SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式(SPYD)分析
つみたて次郎です。
今回は、「SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式(SPYD)分析」を分析していきます。
2018年7月よりマネックス証券で取り扱いが開始された、低コストな高配当ETFです。
参考記事「マネックス証券にてスパイダーの超低コストETFが18本新規取り扱い開始!」
高配当ETFは多数存在していますが、その中でも特に癖が強い仕上がりになっています。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式(SPYD)(2018/7/12現在)
項目 | データ |
信託報酬 | 0.07% |
銘柄数 | 79 |
PER | 16.87倍 |
PBR | 2.24倍 |
売買回転率※ | 40% |
配当利回り | 3.95% |
信託報酬は、0.07%と極めて低いです。
高配当ETFとしては、バンガード・米国高配当株式(VYM)やiシェアーズ・コア米国高配当株(HDV)が有名ですが、この2つはそれぞれ0.08%ですので、これらよりも低コストになっています。
銘柄数は79種類と比較的少なく、HDVと同じぐらいの分散度になっています。
売買回転率は40%とやや高めになっているのが個人的には気になります。
ベンチマークは「S&P 500 高配当指数」になっています。
S&P500銘柄のうち、配当支払い上位80銘柄を均等額保有する内容になっています。
指数の運用方法については、米国株ブロガーのmican氏がまとめていますので、参考にリンクを張っておきます。
外部リンク「SPYDはS&P500高配当80銘柄の均等加重ETF」
500銘柄のうち80銘柄を選ぶので、採用銘柄には偏りがあります。また、上記記事でも触れられていますが、設定されたのが2015年10月とつい最近なのは注意が必要です。
採用銘柄トップ10は次の通りです。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式(SPYD)(2018/7/12現在)
ティッカー | セクター | 構成比率 |
M | 一般消費財 | 1.71% |
PSA | 不動産 | 1.52% |
AES | 公共事業 | 1.51% |
OKE | エネルギー | 1.48% |
EXR | 不動産 | 1.48% |
CTL | 電気通信 | 1.48% |
FE | 公共事業 | 1.47% |
ADM | 生活必需品 | 1.44% |
STX | 情報技術 | 1.43% |
EXC | 公共事業 | 1.43% |
約80銘柄で均等分散なので、構成比率は1銘柄当たり1.25%が目安になります。
均等額保有という仕組みは、相対的に時価総額の小さい企業が採用されやすく、小型株効果が期待できたり、定期的なリバランスによりレンジ相場に強いという特徴があります。
採用銘柄は、日本ではあまり馴染みがないものが多いですね。
セクター比率は次の通りです。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式(SPYD)(2018/7/12現在)
セクター | 構成比率 |
不動産 | 26.36% |
公共事業 | 24.07% |
消費財 | 12.52% |
エネルギー | 8.96% |
消費サービス | 7.79% |
情報技術 | 7.29% |
電気通信 | 3.82% |
ヘルスケア | 2.63% |
資本財 | 2.25% |
素材 | 2.24% |
金融 | 2.07% |
セクター比率も非常に特徴があります。
とくに不動産と公共事業の比率が高く、この2セクターだけで全体の約半分を占めます。
公共事業セクターは、ディフェンシブな高配当銘柄が多いので、高配当ETFで多く採用されていることはよくあります。
しかし、不動産(REIT)については、通常REIT型ETFとして組成されることが多く、株式型ETFにこれほど高い比率で採用されるのは極めて珍しいです。
株式型ETFでありながら、REITへの投資比率が高いというのは非常に面白いですね。
SPYDまとめ
REITの比率が高い高配当ETFとして考えれば、非常に面白い商品だと思います。
株式型ETFというよりは、株式+REITのバランスファンドと考えたほうがよいかもしれません。
高配当利回り+均等分散というのは、逆張り思考によるスクリーニングの掛け合わせなので、長期的なパフォーマンスも期待できそうです。
その一方、公共事業セクターや不動産セクターの比率が非常に高いので、好みが分かれそうな部分でもあります。
全体としてはディフェンシブな構成になっているので、安定した配当収入を得たい人にはよい商品かもしれません。
低コストな高配当ETFとしては、他にバンガード・米国高配当株式(VYM)やiシェアーズ・コア米国高配当株(HDV)などがありますが、それぞれ特徴が大きく異なっていて面白いですね。
各投資家の方針に合わせて選んでいきたいですね。
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