バンガード・FTSE・パシフィック(VPL)分析
つみたて次郎です。
今回は、バンガード・FTSE・パシフィック(VPL)を分析していきます。
パシフィック(アジア太平洋)地域の先進国株式を対象としたインデックス型ETFです。
全体の約6割が日本となっており、日本人が投資する場合は要注意となっています。
バンガード・FTSE・パシフィック(2017/11/30現在)
項目 | データ |
信託報酬 | 0.10% |
銘柄数 | 2277 |
PER | 14.9倍 |
PBR | 1.5倍 |
ROE | 10.1% |
利益成長率 | 12.1% |
売買回転率 | 2.7% |
標準偏差※ | 11.62% |
※標準偏差は2017/9/30現在。
半分以上は日本株であるということを頭に入れながら読み進めていってください。
信託報酬は0.10%となっており、VEA(米国除く先進国)の0.07%より高めになっています。
ヨーロッパ等にもまとめて投資する場合はVEAを優先して、足りない部分をVPLで補うのが良いかと思います。
驚いたのは、驚異的な利益成長率の高さです。新興国の11.0%を超えています。
ちなみにVGK(ヨーロッパ株)は1.9%なので、同じ先進国内でもかなりのギャップがありますね。
国別割合は次の通りです。
バンガード・FTSE・パシフィック(2017/11/30現在)
国名 | 比率 |
日本 | 58.4% |
オーストラリア | 16.3% |
韓国 | 12.7% |
香港 | 8.6% |
シンガポール | 3.2% |
ニュージーランド | 0.8% |
この6カ国でほぼ全てとなっています。日本の比率が非常に高いです。
企業別トップ3は、サムスン電子、トヨタ自動車、オーストラリア・コモンウェルス銀行となっています。
今回は、米国外先進国2大勢力である、アジア太平洋VSヨーロッパで比較してみたいと思います。
過去10年では、きれいに相関した動きになっています。
アジア太平洋のほうがリーマンショックでの落ち込み幅が少なく、そのままリードを維持しているような状況です。
年数別にトータルリターンをまとめると次の通りです。
VPL vs VGK(2017/12/31現在)
区切り | VPL(アジア太平洋) | VGK(ヨーロッパ) |
1年間 | 28.78% | 26.97% |
3年間 | 11.44% | 7.43% |
5年間 | 9.20% | 7.46% |
10年間 | 3.66% | 1.71% |
いずれの期間で見ても、ヨーロッパを圧勝しています。この成績をリードしているのは6割を占める日本株ですから、日本もまだまだ捨てたものではありませんね。
つみたて次郎は、株主還元文化・通貨分散・経済リスク分散などの理由から日本株には投資していません。
参考記事「日本株に投資しない理由」
しかし、国際分散を徹底し、世界経済全体の成長を取り込みたいのであれば、日本株への投資も必要になるかと思います。
ですが、日本人なのにわざわざ海外ETFを経由して日本株に投資するのは、米国に余計な税金を払うためもったいないです。(日本株を含むVTなどでも同じロスが生じる)
そのため、日本人にとっては、この「バンガード・FTSE・パシフィック(VPL)」は非常に悩ましい商品となります。
日本株式部分は国内ETFか投資信託にして、残りを海外ETFで補うのが理想的ですが、なかなか良い商品がありません。
候補としては、「iシェアーズ MSCI パシフィック(除く日本)ETF(EPP)」があります。
連動指数の関係上、日本だけでなく韓国も含まれないので、より尖った構成内容になっています。しかし、信託報酬は0.5%もあるため、二重課税を考慮してもVPLのほうがマシです。
日本人ならではの弱点を抱えていますが、それを差し引いても「バンガード・FTSE・パシフィック(VPL)」は優秀な金融商品であるといえるでしょう。
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