資産形成としての投資と趣味としての投資を区別して考えよう

つみたて次郎です。

投資をする目的は人それぞれですが、ほとんどの人にとって一番大事なのは、「税引後トータルリターンを最大化する」ことではないかと思います。

もちろん人それぞれ投資できる金額・投資に賭けられる時間・リスク許容度などはバラバラなので、その投資方法も十人十色です。

キャピタルゲインを狙う人・インカムゲインを狙う人・株主優待を狙う人、様々な投資スタイルがあります。

しかしいずれも、自分の資産を増やすという目的が中心になっていますし、投資とは利益を出してナンボの行為です。

そもそも投資をしている時点でお金に対する興味があるということであり、増えて悲しむ人はいないでしょう。

お金を増やすことを目的とする投資を、本記事では資産形成のための投資と定義します。

その一方で、「自分の好きな企業を応援したい」「優待で限定商品を手に入れたい」等といった、金銭的利益で測れない付加価値を求め投資する人がいます。

お金を増やすこと以外を目的とする投資を、本記事では趣味としての投資と定義します。

今回は、いくつかの例をあげてこの2つの境目について考えてみます。

 

株主優待の使い道

日本独自の制度として、株式の保有者に優待の権利が与えられる株主優待制度があります。

自社製品や商品券、クオカード等がもらえたり、株主総会に出席することでお土産をもらえたりします。(つみたて次郎は日本株持ってないので未経験)

当然ながら、株主優待は企業からの資産流出を意味しますので、配当金などと同じくトータルリターンに直接影響をもたらしません。

したがって、資産形成としての投資を行うのであれば、次の2点どちらかに活用する必要があります。

 

①換金して再投資
②生活費の一部として補填

 

しかし実際は、優待を使い切るために本来必要なかった贅沢品を購入したり、わざわざ交通費をかけて株主総会に出席したりします。

先日、2928(RIZAPグループ)の株主総会があったようですが、その一環で行われた懇親会が地獄絵図だったようです。

外部リンク「糖質の奪い合いで株主が怒鳴り合い、RIZAPグループ株主総会の懇親会で

食料の奪い合いが発生し、痩せたいのか太りたいのか分からない状況です。

当然ながら、ここで配られた食料はRIZAPグループ㈱が用意していますので、株主ならば食べないと損です。

しかし、いくらたくさん食べても、その投資家のトータルリターンには影響を与えません。せいぜい1食分の食費が浮く程度の利益にしかなりません。

株主総会に参加するために消費する交通費や時間を考慮すれば、株主総会に参加すること自体は資産形成のためではなく、趣味として楽しむために存在していることになります。

 

 

応援する企業の株を買う

日本株はもちろん米国株の一部でも、日本人の身近に存在している商品やサービスを提供している会社が多数あります。

例えば、炭酸飲料のコカ・コーラが好きだから、KOの株を保有するといった具合ですね。

これは本来の株式投資としては正しい姿かもしれませんが、投資リターンを最大化するという意味では、個人の好みという余計な情報によって投資内容が変わっていることになり、あまり良いこととはいえません。

ポートフォリオの中心はS&P500などのインデックスファンドにして、残りの一部を自分の好きな個別株にする・・・という考え方もあります。

しかしこれも、ポートフォリオの一部を、自分の所有欲や社会貢献といった心理的な欲求によって歪めているにすぎません。

個別株を感情的な理由で区別し選ぶという行為自体が、趣味としての投資になりかねない危険な行為ということもできます。

また、なぜかタバコ企業ホルダーには禁煙者の方が多いですが、これも「タバコが嫌いだから喫煙者から利益をもらいたい」というノイズが投資判断を歪めている危険性があります。

参考記事「マルボロ吸ってない奴がフィリップモリスに投資していいのか?

この延長で、ESG投資(環境・社会・ガバナンス)等にも否定的な立場です。

 

と、ここまで偉そうに言っているつみたて次郎ですが、自分も所有欲を満たすために意味のない個別株投資に手を染めています。

参考記事「つみたて次郎6種を紹介する!

なお先日NYダウから追放されたGEが含まれるため、投資成績はお察しの通りです(泣)

元々個別株投資に憧れていましたので、自分の好きな企業を保有できる楽しみというものはとても理解できます。

だからこそ、個別株投資をすることには慎重になるべきだと考えました。

余談ですが、下記例の様に自分の心理ではなく、群集心理をもとに投資するのは全く問題ないと思います。

 

・コーラは皆が好きだからワイドモート企業と判断。
・タバコはESG投資家から嫌われているから投資冥利がある。
・米国株ブログ村で高配当株が人気だからアンダーウェイトする。

 

これは自分の感情に身を任せておらず、むしろ他人の感情を利用しているのでよい判断になりそうです。

 

インデックス投資ナイトへの参加

インデックス投資クラスタの間では、たびたびイベントが行われています。

その中でも有名なのが、インデックス投資ナイトです。

外部リンク「インデックス投資ナイト

ちなみに2018年度は7月7日、東京で行われます。チケットは抽選式先着順で、残念ながらゲットできなかった人も多数いるようです。

※6月28日修正・・・抽選ではなく先着順でした。

しかしインデックス投資は、基本的に日々勉強が必要な投資法ではなく、交通費をかけてまで参加することが投資リターンにつながるとは考えにくいです。

身もふたもない意見ですが、0.1%の世界で争う信託報酬最安値商品を探すよりも、イベントに参加する費用を投資に回したほうが資産形成としては結果につながりそうです。

つみたて次郎は参加したことがないので憶測になってしまいますが、投資に関する勉強会というよりは、同じインデックス投資家同士の親睦を深めるパーティーのようなイメージが強いです。

 

敵を増やすつみたて次郎

今回は、優待クラスタ・米国株クラスタ・インデックスクラスタという幅広い投資クラスタに喧嘩を売ってしまいました(笑)

しかし勘違いしないでほしいのが、いずれもその行為そのものを批判するものではないということです。

ただ、上記のような行動は、直接リターンにはつながらない趣味としての投資に過ぎないということです。

もちろんそれが悪いことではありませんし、投資を楽しく行う上では必要なものです。

ですが、優待ゲットやイベントでむやみに投資資金を減らしたり、適当に個別株を選んで余計な損失ばかり出すのは当然避けなければいけません。

そもそも当ブログを読んでいる時点でアナタも立派な投資マニアですから、趣味としての投資で消耗しないように気を付ける必要がありますね。

つみたて次郎も今はクレバーなインデックス投資家を気取っていますが、何かのきっかけで個別株に手を出し爆損の彼方に飛んでしまう可能性がありますので、しっかり気を引き締めていきたいと思います。

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クレバー次郎

資産形成としての投資と趣味としての投資を区別して考えよう” に対して1件のコメントがあります。

  1. N より:

    だ、誰が投資マニアですって!?

    と、投資マニアなわけないんだからねっっっ!!!!

  2. つみたて次郎 より:

    ツンデレ投資マニアがここに爆誕。

  3. より:

    まさになんでみんなインデックス投資家の本買ったりイベント参加したりするのか知りたくて参加する者ですが、インデックス投資ナイトは普通に先着順だったかと思います・・・

  4. つみたて次郎 より:

    ご指摘ありがとうございます。修正しました。
    私も参加したい気持ちはあるのですが、金銭面を考えると思いとどまってしまいます。

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