【悲報】ゼネラル・エレクトリック(GE)がNYダウ銘柄から除外される

つみたて次郎です。

米国株式市場に重要な指数に、「ダウ平均株価」があります。米国を代表する30銘柄で構成され、「NYダウ」「ダウ30種」等と呼ばれたりもします。(以下:NYダウ)

そして昨日、その採用銘柄の入れ替えについて発表がありました。

外部リンク「米GEをダウ平均から除外、19世紀組み入れの最古銘柄姿消す

ゼネラル・エレクトリック(GE)が26日付でNYダウ銘柄から外されることになりました。

GEといえば、発明家トーマス・エジソン氏が創業した企業であり、多数の事業を抱える超巨大コングロマリットです。

そして直近では、1年で株価半減・配当も半減という米国株屈指の負け犬銘柄です。

米国株クラスタにおいては、GE太郎氏の登場により一躍有名になり、現在もその魂はGE坊や氏に引き継がれています。

さっそくGE坊や氏も記事にしているようなのでリンクを張っておきます。

外部リンク「GEがダウ平均から除外 ポツダム宣言を受諾し無条件降伏する

GEホルダーには辛い現実ですね。

GEはダウの犬銘柄としても有名でしたが、ダウそのものから除外されてしまったことでただの犬に成り下がってしまいました(笑)

とはいえ、つみたて次郎も保有している数少ない個別銘柄の1つであり、笑っている場合ではありません(泣)

参考記事「つみたて次郎6種を紹介する!

 

現在のNYダウの原型が誕生したのは1896年で、当初は12銘柄で構成されていました。現在の30銘柄になったのは1928年からです。

そしてGEは、初期の12銘柄の一角であり、「当初から採用され続けている唯一のNYダウ銘柄」という肩書を持っていました(過去形)

とはいえ、途中で2回ほど除外されており、個人的には違和感がある肩書でした。今回また除外されたことで、再び複雑な状況に逆戻りです。

かつて世界最高のコングロマリットとして君臨した巨大帝国GEも、1つの節目を迎えたのかもしれません。

NYダウ銘柄といえど、その栄光は永遠ではないということを肝に銘じなければなりません。

除外の発表を受け、GE株も暴落していますが、もはや除外が原因なのかただ暴落しているかは分かりません(笑)

また、26日の入れ替えの際にはNYダウ関連のファンド除く売りが殺到するため、暴落が発生する可能性が高いです。

GEを安く仕込みたい人には絶好のチャンスかもしれません。

 

その一方、NYダウのインデックスファンドを保有している人にとっては、あまり気にしなくてもよいかもしれません。

NYダウは、時価総額ではなく単純株価平均に基づき各銘柄の構成比率を決めています。

1株当たりの株価がいくらになっているかによってウェイトが変わります。

採用銘柄で最も株価が高いボーイング(BA)は、1株当たりの株価が現在341.12ドルもあり、これによりNYダウ構成比率の10%近くを占めています。

その一方GEは、元々株価が低めなことや直近の暴落により、1株当たりの株価は現在12.95ドルと非常に低いです。

そのため、NYダウにおける構成比率は約0.4%ほどと非常に低く、NYダウの上下にほとんど影響を与えていません。

NYダウは現在約24,700ポイントですが、仮にGEが倒産してGE株が紙屑になったとしても、その影響は100ポイントにもなりません。(もし本当にGEが倒産する事態になれば、米国経済自体がタダでは済まないので意味のない計算ではありますが)

既にGEはNYダウに対する影響力が非常に小さくなっており、これも今回採用銘柄から除外された大きな理由の1つだと思われます。

そしてGEが除外されるということは、新しく銘柄が1つ追加されることになります。

26日よりNYダウに採用される銘柄は、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)です。

日本ではあまり馴染みがありませんが、世界最大規模のドラッグストアチェーン店です。

米国企業のウォルグリーン社が、欧州企業のアライアンス・ブーツ社を買収して誕生した企業で、米国と欧州に実店舗を多く構えています。

食料品や日用品、医薬品といった製品を扱う小売業であり、生活必需品セクターに分類されます。

ドラッグストア業界では、CVSヘルス(CVS)という企業も有名ですね。こちらは米国内のみでの展開ですが、薬剤給付管理(PMB)も行っており、生活必需品セクターながらヘルスケア企業としての側面も持っています。

米国内では、WBAとCVSで寡占市場を形成しており、ドラッグストア自体も小売業の中では有力な成長産業です。

また、医薬品というデリケートな商品を扱う関係上、ネット通販の脅威は小さい・・・と思われていましたが、アマゾンのヘルスケア事業参入により先行きは怪しくなっています。

同じくダウ採用銘柄であり、生活必需品小売最大手のウォルマート(WMT)もアマゾン含むEコマース軍団に苦戦を強いられており、WBAも最大のライバルは同業者CVSではなく異業種からの参入者となりそうです。

ちなみにWBAの1株当たり株価は、現在64.61ドルとなっており、NYダウに採用された場合の構成比率は0.2%前後になりそうです。

これは現在の30銘柄の中で低めで、順番では20代前半のポジションになります。

26日の入れ替えの際には、NYダウ関連のファンドから買いが集まるため、一時的な暴騰が起きる可能性があります。

短期的に見ればNYダウ指数の上昇に貢献しますが、長期的に見た場合は割高な株価でWBAを取得することになり、長期リターンには悪影響です。

これは、採用銘柄を機械的に買い付けるインデックスファンド全体の弱点であり、指数自体の注目度が高く、銘柄数や入れ替え頻度の少ないNYダウにおいては特に顕著です。

 

新規採用銘柄としては、フェイスブック(FB)が入れ替えの有力候補となっていましたが、今回は見送られた形になります。個人情報流出問題も影響していそうですね。

その他有力なハイテク銘柄であるアマゾンやアルファベット等は、1株当たりの株価が高い値嵩株であるため、現状ではNYダウに採用しづらいという問題を抱えています。

FANGの中では現在アップル(AAPL)のみが採用されており、採用されたのも2015年とつい最近です。

今回GEがやっと除外されたことを含め、新陳代謝の遅さこそがNYダウの魅力でもあると考えていますが、これが良い方向に転ぶか悪い方向に転ぶかは不明です。

つみたて次郎もNYダウ連動のインデックスファンドを保有していますので、S&P500等とどのような違いが出てくるのかには注目していきたいところです。

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ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス次郎

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