バンガード・米国高配当株式(VYM)分析

つみたて次郎です。

今回は、バンガード・米国高配当株式(VYM)を分析していきます。

高配当ETFとして非常に人気が高いスマートベータETFで、配当利回りは3%前後あります。

 

バンガード・米国高配当株式ETF(2018/6/30現在)

項目 データ
信託報酬  0.06%※
銘柄数 408
PER 16.4倍
PBR  2.5倍
ROE  15.9%
利益成長率  3.3%
売買回転率  9.1%

※信託報酬は2019年2月に0.08%→0.06%に引き下げられました。

バンガード社が販売する優良ETFで、米国で高配当な企業を時価総額基準で保有するETFです。特徴としては、高成長な無配当企業が含まれなくなるので、利益成長率は低めになっています。

キャピタルゲインよりもインカムゲインを狙いに行くETFです。

高配当ETFなので、大きく減配や無配当になった企業は外れていくので、多少入れ替えが発生します。ですが、売買回転率は9.1%と低めになっています。

入れ替えに伴うロスが少なく、スマートベータの弱点を大きくカバーしています。

 

高配当ETFは一般的に下落相場に強いといわれていますが、S&P500とあまり変わりません。配当金が下落相場のプロテクターになるのは、高配当ではなく配当を維持できる企業です。

業績悪化で株価が下落したことで高配当になった企業も多く含まれているので、不況では減配することもよくあります。

同じバンガード社のバンガード・米国連続増配(VIG)とよく比較されます。こちらは高配当ではなく連続増配に注目しているので、配当金はあまり高くありません。

高配当ETFという土俵では、iシェアーズ・コア米国高配当株(HDV)と比較されやすいです。VYMが比較的インデックス投資に近いのに対し、HDVは銘柄数が少なくセクター比率も独特で、アクティブ投資に近いスタイルです。

 

セクター別比率をS&P500指数と比較してみます。

S&P500 と VYM (2018/6/30現在)

セクター S&P500 VYM
情報技術 22.89% 11.48%
金融 16.21% 16.31%
ヘルスケア 14.00% 13.38%
一般消費財 12.06% 6.47%
資本財 10.19% 11.51%
生活必需品 7.30% 13.53%
エネルギー 6.34% 10.14%
公益事業 2.95% 7.48%
電気通信 3.28% 6.24%

 

S&P500と比較すると、情報技術が少なく、生活必需品が多くなっています。

また、公共事業や電気通信など、全体的にディフェンシブなセクター比率が高くなっています。

他の高配当ETFと比較すると、比較的市場平均に合わせたセクター比率になっており、バランスが良いです。

「VYMは金融やテクノロジーが多く不況に弱い」と言われることがありますが、他のETFと比べればの話で、市場平均に比べれば十分不況に強いバランスです。

不況にあまり強くないのは、セクターバランスではなく高配当銘柄そのものの特徴からです。

 

米国市場平均であるVTIの上位10銘柄のうち、どれがVYMに採用されているかを分析します。

S&P500構成比率上位10銘柄(2018/6/30)

順位 会社名 VYM採用
1位 アップル ×
2位 マイクロソフト ×
3位 アマゾン ×
4位 アルファベット ×
5位 フェイスブック ×
6位 JPモルガン・チェース
7位 エクソン・モービル
8位 バークシャー・ハサウェイ
9位 ジョンソン&ジョンソン
10位 バンク・オブ・アメリカ

 

〇がVYMでも採用されている銘柄、×は採用されていない銘柄です。

ハイテク銘柄であり時価総額上位を占める、FAAMGが一切採用されていないのが大きな特徴です。

 

 

総合的に見て非常に優秀なETFです。

大きな特徴は、スマートベータにかかわらず、セクターバランスが市場平均と近いことや、銘柄数が400越えと幅広く分散されていることです。そのため、どちらかといえば伝統的な時価総額基準インデックスに近い運用になります。。売買回転率がかなり抑えられているのも、この特徴によるものかと思います。

比較になるVIGやHDVは、セクターバランスや銘柄の偏りが大きく、売買回転率も高めです。そのため、この2つはアクティブ投資に近い運用になりそうです。

VYM次のような考えを持つ投資家に向いている銘柄かと思います。

 

①純粋に高配当戦略を実行したい。

②仮設市場効率性を信じているけど、明らかに人気のある株は避けたい。

 

無配当及び低配当な人気銘柄は除外する一方、配当利回りがあまり高くない銘柄でも幅広く採用されているため、FAAMGなど人気銘柄が含まれない市場平均と考えることもできます。

仮に高配当戦略が失敗したとしても、インデックスに近いので市場平均に大きく負けることはないでしょう。

多くのシーゲル派投資家は「地味な企業が市場平均を超えた」と考えているようで、目立たない優良企業に投資しています。しかしつみたて次郎は、どちらかといえば「派手な企業が市場平均を下回った」と考えています。

そのため、地味な企業を固めたHDVより、派手な企業を省いたVYMのほうが好みです。

低い経費率・低い売買回転率・バランスの良いセクター比率と、隙のない素晴らしいETFだと思います。

また、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)を用いることで、投資信託という形で間接的にVYMに投資することもできます。

つみたて次郎が最も投資したい金融商品ですので、つみたてNISAやiDECOへの採用を強く望みます。

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VYM次郎

バンガード・米国高配当株式(VYM)分析” に対して1件のコメントがあります。

  1. マリ より:

    なんかありきたりというか、真面目というか・・・。
    どうしてもバフェット太郎氏と比較してしまいますね。

    いっそのことタイトル名変えたほうが良いのでは?

    尊敬しているバフェット太郎氏に、馬鹿にされて、それでも続けているのは立派だと思う反面、痛々しいです。

    完全にタイトルが一致していると、そりゃ怒られるよね。

  2. シーゲル二郎 より:

    コメントありがとうございます。ちょうど18日から19日にかけてVIG、VYMの記事を書いていましたが、バフェット太郎氏の記事とテーマがかぶってしまったので、格の違いを見せつけられてしまいました。
    「シーゲル二郎」はそのまま残しますが、近いうちにタイトルは変更するつもりです。お騒がせしてすいませんでした。

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