楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)を分析。高配当なのに分配金が出ない不思議な投資信託。

つみたて次郎です。

今回は、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドを分析しています。

米国高配当株に投資することができますが、実際に分配金をもらうことは出来ないという面白いコンセプトを持つ投資信託です。

 

基本情報(2019/1/20時点)

項目 データ
ファンド名 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
運用会社 楽天投信投資顧問㈱
設定年月日 2018年1月10日
為替ヘッジ なし
信託報酬 0.2096%(0.1296%+0.08%)
純資産総額 約19億円
運用方法 ファンド・オブ・ファンズ
投資対象 バンガード・米国高配当株式(VYM)
ベンチマーク FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス
分配金 0円(設定来)

 

ファンド内で買付するのはバンガード社の海外ETFであるVYMのみとなっています(以下:本家VYM)

そのためこちらは楽天VYMと呼ばれることが非常に多いです。実質的な投資先はVYMに準拠することになります。

VYMは米国市場の大型株のうち、配当利回りが平均を超えると予想されたものを選定し、時価総額に基づいた比率で投資を行います。

時価総額ベースだとS&P500の半分程度をカバーしているため「米国大型株のうち配当利回り上位50%」に投資できると考えて概ね良いかと思います。

配当利回りが高い銘柄群は長期リターンに優れているというデータもあるため、高配当戦略を手軽に採用することができます。

 

高配当ファンドだが分配金は出ていない

投資元である本家VYMを直接保有すれば、年間3~4%程度の配当金を直接受け取ることができます。(海外ETFなのでドルですが)

しかし楽天VYMの場合、現在のところ発生した配当金は全てファンド内部で再投資されており、投資信託からの分配金は一切出ていません。

分配金が出ていないのは楽天バンガードシリーズ全体の傾向であり、さら言えばインデックスファンド全般で無分配を貫くファンドが増えています。

そのため今後も分配金は一切出ない、もしくは出たとしてもほんのわずかな額ではないかと推測されます。

分配金が出ないファンドは配当金にかかる税金を一部繰り延べできますので、配当金を再投資する前提であれば税制上有利です。

参考記事…投資信託における無分配型と分配金再投資型の違い

なので本家VYMを保有して配当金を自分で再投資するよりも、楽天VYMのファンド内で行われる配当金再投資のほうが配当課税を抑えることが可能です。

参考記事…楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド vs 本家VYM

 

 

商品コンセプトの矛盾

楽天VYMを一言で表せば「分配金が出ない米国高配当株ファンド」になりますが、これはかなり不思議なコンセプトです。

なぜなら高配当株を選好する人の多くは実際に配当金を受け取りたい人が多いはずです。

まとまったお金で高配当株を保有しておけば定期的にもらえる配当金だけで生活することが可能ですし、定期的に現金収入が発生するのは心理的な面でも大きな支えになります。

しかし楽天VYMはファンド内で保有しているVYMから配当金が発生しても直ちに再投資されてしまうため、実際にファンド保有者に配られることはありません。

高配当株に投資したい動機としては、主に次の2つが考えられます。

 

・配当金をできるだけ多くもらいたい。
・高配当株がトータルリターンで優れると予想している。

 

前者は前述した通り単純明快な理由です。

後者はシーゲル教授含め多くの研究により、配当利回りとトータルリターンは比例してきたというデータが発表されています。(直近はそうでもないですが)

参考記事…高配当戦略の有効性

この片方あるいは両方を期待して高配当株に投資する人がほとんどではないかと思います。

しかし楽天VYMは分配金が出ないので、後者の需要を満たすことができません。

そして後者の需要だけを求めている投資家は、つみ次郎の体感ではほとんど存在しないような気がします。

つみ次郎はトータルリターンの観点から高配当株中心のポートフォリオを構築したいと思っていますが、それは後者に期待しているからであり実際に配当金がもらえるかどうかは気にしていません。

参考記事…つみたて次郎の秘密のポートフォリオを公開

本来高配当株は配当が出るたびに課税されるので税制上不利ですが、投資信託というパッケージに包むことでその弱点を緩和することができます。

参考記事…VTIとVYMの配当利回りの差から考える、高配当戦略で犠牲になるリターンは年間○%

なので「税制上の不利を緩和した高配当株投資」が可能という点では、むしろ後者のトータルリターンのみを期待する投資家にとっては理想的なファンドともいえます。

しかし前述したとおり、後者のトータルリターンのみを期待して高配当株に投資する人は少数派であり、むしろ分配金をしっかり出したほうが魅力的ではないかという意見もよく見かけます。

本家VYMに合わせ年間3~4%程度の分配金を吐き出したほうが、人気が出るとつみ次郎も思っています(笑)

 

非常に癖の強いファンド

投資元となる本家VYMは広い投資家から支持される鉄板ETFですが、楽天VYMはかなりニッチな需要を攻めた癖の強い投資信託であるといえます。

つみ次郎のような「高配当株にトータルリターンを期待するが配当金は一切いらない」という変り者以外は手出し無用なファンドともいえます。

投資信託を用いて米国市場に広く分散投資したいのであれば楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で十分でしょう。

また、高配当株のトータルリターンの良し悪しは時期にもよりますし、そもそも今後も長期的に市場平均をアウトパフォームするかは不確実です。(直近10年では負けてます)

多少市場平均に劣後していても配当金が多くもらえていれば多少は納得できそうですが、楽天VYMの場合は関係ないので市場平均に負ければ劣化インデックスファンドに成り下がることになります。

その意味では高配当戦略と心中するようなファンドであり、保有するのであれば相応の覚悟が必要になりそうです。

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楽天VYM次郎

楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)を分析。高配当なのに分配金が出ない不思議な投資信託。” に対して1件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    喜びが溢れている良記事ですね。

  2. つみたて次郎 より:

    余韻がしばらく続くかと思います(笑)

  3. とっつぁん より:

    積立投資ストーリーが次郎君のシナリオ通りになって来た。怖いくらいに言い当てるね(笑)
    VYMvs楽天VYM楽しみにしてます。

  4. 大猫 より:

    嬉しい、出るんですね。
    本家VYMをちょこっと持ってますが来年は本家と楽天のどちらにするか悩みそうです。
    でも嬉しい悩みなので楽しみです

  5. つみたて次郎 より:

    >とっつぁん様

    むしろ出ないと思っていたので予想が外れました(笑)

    ガッツリ計算したいと思います!

  6. つみたて次郎 より:

    >大猫様

    今年一番嬉しいニュースかもしれません(笑)

    既に本家VYMを持っている人からだと、配当金目当てか再投資目当てかではっきり評価が分かれそうです。

    いずれにせよ、選択肢が増えるのは素晴らしいですね。

  7. きゃぷてん より:

    これは良いね!
    次郎さんよかったね

  8. つみたて次郎 より:

    素晴らしい商品が誕生して感動しています。

    今後の動きに注目していきたいです。

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