優秀な投資家ほどVTという優良ETFに投資する理由。

シーゲル二郎です。

長期投資をする上では、忍耐力さえあれば、高度な知識も画面に張り付くような時間も必要ありません。正しい投資対象を、ドルコスト平均法で正しく積立てるだけで、必死に勉強している投資家の半数以上に勝つことができます。

また、金融商品の代表的なものには、株式と債券があります。個人投資家がポートフォリオを組むときは、この2つを柱にして組み合わせることが推奨されています。

しかし、長期投資においては、債券は株式のリターンを歴史的に下回っています。

 

参考文献「証券市場の真実‐101年間の目撃録」

過去1900~2000年の超長期における、各国の株式及び債券のインフレ調整後リターンです。まず注目すべきは、すべての国で株式はプラスリターンになっていることです。もう一つは、債券が株式を上回っている国はなく、絶対リターンでマイナスになっている国もあります。

株式は債券に比べて値動きが激しく、場合によっては100万が50万になることもあります。そのリスクと引き換えにリターンを狙うので、長期で債券のリターンを超えるのは必然かもしれません。

もちろん我々は100年投資ができるわけではありませんが、30年以上の長期投資であれば、債券のリターンを下回る可能性は極めて低いです。そのため、長期投資では、株式を中心に考えていくことが大切です。

 

そして株式投資では、時価総額インデックスに投資をすれば、必ず平均点を取ることができるので、上記のグラフ通りのリターンを得ることができます。しかし、グラフで見てもわかるとおり、どの国が高リターンなのかは事前にわからないので、幅広く分散投資しなければなりません。

そこで、現状最も金融理論に忠実なのが、時価総額基準で全世界株式に分散投資することです。そうすれば、世界中の株式投資家の平均点を取ることができるので、世界全体の成長を余す事無く教授することができます。

この投資方法を簡単に実行できてしまうのが、タイトルにあるVT(バンガード・トータル・ワールド・ストック)というETFです。このETFたった一つで、全世界への分散投資が終了してしまいます。そのため、投信ブロガーたちにも非常に人気があり、いわば神様のように崇められています。

しかし、最近では不調です。正確に言うと、米国意外の株式市場が不調です。ヨーロッパはイギリスのEU離脱などでグダグダだし、新興国は経済混乱が続いているし、日本は平常運転でダメダメです。

実体経済でもインチキUSAの一人勝ちで、それを反映してか株価もうなぎのぼりです。

バブルではないかと警戒する人もいますが、米国企業は実際に稼ぎまくっているので、市場は楽観的な見方をしています。

そのため、国際分業を忘れて米国に一国集中する人が増えてしまいました。また、副次的なメリットとしては、米国外への投資はコストがかさみやすいので、米国内だけにしてしまえば信託報酬も安く済むし、売買回転率なども抑えることができて一石二鳥です。

また、世界経済のグローバル化により、国別の株価の動きが同じようになっているので、分散してもリスク軽減できないのではないかという懸念があります。だったら、リスク軽減にもならずリターンにもつながらない米国外に投資する意味はないのではないかという考えが生まれてきました。

 

 

 

そのため、VTをク〇扱いする人まで出る始末です。

しかし、シーゲル二郎は、VTはけっして〇ソではないと思います。むしろ、これ以上ない優良な金融商品だと思います。なぜなら、どんなに粋がっている投資家でも、約半数はVTの前に敗れるからです。VTは全世界の平均なのですから、VTにリターンで勝つことができる人は単純に考えて半分しかいません。(税金や手数料を考えれば半分もいないでしょう)

そもそも米国が世界の覇者になってからせいぜい100年ほどしか経過しておらず、今後中国やインドのような新興国にとって代わられる可能性がないとはいえません。(低いとは思いますが)

米国の経済成長が右肩上がりなことや、株主還元意識が高いのは、高リターンだった理由のほんの一部に過ぎません。多くの人が米国の成長を疑っていない以上、投資家が得るリターンは疑わなければなりません。

また、過去にリターンの高かったからという理由で米国に投資するなら、リターンがアメリカより高かったスウェーデンとかオーストラリアに集中投資したほうがいいのではないでしょうか?

米国が好調だろうが不調だろうが、国際分業投資が投資の王道であることには変わりません。(ただし時価総額基準インデックスに限る)

VTに投資をしている人は、自分自身の投資スキルや米国経済の成長を過信しない、長期投資家の鏡です。

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