配当戦略を実行するためのポートフォリオといえます。

 

つみたて次郎の理想にほぼ一致する

つみたて次郎は現時点では、米国株インデックスファンドに集中投資中です。

しかし本当は、各指標でスクリーニングを施したスマートベータ系ETFに投資したいと思っています。

現時点では投資額などの制約から、つみたてNISAやiDeCoで投資信託を買付するのがメインになっています。

課税制度や資金的な面を考慮しなければ、VYM+VYMIというのはつみたて次郎の理想とするポートフォリオといっても過言ではありません。

つみたて次郎は地域集中(米国や新興国)やセクター(生活必需品やヘルスケア)といった戦略はあまり信用していない部分があります。

その一方、バリューや高配当といった割安株投資については、今後も高い確率でアノマリーが継続するのではないかと考えています。

したがってVYM+VYMIというのは「高配当」という1点のみで考えられたポートフォリオである以上、長期的に見て素晴らしいリターンになるのではないかと思っています。

高配当以外では「バリュー」のみに特化したポートフォリオも考えられますが、米国外バリュー株を広くカバーするETFが現状確認できないため、そもそも妄想自体が不可能となっています。(米国バリュー株ETFとしてはVTVSPYVが有力)

とはいっても、VYMI自体が現時点では国内の証券会社から投資不可能であるため、VYM+VYMI自体がごく普通の個人投資家にとっては無縁の存在になっています。(´・ω・`)

海外証券口座を開けば投資可能なようですが、そこまで労力をかけるに見合うだけの資金はまだありません(泣)

国内証券でのVYMI取扱はまだまだ先のこととなりそうですが、首を長くして待ちたいと思います。

参考記事…【読者参加型】VYMIとVIGIの新規取り扱いをリクエストしてみよう

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VYM+VYMI次郎

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つみたて次郎式「世界4分割投資法②」 https://siegeljiro.com/tsumitatejiroshiki-4bunkatsu-2 https://siegeljiro.com/tsumitatejiroshiki-4bunkatsu-2#comments Thu, 25 Jan 2018 21:01:21 +0000 http://siegeljiro.com/?p=5888 つみたて次郎です。

昨日の記事の続きですので、見ていない方は先にご覧ください。

つみたて次郎式「世界4分割投資法①

グローバルマクロ戦略の考えを取り入れたポートフォリオを紹介しましたが、本来の投資法とは異なっていますのでご注意ください。

昨日紹介したポートフォリオは、各地域別のETFを均等ウェイトで保有するという内容でした。

本来であれば、割安な地域を先回りしていくのが定石ですが、その判断はなかなか難しいうえに、偏ったポートフォリオはリスクを高めるため、あらかじめ比率を決めておくのは平凡な投資家にとって有効な方法です。

リバランスを通じて、相対的に割安だと思われる地域に資金が投入されていきます。

全体における信託報酬は、0.095%となっています。

しかし、上記のポートフォリオでは、主要先進国の一角であるカナダが一切含まれていません。また、バンガードの商品の中でVPLとVGKは、相対的に信託報酬が割高な商品なので、少しもったいないです。

正式名称は、VPLが「バンガード・FTSE・パシフィック」、VGKが「バンガード・FTSE・ヨーロッパ(VGK)」となっており、それぞれアジア太平洋先進国株、ヨーロッパ株に投資するパッシブ運用型ETFとなっています。

信託報酬はどちらも0.10%と十分低いですが、さらに工夫することが可能です。

バンガードからは、米国を除く先進国株にまとめて投資できる「バンガード・FTSE・先進国市場(除く米国)ETF」という商品があり、ティッカーはVEA、信託報酬は0.07%と激安です。

内容は、ヨーロッパ株が約53%、アジア太平洋先進国株株が約38%となっており、残りはほぼカナダです(2017年11月30日現在)

信託報酬がこちらのほうが安いうえにカナダが含まれるため、VEAを用いることで、より良い内容に仕上げることができます。

具体的には、次のようにポートフォリオを組むと理想的です。

割合は大きく変わりましたが、各地域ごとのウェイトはちょうど4分の1ずつになっています。

VGK(ヨーロッパ株)の全部とVPL(アジア太平洋株)の一部をVEA(米国外先進国株)にすることで、信託報酬を節約することができます。

基本形の時は0.095%でしたが、改良版だと0.0833%まで引き下げることができました。

相違点は、カナダが4%ほど混ざる点です。アメリカは21%とし、北米地域で合計25%になるようにしました。

上記の通り組むと、北米・ヨーロッパ・アジア太平洋・新興国がちょうど均等のバランスになります。

弱点としては、VEA(米国外先進国株)の内訳は日々変わっているので、定期的に割合を見直さなければならないという点ですね。

上記比率は、2017年11月30日時点での4分割を目指した割合になっていますので、(まったく推奨はしませんが)もし実践するような人がいるのであればご注意ください。

後は細かい点ですが、今後新興国が先進国に昇格した際に、調整がしやすいというメリットもあります。

ポートフォリオの中身うんぬんよりも、「VGKとVPLよりもVEA優先だよ!」という点が今回の趣旨ですかね(笑)

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楽天VEA次郎

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つみたて次郎式「世界4分割投資法①」 https://siegeljiro.com/tsumitatejiroshiki-4bunkatsu https://siegeljiro.com/tsumitatejiroshiki-4bunkatsu#respond Wed, 24 Jan 2018 21:01:30 +0000 http://siegeljiro.com/?p=5871 つみたて次郎です。

最近、グローバルマクロ戦略というものに興味を持っています。

各国の経済や金利などに合わせ、グローバルな視点からポートフォリオを組んでいく戦略のことです(多分)

つみたて次郎も知識として勉強中ですが、現在だと、相対的に割安な新興国株をオーバーウェイト、割高な米国株をアンダーウェイトが基本になります。

※米国一国集中をやめるわけではありません。

以前紹介したボビー・オロゴン氏の投資法も、グローバルマクロ戦略に分類されるようです。

参考記事「ボビー・オロゴン氏に学ぶ世界4分割投資法

今回の内容を読む前に、先に読んでおくことを推奨します。

さて、ボビー・オロゴン氏は、世界を4つの地域(日本・米国・欧州・新興国)に分け、これから資金が向かいそうな地域に先回りして集中投資しているようです。

アベノミクスでは、日本株のウェイトを増やし、大儲けしています。

しかし、大多数の平凡な投資家の場合、経済動向を読んで集中投資というのは非常に危険なので、ある程度の分散を保ちつつ、割安な地域を増やすというのが現実的です。

投資クラスタでも、新興国株や、その中でも特に割安なロシア株をオーバーウェイトしている人が結構います。

そこで、つみたて次郎がグローバルマクロ的なポートフォリオを組んでみました。

次の4つのETFを組み合わせて作成しています。

ETF名 信託報酬 投資範囲
バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI) 0.04% アメリカ株
バンガード・FTSE・パシフィック(VPL) 0.10% アジア太平洋先進国株
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ(VWO) 0.10% 新興国株式
バンガード・FTSE・ヨーロッパ(VGK) 0.14% ヨーロッパ先進国株式

 

お馴染みバンガードの、超低コストETFたちです。これを組み合わせてみます。

4つを全て均等にしてみました。内容の是非はともかく、見た目は非常にスッキリしています。

なんちゃってグローバルマクロですので、真面目に検討はしないでください(笑)

ポートフォリオ全体に対する信託報酬は、0.095%となっています。

一般的な国際分散に対し、アメリカがアンダーウェイト、他3つはオーバーウェイトになっており、現在だとちょうどいい感じになっています。

それぞれ経済圏が別々であり、流通している通貨もバラバラです。

経済圏の違い+為替変動により、それぞれ違った動きをすることが期待できるので、リバランスにより相対的に割安な地域に資金が多く投入されます。

同じ程度のリターンが期待できる株式クラスのみで構成された等金額ポートフォリオであり、リバランスボーナスによるリターン向上が見込める内容となっています。

また、ドル、ユーロ、円、その他通貨にまんべんなく投資できているので、特定通貨の崩壊時でも安心?です。  

新興国株が多いため下落リスクは高めですが、経済圏や通貨が分散されているので、未曽有の危機に対する耐性がありそうです。

通常の国際分散だと、特にアメリカやドルに対するポジションが大きいので、その点が気になる人であれば悪くないバランスかもしれません。

つみたて次郎がもし宝くじに高額当選したら、割と本気でこんな感じのポートフォリオを組みます(笑)

真の意味でリスク分散を重視したポートフォリオといえますね。

ただ、上記だと主要国の中でキャナダ(カナダ)が含まれないことや、VGKVPLの信託報酬がやや割高な点を踏まえると、さらに工夫できるポイントがあります。

長くなりましたので、続きは明日にしたいとおもいます。

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つみたて次郎式4分割投資法

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ボビー・オロゴン氏に学ぶ「世界4分割投資法」 https://siegeljiro.com/4bunkatsutoushi https://siegeljiro.com/4bunkatsutoushi#respond Thu, 16 Nov 2017 09:01:16 +0000 http://siegeljiro.com/?p=4489 シーゲル二郎です。

おもしろ外国芸能人として圧倒的人気を誇るボビー・オロゴン氏ですが、投資家としても一流であることはあまり知られていません。

ボビー・オロゴンの父はナイジェリアの貿易商で、小さいころから商売のイロハについて学んでいたようです。そんなボビー・オロゴン氏が投資で才能を発揮するのも当然かもしれません。

アベノミクス相場では大きな利益を上げたようで、「牛5,000頭分」くらいの額を稼ぎ、豪邸を立てたことも一時期話題になりました。

そんなボビー・オロゴン氏が投資について語る記事があったので、紹介したいと思います。

外部リンク…芸能界最強の投資家ボビー・オロゴンが伝授!「世界4分割投資法」

誰にでもわかる言葉で、「投資とは一体何か?」という本質を知ることができる優良記事です。

ボビー・オロゴン氏の投資法は「世界4分割投資法」といって、世界を4つのエリアに分け、次のどの部分に資金が流れていくかを予想し、先回りして投資しています。

出典「PRESIDENT Online

アメリカ・ヨーロッパ・新興国・日本という形で世界の4分割して、資金がまだ向かっていない割安な地域に集中的に投資をしているようです。

このマーケットの歪みをうまくとらえ、先回りして投資することで、大きな利益を獲得しています。

記事でも先回りという単語が使われていますが、「他の人が注目していない資産に投資をしておく」という意味で、非常にわかりやすい表現だと思いました。

また、特に印象に残っていた部分があったので引用します。ボビー・オロゴン氏のコメントです。

「ボクは投資っていうのは収入が少ないときには少ないなりに、多くなったら多いなりにやるものだと思ってる。そうやって常に自分のお金を相場に置いておくことで、経済のことを本気で勉強するし、知識や経験も増えていく。大きな資金ができてからいきなり投資をスタートすると、失敗したときのダメージも大きくなるでしょ!?」
引用「PRESIDENT Online

日本人の多くは、投資資金がないことを理由に投資していない人が多くいます。そんな人たちに聞かせてやりたいセリフですね。

シーゲル二郎も投資額が少ないからこそ、勉強しながら投資することができています。投資額が多かったら、勉強しながらなんて悠長なことはできませんからね。

もっとも、経済のことを本気で勉強するのは、市場を出し抜きたいアクティブ投資家だけで十分ですけどね。

大半を占める平凡な人間は、投資や経済の勉強を頑張っても、リターンに直結するようなセンスを身に着けることはほぼ不可能です。

シーゲル二郎含め多くの平凡な投資家は、自分の相場観とかを頼りにすることなく、インデックス投資を徹底するべきだと思っています。

ボビー・オロゴン氏は、アベノミクス相場に合わせて日本への投資比率を高めていたようですが、このようなアクティブな投資法は、よほど自信がない限りやるべきではないです。

市場に合わせて右往左往することなく、決められたポートフォリオを淡々と維持していたほうが、大多数を占める才能ナシの投資家にとっては良い結果になると思います。

ただ、アクティブ投資家だろうとインデックス投資家だろうと、資金が向かっていない割安な資産に投資するという部分は同じです。

インデックス投資家であっても、リバランスを通じて割安な資産を買うことになるし、ドルコスト平均法を行うことで割安なタイミングで買うことにつながります。

アクティブ投資家であってもインデックス投資家であっても、市場のノイズやブームに騙されず、我が道を進んでいくべきですね。

外部リンク…芸能界最強の投資家ボビー・オロゴンが伝授!「世界4分割投資法」

投資についての本質を知ることができる良記事です。初心者から上級者まで多くの人に役立つと思うので、ぜひご覧ください。

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実は日本語うまい説

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【閲覧注意】全世界株+米国株はアリなのか?【VT+VTI】 https://siegeljiro.com/beikokuzensekai https://siegeljiro.com/beikokuzensekai#comments Fri, 05 Jan 2018 21:01:31 +0000 http://siegeljiro.com/?p=5667 つみたて次郎です。

今回の内容は結構な人を敵に回すような内容なので、もし不愉快に思う方がいたらコメントください。

近年、株式市場の好調を背景に、投資に興味を持つ人が増えてきました。

こういう私も、リーマンショック後から投資を始めた幸運(不運?)な投資家であり、お陰様で好調に資産は増えています(ゴミみたいな金額だけどね)

そこで最近よく見かけのが、「米国株と全世界株どちらがいいんだろう?」という疑問です。

つみたて次郎が住んでいる米国株村では、当然ながら米国株一国集中派が多数派になっています。

その一方、たまにお邪魔しているインデックス投資村では、全世界に分散した国際分散投資が多数派です。

どちらもその根拠は十分あり、迷ってしまうのも無理はありません。

参考記事「米国分散投資 vs 世界分散投資

様々な意見が出るのは良いのですが、この状況から、次のように考える人がたくさんいるように感じます。

 

「米国集中と国際分散、どっちがいいから分からないから両方とも投資しよう。」

 

これは一見無難な選択に思えますが、大事なことを見落としています。

それは、全世界のうち半分は米国だということです。

浮動株調整後時価総額基準では、全世界のうち約58%が米国となっています。

浮動株を考えなければ約44%ほどです。ちなみにGDPで考えると約24%です。

したがって一般的な全世界株式インデックス商品の場合、経済規模に対して米国株にオーバーウェイトしているといえる状況になります。

具体的には、「バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)」、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」、「EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド」などが該当します。

これらは、現在の株式市場を踏まえれば既に米国株重視の金融商品です。

特に全世界株に投資できる楽天VTは、米国株全体に投資できる楽天VTIとよく比較されており、両方とも投資している人も多いです。

例えば、楽天VTと楽天VTIどっちがいいか分からないから、半分ずつ保有することにしましょう。

そうすると、次のようなポートフォリオになります。

このように、全体の8割近くを米国が占めることになります。

このポートフォリオは、「米国を超重視した国際分散」であり、かなり歪な比率です。

むしろ国際分散を徹底するのであれば、むしろ全世界株式に米国以外を足すべきであり、全世界株式と米国株式を組み合わせる場合は明確な意図が必要でしょう。

例えば、「米国株を中心とするが、リスクリターンを改善するために一部米国外の株を組み合わせる」等が考えられますが、これは米国人投資家の考えるような内容で、日本人投資家では少し違和感があります。

もちろん米国株にオーバーウェイトした国際分散投資という選択自体を批判するわけではありませんが、みんなここまで考えた上で全世界株式+米国株式という選択を取っているのでしょうか?

全世界株+米国株という分散は一見無難に見えても、その実態は中途半端な国際分散投資という結果になるだけです。

米国経済の成長に賭けるか、世界経済の成長に賭けるかという選択にしっかり腹をくくる必要があるのではないでしょうか?

米国一国集中投資は、決して多数派であってはならないです。つみたて次郎も最近、職場の人や友人から投資について聞かれますが、基本的に楽天VTのみを勧めています。

米株村の住民が特殊なだけで、わざわざ米国株が割高だといわれている今のタイミングで米国株の比率を高めるのは、国際分散投資のセオリーに反しています。

全世界株と米国株の2択で迷うような状況であれば、そもそも全世界株式インデックスのみで十分であり、楽天VTIのような米国株オンリーの商品に手を出すべきではないと思います。

国際分散投資を決めた時点で、十分すぎる米国に対するリスクを背負っています。

あなたのポートフォリオは意図しないうちに米国株まみれになっていませんか?

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米国株次郎

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本業と投資先のジレンマ https://siegeljiro.com/hongyou-toushisaki https://siegeljiro.com/hongyou-toushisaki#respond Sun, 10 Sep 2017 14:00:29 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2308 シーゲル二郎です。

世界一の投資家、バフェット氏の名言に、「理解できない企業には投資をしない」という格言がありますが、これは、自分がよく知っている企業に投資をしなさいという格言です。基本的は、コカ・コーラ(KO)など、誰もが知っている企業という意味ですが、バフェット氏はメディア業界に詳しいので、新聞社のワシントンポストに投資していたこともあります。

みんなが理解できないような難しい企業でも、積極的に投資をしていいこともあります。それは、自分が仕事や趣味で詳しく知っている業界ならです。例えば、医療関係者なら、今後成長するヘルスケア企業を予測することもできるし、多くの投資家より業界事情に詳しいはずです。アパレル勤務なら、トレンドに敏感なので、先読みして投資できるかもしれません。

あくまでみんなが理解できる必要はなく、自分だけが詳しい業界こそ、お宝銘柄が眠っているかもしれません。

しかし、この考えで集中投資をするのは、少しだけ危険です。なぜなら、自分と同じ立場に投資することは、余計なリスクを背負うことになりかねないからです。例えば、自分が勤めている企業の株、すなわち自社株を保有することは一般的ですが、リスク分散上よくありません。

なぜなら、企業が倒産した場合、株が紙屑になるというリスクと、職がなくなり収入が0になるリスク両方を抱えることになるからです。粉飾決済で問題になった米国のエンロン事件では、従業員の持っていた自社株が無価値になったうえに失業という踏んだり蹴ったりでした。

ここまで極端ではなくても、会社の業績悪化と給料が下がるのはだいたい同じタイミングですから、この場合は株安&減給のダブルでダメージを受けます。逆の場合は株高&増給でウハウハですがね。

ようするに、自社株を持つのはハイリスクハイリターンということです。自社株を持つくらいなら、ライバル社の株を持ったほうがリスク分散としては合理的です。自社の給料が下がるのとライバル社の株価が上がるのは同じタイミングになり、打ち消しあうことができます。

ただし、業界全体が沈むときはどうしようもありません。石油産業に務めている人が、いくら業界に詳しくて関連株をあさっていても、原油安ではみんな下落するので意味がありません。自分の知識を生かそうと石油株に投資したら、どんなに銘柄選定が素晴らしくても原油安で株安&減給のダメージを食らうことになります。

ただ、これは自分の収入源と投資先が同じ場合の時のリスクなので、趣味の知識を生かす分には関係ないし、モチベーションを上げるためにもいいと思います。

労働所得と金融所得が同じリスクを背負わないように気を付けましょう。

参考記事「シーゲル二郎が日本株に投資をしない理由
参考記事「シーゲル二郎が金融セクターに投資をしたくない理由

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https://siegeljiro.com/hongyou-toushisaki/feed 0 2308
為替ヘッジは必要ない! https://siegeljiro.com/kawasehezzi-hituyounai https://siegeljiro.com/kawasehezzi-hituyounai#respond Sun, 10 Sep 2017 07:00:44 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1162 シーゲル二郎です。

金融商品には、為替ヘッジなしと、為替ヘッジありを選択できる商品が多くあります。シーゲル二郎は全て為替ヘッジなしにしています。

そもそも為替ヘッジありとは、日本円以外の商品を買うときに、為替リスクをなくすことができる仕組みです。例えば、通常であれば米国株を買うときにはドルに対する為替リスクを負うので、円高ドル安が進むと、損失が出てしまいます。

そのため、この為替リスクをなくすために、あらかじめ円とドルの交換を約束してしまうのが、為替ヘッジありの仕組みです。例えば、1ドル=110円の時に投資をした場合、売るときも1ドル=110円で売るという約束を結んでしまえば、円高ドル安が進んだとしても、損することはありません。逆に言えば、円安ドル高が進んでも、利益を上げることはできません。

しかし、為替ヘッジは、長期投資においては必要ありません。なぜなら、長期投資では、為替相場の変動は、無視できるからです。

シーゲル二郎は、米国株の投資信託を保有をしているので、円高ドル安になると、為替差損を食らうことになります。しかし、円高ドル安になっている時は、日本よりも米国のインフレ率が高くなっている場合が多いです。また、米国の輸出企業にとっては追い風になるので、株価上昇に有利に働きます。つまり、為替差損と株価上昇が打ち消しあうことになります。長期投資では、この働きにより、為替の変動は無視できるというといわれています。

逆に、為替ヘッジありにしてしまうと、日本が高いインフレ率になったときに対応できません。1ドル110円の約束をしていた時に、1ドル=1,000円になったら大損することになります。円安ドル高で米国企業が苦しんでいるときは、株価下落のダメージをもろに食らうことになります。

そのため、株式のインフレに強い特性を弱めるし、円安ドル高にも弱くなります。

また、為替ヘッジありは、円と外国通貨の交換を約束する取引をするので、ヘッジなしに比べコストがかかります。長期投資では、わずかなコストがリターンを押し下げます。

為替ヘッジありの商品は、コストをかけているのに、何のヘッジにもならずむしろリスクを高めるポンコツ商品なのでした。

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日本国債不要論を発表する! https://siegeljiro.com/nihonkokusaifuyouron https://siegeljiro.com/nihonkokusaifuyouron#respond Sat, 23 Sep 2017 09:00:04 +0000 http://siegeljiro.com/?p=839 シーゲル二郎です。

これまでの説明で現金と純金のメリットデメリットについて説明しました。今回は、いったいなんでしょうか。

参考文献「株式投資の未来」

今回は、下から3番目と4番目の長期国債、短期国債を見てください。

このデータはアメリカなので、米国債のことを指しています。長期国債は償還期限まで10年以上あるもの、短期国債は1年未満のものです。ようするに、アメリカ政府へお金を貸した借用書です。そのため、基本的には定期的に利息がもらえ、償還期限まで待てば元本保証の安全な商品です。(アメリカ政府が約束を守れば)

そして両方とも、株式ほどではありませんが、購買力を増やすことに成功しています。また、変動もなだらかです。

一般的に国債などの債券は、インフレに弱いとされていますが、インフレに負けずしっかり購買力を増やし続けることができています。なぜなら、現金などのタンス預金と違い、インフレに合わせた利息が付くからです。

例えば、インフレ率が年10%なら、毎年物価が10%ずつ上がってしまうので、お金を貸す人は、10%よりも高い利息をもらえなければ損してしまいます。そのため、年11%の利息をもらう約束でお金を貸せば、インフレが起きても儲けを得ることができます。

国債も、その時代に合わせた利息をもらうことができるので、インフレに負ける可能性は低いです。ちなみに日本国債10年償還の年利は現在0.014%でした。これは、日本のインフレ率が非常に低いため、年利回りも低くなっています。もちろん需要や国の政策により前後しますが、長期的にはインフレ率を若干上回ったので、購買力を増やし続けることができたことに変わりはありません。(米国債の場合は)

ただしこれは、アメリカ政府が、借りたお金をしっかり返し続けたからできたことです。もし政府がお金を用意できず約束を守れなかった場合、お金を返してもらえないことになるので大損です。(デフォルト状態)

また、戦後の日本やドイツなどは、デフォルトはしませんでしたが、激しい物価上昇を招き、ハイパーインフレが起きました。そのため、償還されたころには価値のない紙屑になっていました。最近だと、ジンバブエがハイパーインフレを起こしましたね。

ジンバブエでは100円で売っていたものが次の日200円なんてことも日常茶飯事でしたから、そのような状況では、国債の利息が何%だなんて役に立ちません。

日本国債は、ほとんどが円建ての借金なので、日本銀行が諭吉を刷ってしまえば借金を返すこと自体はすぐできます。しかし、それをすると、市場に円が多く流通してしまい、インフレを起こしてしまう可能性が高いです。そのため、デフォルトリスクは低いですが、インフレリスクは避けられません。

もちろん、米国のように、緩やかなインフレがずっと続くのであれば、国債は価格変動も少なくインフレにも勝てる優良な資産だといえます。(デフレが続くならなお有利)しかし、本当の緊急時に役に立たないという大きなデメリットがあります。

そのため、国債も、購買力を維持するという意味では、あまり信用できません。タンス預金よりはマシといった程度です。国債もタンス預金も、背負っているリスクはインフレリスクであり、大きな差はありません。また、社債の場合は、さらに会社の倒産リスクを背負うことになります。

ポートフォリオを組む際に、株式と債券を組み合わせることがよく推奨されます。株式と債券は逆相関になることが多く、組み合わせることによってリスクを減らすことができるといわれています。

しかし最近では同じ方向に進むことも多く、リスク分散になっているかは微妙です。しかし、絶対に株式と相関しない資産をシーゲル二郎は知っています。

それは、現金です。ここにきて今更ですが、諭吉がいつのまにか英世になっていることはありませんから、タンス預金や預金は、絶対に株式と同じ方向に動きません。そのため、シーゲル二郎は、ポートフォリオは株式と現金を組み合わせて考えるべきだと考えています。

また、心理的な面でも、債券の代わりに現金にすることは有効です。なぜなら現金で持っている部分は、投資している金額に思えないからです。投資金額が大きくなればなるほど、マイナスが出たときの不安が大きくなります。しかし、現金で持っている部分は、(数字の上では)絶対にマイナスになりませんから、心の支えになると思います。

日本ではただでさえ投資家が冷ややかな目で見られますから、そこそこの額を投資していると(正しい長期投資だとしても)あまりいい目では見られません。(シーゲル二郎も体験済)

はたから見れば投資と貯金であったとしても、自分の心の中では一つのポートフォリオにしてしまえばいいんです。

これらの考えのもと、長期投資に日本国債は不要だと考えます。

 

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株式必要論を発表する! https://siegeljiro.com/kabushiki-hituyouron https://siegeljiro.com/kabushiki-hituyouron#comments Sat, 26 Aug 2017 10:38:05 +0000 http://siegeljiro.com/?p=850 シーゲル二郎です。

これまでの記事で、現金、純金、国債の不要論を出してきました。今回が最終回です。

株式必要論です。

グラフでは、ダントツで右肩上がりになっているのが株式です。株式は、長期間にわたって購買力を増やし続けることができました。1800年から現在に渡り、ジグザグになりながら確実に成長してきました。ちなみに1800年というと、伊能忠敬が蝦夷地の測量をした年だそうです。

参考文献「株式投資の未来」

ここ200年で、様々な出来事があったにもかかわらず、なぜこのようなリターンを生み出せたのでしょうか。

まず、株式とは何でしょうか。値段が上下するギャンブル用のアイテムではありません。株式とは株式会社が発行していますが、株式を保有するということは、会社のオーナーになるということです。

例えば、トヨタ自動車であれば、現在約30億株の株式を発行しています。そして、1株当たりの株価は約6,000円です。6,000円を出してトヨタ自動車の株を1つ買うと、会社の30憶分の1オーナーになったと同じことです。つまり、トヨタ自動車の経営権や利益の30億分の1は自分のものになるということです。

これは例えではなく、本当の意味でのオーナーです。トヨタ自動車の株をすべて買い占めれば、トヨタ自動車のすべて(経営権や資産)を手に入れることができます。トヨタのエンブレムを自分が考えたマークに変えてももかまいません。

株式を買うということは、会社を買うことに等しいです。(世界一の投資家バフェット氏の言葉ですが。)そのため、株式は債券や現金と決定的に違い、実物資産の所有権を得ることができます。

会社が持っている土地や備品、人材や技術は、株式を持つことで間接的に自分のものになります。これらのものは、インフレとともに価値が上がり続けるものですから、株式はインフレに負けない性質があります。

また、世の中が便利になったのも、大抵は会社に人が集まって研究されたものです。そしてその利益は、すべて株主のものになります。会社が一番利益を生む組織なのですから、オーナーである株主が利益を上げ続けるのも当然なことです。

また、株式は当然、企業の赤字や倒産になったときの責任も取ることになるので、短期的には現金や債券よりも下落することも多いです。そのため、リスクが高く、その分投資家は高いリターンを求め続けました。

 

実は上記のグラフはインチキがあり、メモリが均等ではありません。こちらだと、多少はまともになります。上記のものはS&P500、こちらはNYダウですが言いたいことは伝わるので許してください。

出典「futuresbuzz.com

 

1929年の世界恐慌の際には、株価は10分の1になりました。このようなリスクを許容できなければ、高いリターンを得ることはできませんでした。現在では、10分の1になることは考えにくいですが、3分の1になるぐらいまでは覚悟しておいたほうがいいです。

株式は価格変動のリスクと引き換えに、天文学的な購買力の増大を達成することができました。今後も、株式会社が利益を上げ続ける限り、株主は利益を享受することができるはずです。

上記のデータは、アメリカのデータのみです。しかし、日本を含むほぼすべての国で株式は国債よりも圧倒的なリターンを生み出してきました。株式は、紙切れではなく会社の所有権であり、ジグザグながらも長期では成長する頼もしい資産です。

長期投資では、株式投資をメインとしてポートフォリオを組むべきです。

 

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外国債券不要論を発表する! https://siegeljiro.com/gaikokusaiken-fuyouron https://siegeljiro.com/gaikokusaiken-fuyouron#comments Sat, 26 Aug 2017 08:53:37 +0000 http://siegeljiro.com/?p=848 シーゲル二郎です。

今回はいつものチャートはお休みです。テーマは、外国債券です。

外国債券とは、米国債や米国社債など、日本以外の国の国債や社債のことです。そしてこれらは、多くの場合円ではなくドルやユーロなどといった外貨建てで保有することが多いです。

外貨建てで保有するということは、為替リスクを背負うということです。小難しいニュース番組で、1ドルいくらとか、1ユーロいくらとか言ってますが、その変動で価値が変わるということです。そのため、日本国債などに比べて価格変動のリスクは非常に大きいです。

リスクが大きいからリターンが大きいのでは、と思われますが、実はリターンも大したことはありません。

ここでわかりやすく、日本国債とブラジル国債で比較します。ブラジルの通貨はレアルなので、ブラジル国債はレアル建てとします。日本国債10年償還モノの年利回りは、現0.014%です(笑)ブラジル国債10年償還モノの年利回りは、10.15%でした。差し引き10%くらいの差があります。

そしてその10%の差は、日本とブラジルのインフレ率予想の差でもあります。日本は現在、化石のような物価変動のため、インフレがほとんどありません。対してブラジルは、経済成長が著しく、慢性的なインフレになっています。そして、そのインフレ率はだいたい10%くらいだと見込まれています。つまり、ブラジル国債を保有したとしても、10%のリターンのほとんどはインフレで消えてしまうということです。

もちろん、あくまで長期間の平均であるため、短期間で見れば損得両方ともあり得ますが、時間がたつにつれ日本国債とブラジル国債のリターンは同じぐらいになっていきます。ブラジルは新興国であり、レアルの価格も激しく上下します。

まとめると、外国債券は、リターンは日本国債と同じなのに、リスクはレアル円の為替リスクをモロに背負うことになるポンコツ商品だということです。ブラジル人にとっては、日本国債が逆にポンコツになります。

日本国債ですら不要と思うシーゲル二郎ですから、外国債券も当然不要です。

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