楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)を徹底分析。米国株全域に投資できる超低コスト投信!

つみたて次郎です。

今回は、楽天・全米株式インデックスファンド(投資信託)を分析していきます。

2017年9月29日に設定された商品で、つみたてNISAの対象商品にも選ばれています。

投資対象としては、米国株全体をカバーする「CRSF U.S Total Market Index」のインデックスに連動します。

これに連動する海外ETFでは、「バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)」が非常に有名です。

楽天・全米株式インデックス・ファンド基本情報

情報
ファンド名 楽天・全米株式インデックス・ファンド
連動指数 CRSF U.S Total Market Index
信託報酬 0.162%
運用会社 楽天投信投資顧問㈱

 

同指数をベンチマークとする投信の中では圧倒的低コストとなっており、小型株含む米国株全体に投資したいのであればこれ一択ともいえる内容です。

米国株という括りで考えていくと、S&P500に連動するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が強力なライバルとなります。

参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs 楽天VTI

投資内容やコスト水準が非常に似ているので、比較して選んでいきたいですね。

 

ETFによる独自運用

また、運用方法に大きな特徴があります。

出典「楽天投信」

ベンチマークとなっているCRSF U.S Total Market Indexには、約4,000近い米国株が採用されているため、通常ならば膨大な数の株式をファンド内で保有する必要があります。

しかしこの投信は、その代わりに海外ETFであるバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)のみを投資対象としています。

これは、投資信託内で別の投資信託に投資するファンド・オブ・ファンズと非常に似た手法であり、さしずめファンド・オブ・ETFといったところでしょうか。

メリットとしては、ファンド運用管理の一部をバンガードに任せてしまうような形になるので、楽天側としては必要経費を抑えられることができます。

デメリットとしては元ETF側の信託報酬が発生してしまうことですが、VTIの信託報酬はたったの0.03%と非常に低いです。

その他楽天等の取り分として0.132%の信託報酬が発生しますが、合計してもたったの年間0.162%となり、これは全米国株ファンドの中でも最安値です。

独自の運用方法がどう影響するかが気になりますが、全体として非常にハイレベルな仕上がりになっています。

また、VTIのみに投資するという特徴から、投資界隈では「楽天VTI」という名前で呼ばれることが非常に多いです。

 

 

ETFにはないメリット

投資信託なので、海外ETFであるVTを直接買うのと比べて様々なメリットがあります。

 

購入時の手数料がかからない

海外ETFであるVTIの場合、売買手数料がかかります。売買手数料は証券会社によってもまちまちですが、SBI証券の場合は最低5.4ドル(約600円)が必要になります。

VTIの株価は現在約140ドル(約15,500円)と少額から投資できますが、1株だけの購入だと10%近い金額が売買手数料と取られてしまうため、基本的には避けるべきです。

その一方、楽天VTIは売買手数料が無料なので、少額で取引する人にとって有利です。

 

ドルではなく円で直接投資できる

海外ETFであるVTIの場合は、米国市場から購入しなければならず、日本円ではなく米ドルで取引する必要があります。

円をドルに交換する場合は為替手数料が必要ですし、投資成績もすべてドルで表示されるため、リターンや税金等の計算が複雑になります。

楽天VTIの場合は円で直接購入できますので、為替手数料はかかりませんし、円で評価額がチェックできるため分かりやすいです。

 

金額指定で購入できる

楽天VTIは投資信託なので、口数ではなく金額で購入することができます。1万円分などといった分かりやすい単位で購入もできますし、中途半端な金額でもすっきり全額投資できます。

本家VTIの場合は、1株ずつ(現在価格約15,500円)単位でしか購入できず、売買手数料の問題があるためある程度まとまった金額での売買が必要です。

 

自動で積立・配当金再投資ができる

海外ETFの場合、毎回手動で市場に注文を出し買い付ける必要があります。また、配当金を再投資する場合も全て手動です。

投資信託であれば、一度積立設定をしてしまえば、財形貯蓄のように給料天引きで自動購入することもできますし、分配金の再投資もファンド内で自動的に行われます。

 

配当課税を繰り延べできる

本家VTIの場合は毎年2%前後の配当金が発生しますが、楽天VTIは現状分配金を出さない無分配型投資信託となっています。

分配金が出ないことで、税金の支払いが繰り延べられ複利効果が高まるので、長期投資する場合は有利になります。

参考記事「投資信託における無分配型と分配金再投資型の違い

 

つみたてNISAやiDECO対応

少額投資をする場合は、つみたてNISAやiDECOを活用するのが望ましいです。

本家VTはETFなので、直接これらの制度を使って購入することは出来ませんが、楽天VTならば投資信託扱いなので投資可能になります。

つみたてNISAならばほぼすべてのネット証券で、iDECOなら楽天証券で現状投資可能になっています。

参考記事「楽天証券とSBI証券を比較

 

元々投資信託は、ETFに比べて利便性の面で優れている部分が多いです。

海外ETFであるVTIを投資信託という形で投資できるのが、楽天VTI最大の魅力ともいえます。

逆に言えば、上記メリットがあまり魅力的でないのであれば、VTIを直接買うほうが良いかもしれません。

参考記事「楽天VTI vs 本家VTI

楽天に追加で手数料を払っているのは間違いないので、トータルリターンでは本家VTIに分があるでしょう。

とはいえ、楽天側の取り分も非常に良心的で、最終的な信託報酬0.1696%は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の0.165%を下回り現在米国株ファンドとしては最安値です。

※さらに低コストなファンドとしてSBI・バンガード・S&P500インデックスが登場しましたが、投資対象が若干違うので十分差別化できています。

総資産額は約567億円もあり、繰上償還リスクも十分低いでしょう。(2018年10月1日現在)

これらの要素を踏まえれば、楽天に多少のコストを払ってでも投資信託という形で投資できるのはとても大きなメリットです。

 

競合商品について

米国株式クラスとして非常に優秀な投信ですが、強力なライバル商品としてeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が素材しています。

参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs 楽天VTI

内容や信託報酬が非常に似ているので、比較しながら選んでいきたいところです。

ちなみにつみたて次郎は、どちらも甲乙つけがたいので、つみたてNISAで両方とも投資しています。

参考記事「つみたてNISAで積立する商品を変更します

また、つみたてNISAやiDECOで投資できませんが、米国株ファンドというジャンルでは「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」という選択肢もあります。

米国株インデックスファンドであれば、基本的にこの3つから選んでいくような形になるでしょう。

 

楽天VTIを買うなら?

楽天・全米株式インデックス・ファンドに投資するのであれば、非課税で運用することができるつみたてNISAでの運用がおすすめです。

また、楽天証券で楽天カード決済をすると1%がポイント還元になるのでとてもオトクです。

参考記事…つみたてNISA×楽天証券×楽天カードで資産運用を始めよう!
外部リンク…楽天証券(公式)

楽天証券の場合iDeCoの対象商品にもなっているので、iDeCo口座でも楽天VTIへの投資が可能です。

参考記事…楽天証券でiDeCo(イデコ)を始めるメリットとおすすめファンド
外部リンク…【楽天証券】個人型確定拠出年金(公式)

 

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楽天VTI次郎

楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)を徹底分析。米国株全域に投資できる超低コスト投信!” に対して1件のコメントがあります。

  1. ふわり より:

    こんにちは。

    iFreeS&P500にてつみたてnisaをはじめようとおもっていたのですが、
    こちらの記事を読み、楽天バンガード全米のほうがいいのか、と迷っています。

    楽天バンガード全米はiFreeより信託報酬が安いのでそこは優れていると思いますが、
    あと両者を比べて、有利な点、優れている面はありますか。

    (海外ETFを買うより、楽天VTIというのは記事後半部分でよくわかりました)

    他の記事で読みましたが、ETFを買い付けるだけなのに
    なぜベンチマークと乖離が発生するのか、わかりません。
    簡単に説明してもらえるとうれしいです。

  2. つみたて次郎 より:

    こんにちは。コメントありがとうございます。

    この2つの実質的な投資先を考えた場合、小型株を含むかどうかが大きく違います。とはいえ、全体的な値動きはほとんど変わりません。
    海外ETFであれば、単純にS&P500か米国全体かで考えてしまってよいのですが、国内投信の場合、総資産額が順調に増えていくかどうかも重要な判断ポイントになります。
    現時点では、信託報酬が安くバンガードの知名度がある楽天VTIのほうが人気であり、iFreeS&P500は今後の行方に不安があります。

    乖離が発生する理由は、ETF自体の乖離や為替変動などが考えられますが、正直良く分かりません(笑)
    とはいえ、実はiFreeも一部はIVVという海外ETFを用いているため、実質コストに大きな差は出ないと私は予想しています。

    S&P500にこだわりがなければ、総資産額が順調に増えており、小型株もカバーしている楽天VTIのほうが無難な選択だと思います。

  3. ふわり より:

    そうなんですね。楽天のほうで考えてみます。

    いろいろ詳しくされていて、勉強になります。
    これからもブログ楽しみにしてます。

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