投資したいファンドと投資するべきファンドは違う

つみたて次郎です。

先日読者様より、鋭いコメントがありましたので掘り下げてみたいと思います。

 

(S&P500への投資を始めるという記事に対して)
どうもこんにちは
いつも楽しく拝見させて頂いております。
さて、次郎さんの記事には以前S&P500は好きにはなれない
というような内容の記事があったような…
気が変わりましたのかな?

 

元記事は「つみたてNISAで積立する商品を変更します」というもので、S&P500指数に連動する投資信託、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)への積立を開始すると発表したものです。

そしてコメント中で述べられているのは、「つみたて次郎がS&P500を好きになれない理由」という記事についてです。

タイトルの通り、つみたて次郎はS&P500という指数があまり好きではありません。その考えについては今も全く同じです。

もっと厳密に言えば、市場全体を時価総額加重で保有する一般的なインデックスファンドがあまり好きではありません。

つみたて次郎は、ブログを始めた当初は米国個別株投資をやりたいと思っていましたし、今はスマートベータ系ETF(VYMやVTV等)に投資したいと思っています。

環境さえ整えば、投資先を全てVYMにしてもよいと思っています(笑)

参考記事「バンガード・米国高配当株式(VYM)

しかしVYMは、つみたてNISAやiDECOで投資することは出来ません。

また、この2制度で投資を行う場合、事実上の選択肢はシンプルなインデックスファンドのみに絞られ、そもそもスマートベータ的な投資を行うこと自体が不可能です。

 

 

別に一般NISAや特定口座を使えばいいじゃないか、という意見もあるかと思いますが、使うことができない理由があります。

つみたて次郎は、スマートベータによる投資に興味があり、高確率で市場平均を超えると思っていますが、その超過リターンは微々たるものであると考えています。

そもそも特定の属性(高配当・バリュー等)にフォーカスしたスマートベータ戦略は、あくまでもベースは分散投資のバイアンドホールドですから、よほど尖ったポートフォリオを組まない限り卓越したリターンを得ることは不可能です。

本来の意味であまり大きなリスクを取らずに、市場平均に毛が生えた程度のリターンを狙う戦略だと思っています。(もっとも、そのわずかな差が長期で大きな差になっていくのですが)

裏を返せば、大きな超過リターンを生み出せる可能性があるアクティブファンドと違い、大きなコストを許容できない投資戦略であると考えることができます。

そしてここで最も重要なコストが、課税コストです。

信託報酬や売買手数料に目が向けられがちですが、投資家が最も気にするべきコストは税金です。

もし仮にVYMがS&P500を長期リターンで上回ると予想していても、税金等のコストが余計にかかるのであれば話は全く別です。

図でまとめると、つみたて次郎が想定する長期トータルリターンは次の通りです。

 

非課税VYM≻非課税S&P500≻課税VYM≻課税S&P500

 

ようするに非課税メリットを捨ててまで、S&P500よりVYMを優先する理由はないということです。そもそもVYMは、短期で見ればS&P500と非常に似た動きをするので、20%の課税というハンデ付きで勝つことはほぼ不可能だと思います。

つみたて次郎のようなな少額投資家の場合、つみたてNISAやiDECOを利用せずに一般NISAや特定口座を利用することは、事実上税金を無駄に支払っているようなものです。

だからS&P500が理想の投資先ではないと思っていても、泣く泣くつみたてNISAで投資せざるを得ない状況であるということです。(余談ですが、iDECOで積立しているのはNYダウです。こちらも妥協の塊)

したがって、S&P500が好きでないのにS&P500に投資しているのというのは、つみたて次郎の投資哲学に基づけば当然の行動であるということになります。

投資先を変えてしまうほど、税金というのは恐ろしい存在なのです。

逆に余剰資金を特定口座で臨時投資する時は、S&P500なんて目もくれず楽天VYMに即投資しています(わずかな金額ではありますが)

 

投資家は自由に投資することができますが、各投資家の想定する前提により、投資するべき商品というのは限られます。

そしてその商品が、自分が投資したい商品であるとは限りません。

自分が応援したい企業の株を買いたくなってしまったり、投資先が好みであってもコストが割高であったり…つみたて次郎も現在のポートフォリオに対してはモヤモヤした気持ちです。

しかし投資の真の目的は、税引後トータルリターンを最大化すること。この1点のみを見据え、趣味ではない実益を得るための投資を徹底していきたいと思います。

参考記事「資産形成としての投資と趣味としての投資を区別して考えよう

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S&P500次郎

投資したいファンドと投資するべきファンドは違う” に対して1件のコメントがあります。

  1. めだか より:

    はじめまして
    私もVYM持ってます、HDVもDVYも持ってますが。
    今回の記事を読んでSPYDなんかぴったりだと思ったのですが
    どうでしょうか?
    時価総額でなく等分でS&P500の高配当株、利回りはVYM,HDVより上
    FANGは入ってません(と思います)
    私はさっそくVYMと同額程度買いました

  2. つみたて次郎 より:

    どうもはじめまして。
    SPYDについては個別に記事を書いています。
    http://siegeljiro.com/spyd-bunseki
    低コストな高配当ETFではありますが、個人的には公共と不動産が多すぎるのが気になります。
    等金額ポートフォリオ×高配当という組み合わせは非常に面白いので、有力な商品であることは間違いないですね。

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