水瀬ケンイチ氏著「お金は寝かせて増やしなさい」を読んだ感想
つみたて次郎です。
インデックス投資ブロガー、水瀬ケンイチ氏執筆の「お金は寝かせて増やしなさい」を読んだので感想文を書きたいと思います。
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全体を通して、インデックス投資を推奨する内容になっており、これから投資を始める初心者の方にも分かりやすい説明になっています。
各章ごとに、個人的な見どころを紹介していきたいと思います。
目次
第1章 金融のド素人でもプロと互角に戦える「インデックス投資」
市場平均に連動するように運用することをパッシブ運用といい、そのように運用されている投資信託やETF等に投資することをインデックス投資といいます。
インデックス投資をすることで、常に平均の成績を取ることができ、そしてその平均は大抵のプロすらも打ち負かします。
インデックス投資クラスタとしては常識的な話ですが、一般的にはかなり胡散臭い内容です。
第1章では、多くの投資信託が市場平均に勝てないのかという理由を、順を追って解説されています。
第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法
面白いのが、投資に関する指南書であるにもかかわらず、家計を把握することについては、生活防衛資金を用意することなどについて最初に解説されている点です。
本書では、2年分の生活費を用意するか、生活防衛資金を貯めながら投資することが推奨されており、投資は生活の延長に存在するということを認識させてくれます。
個人的には、生活防衛資金2年分は少し多すぎるようにも感じますが、日常生活に支障が出ないようにするためには目安にしたい水準かもしれません。(ちなみに私は生活費3か月分を現預金で確保しています)
後半では内容がガラッと変わり、投資のリスクや分散投資といった項目について説明が始まり、具体的なオススメ投資信託についても述べられています。
ただし、本書は2017年12月に発売されており、信託報酬については一部古い記載がありますので、その点は注意が必要です。
個人的に面白かったのは、「資産配分のキモは国内債券」という部分です。
国内債券は、基本的に現預金に次ぐ安全資産とされていますが、ポートフォリオにどれだけ組み込むかによって、リスクとリターンをコントロールしていくことができます。
第3章 おすすめの金融機関&口座開設の手順時になるNISAとiDECO
インデックス投資をする上でのおすすめ金融機関として、SBI証券と楽天証券を挙げています。
本書では、楽天証券における口座開設方法について画像付きで説明されています。
また、NISAとつみたてNISAの比較や、確定拠出年金(iDECO)に関するメリットやデメリットも分かりやすく説明されていました。
第4章 始めるのはカンタンだけど続けるのは意外と難しい
株式や債券などの長期リターンや複利効果、資本主義の仕組みなどについて簡潔に述べられています。
インデックス投資を長く続けるためのコツについても語られており、NISAやつみたてNISA、iDECOの弱点を逆手に取り、「売るに売れないしくみをつくっておく」という発想はとても面白かったです。
第5章 涙と苦労のインデックス投資家15年実践記
これを見るだけのために買う価値があります。
著者である水瀬ケンイチ氏は、2004年からインデックス投資を継続していますが、当時はロクなインデックスファンドが存在せず、様々な苦労をされていたことがつづられています。
また、2004年~2013年については、年度別にインデックスファンド業界についてや、その年における大きなニュースについての感想が述べられており、最近投資を始めた人にとっては当時を知ることができる貴重な資料となりそうです。
また、リーマンショックの時にはブログに誹謗中傷コメントがたくさん投稿されたという辛い出来事もあったようで、それらを乗り越えインデックス投資を続けてきた、水瀬ケンイチ氏の凄みが伝わってきました。
第6章 貴重情報!インデックス投資の終わらせ方
インデックスファンドのコツコツ積立についてはよく語られますが、その反対の出口戦略についてはあまり語られていないのが現状です。
本書では、リアロケーション(資産配分比率の変更)を定期的に行うことにより、リスク許容度をだんだん下げていくという方法が推奨されています。
また、取り崩し法については、定額ではなく、定率で取り崩しする方法が紹介されています。
定率で取り崩していく方法は、「ウォール街のランダムウォーカー」でも述べられている方法で、保有資産を4%ずつ取り崩していく「4%ルール」が例として挙げられています。
読書感想文まとめ
全体を通して、分かりやすい説明になっており、投資初心者が読むには最適な本であると思います。
特に第5章については、この本でしか読めない内容であり、日本におけるインデックス投資の歴史といっても過言ではありません。
内容についても、インデックス投資に必要な知識が網羅的にカバーされているため、これ1冊で投資に対するとっかかりを得ることができそうです。
もし投資をこれから始めたい人がいれば、ぜひおすすめしたい1冊です。
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