【時価総額・均等・配当】NYダウ30銘柄でいろんな加重平均ポートフォリオを組んでみた
つみたて次郎です。
米国株のインデックス指数としては、S&P500と並んで有名なのがNYダウです。
米国を代表する30社による単純平均株価指数であり、時価総額ではなく各銘柄の株価で構成比率を決めているのが特徴的です。
つまりどれだけ時価総額が大きくても、発行株式数が多くて1株当たりの単価が低いのであれば構成比率は小さくなりますし、逆に時価総額小さくても発行株式数が少なくて1株当たりの単価が高くなれば構成比率は大きくなります。
株価さえ分かれば構成比率を決定できるので、昔は計算しやすい等の理由で重宝されたという説もありますが、複雑な計算も瞬時に行えるようになった現代では無用の長物といえるでしょう。
日経平均株価なども単純平均株価指数ですが、その他多くのインデックス指数は時価総額加重平均指数となっています。
具体的な指数で言えばS&P500、TOPIX、MSCIコクサイ等…メジャーな指数はほぼ全て時価総額加重平均であるといってもよいでしょう。
そのため今となってはNYダウが採用している単純平均株価というのは古臭い珍しいものになりつつありますので、NYダウ30銘柄を様々な加重平均指数にリメイクしてみようと思います(唐突)
本記事では、以下4つのNYダウ(?)について考察していきます。
・単純平均株価(通常版)
・時価総額加重平均
・均等加重平均
・配当加重平均
いずれも2020年5月15日時点のデータで集計しています。
単純平均株価
それぞれの株価を元に構成比率を決定する、オリジナル版のNYダウ指数です。
NYダウ指数連動のインデックスファンドを保有するという事は、上記の比率で米大型株を保有することに等しいです。
ちなみにつみ次郎は、iDeCoを全額iFreeNYダウインデックスにしているのでNYダウの影響を大きく受けます(笑)
参考記事…【2020年版】つみたて次郎の秘密のポートフォリオ
最も大きいAAPL(9.0%)と最も小さいDOW(1.0%)では9倍の差が開いていますが、この差が決して大きいものではないことが次の項目で分かります。
時価総額加重平均
時価総額の大小で構成比率を決定する、インデックス指数の王道ともいえるスタイルです。
今回はNYダウ30銘柄だけで時価総額加重平均ポートフォリオを組んでみました。
作成前から何となく想像していましたが、こうしてグラフにするとMSFTとAAPLの圧が凄いですね…。
NYダウにはGOOGL・AMZN・FBが含まれていないので、特にこの2つが目立ってしまいます。
最も大きいMSFT(18.6%)と最も小さいDOW(0.3%)を比較すると62倍もの差があり、NYダウ銘柄同士でもこれほど違いがあるのは驚かされます。
余談ですが、DOWは単純平均株価・時価総額加重のどちらでも構成比率が最小になっていますね(偶然)
上記のグラフを見ると、単純平均株価というスタイルは結果的にバランス取れてるような錯覚に陥ります(笑)
均等加重平均
採用銘柄の構成比率を全て均等にする、ポートフォリオの見た目もシンプルで美しいスタイルです。
メジャーな金融商品だとSPYDの連動指数が均等加重を採用しており、バフェット太郎10種もこの方式ですね。
全て同じ割合というのは一見平等に見えますが、先述した時価総額が62倍も違う銘柄(MSFTとDOW)も同じ比率になってしまうので、それをどう評価するかがポイントと言えそうです。
相対的に時価総額の小さい企業の比率が高くなるスタイルですので、均等加重平均は小型株効果が期待できるとされていますが、NYダウ銘柄レベルの大型株でそのメリットを活かせるところは微妙な所ですね(笑)
ちなみにNYダウの均等加重ETFとしてはEDOWなどが実際に存在していますが、上記ポートフォリオのようにしっかり3.3%ずつというわけではなく、ある程度のブレ幅はあるようです。
参考に、直近の構成比率の最大はHD(3.94%)・最小はBA(2.69%)となっています。
外部リンク…First Trust Dow 30 Equal Weight ETF (EDOW)
配当加重平均
企業が支払った配当総額を元に構成比率を決定するスタイルで、今回紹介する中では一番複雑です。
HDVやDLNの連動指数が採用しており、スマートベータ系インデックスファンドでよく用いられます(特に高配当系)
各銘柄の1株当たり配当(DPS)と発行株式数を元に計算したので、運用上の比率とは多少異なるかもしれません。
元々配当加重スキーなつみ次郎ですが、こうしてグラフで眺めても一番しっくりくる構成比率に見えます(笑)
ちなみに先日減配を発表したBA及びDISについては、無配転落したため構成比率も当然ゼロです(辛辣)
参考記事…【悲報】ボーイング(BA)が無配転落
参考記事…【悲報】DISが今年度前期の配当を停止
ここはかなり好みが分かれそうな部分であり、無配銘柄が完全に除外されるというのは配当戦略のデメリットとして挙げられることが多いですが、つみ次郎としてはあまり大きなデメリットしては考えていません。
参考記事…【米国大型株】S&P100指数のうち無配当銘柄が占める割合は〇%
今後半数以上の銘柄が無配転落…といった異常事態でもない限り、極端にポートフォリオの比率があれてしまう事もないでしょうからね(壮大なフラグ)
加重平均別の構成比率
銘柄別の構成比率を一覧でまとめてみます。
銘柄 | 単純平均 | 時価総額 | 均等加重 | 配当加重 |
AAPL | 9.0% | 17.5% | 3.3% | 8.0% |
UNH | 8.4% | 3.7% | 3.3% | 2.3% |
HD | 6.8% | 3.5% | 3.3% | 3.6% |
V | 5.3% | 4.2% | 3.3% | 1.1% |
MSFT | 5.2% | 18.6% | 3.3% | 8.7% |
MCD | 5.1% | 1.8% | 3.3% | 2.1% |
GS | 5.1% | 0.8% | 3.3% | 1.0% |
JNJ | 4.3% | 5.2% | 3.3% | 6.0% |
MMM | 3.9% | 1.1% | 3.3% | 1.9% |
WMT | 3.6% | 2.4% | 3.3% | 3.5% |
BA | 3.6% | 0.9% | 3.3% | 0.0% |
IBM | 3.4% | 1.4% | 3.3% | 3.3% |
PG | 3.3% | 2.8% | 3.3% | 4.8% |
CAT | 3.1% | 0.8% | 3.3% | 1.3% |
DIS | 3.1% | 2.6% | 3.3% | 0.0% |
TRV | 2.6% | 1.1% | 3.3% | 1.6% |
CVX | 2.6% | 2.3% | 3.3% | 5.4% |
JPM | 2.5% | 3.7% | 3.3% | 6.2% |
NKE | 2.5% | 1.5% | 3.3% | 0.7% |
AXP | 2.4% | 0.8% | 3.3% | 0.8% |
MRK | 2.3% | 2.8% | 3.3% | 3.5% |
INTC | 1.7% | 3.5% | 3.3% | 3.2% |
VZ | 1.6% | 3.1% | 3.3% | 5.7% |
RTX | 1.6% | 3.8% | 3.3% | 4.4% |
CSCO | 1.3% | 2.5% | 3.3% | 3.4% |
KO | 1.3% | 2.3% | 3.3% | 4.0% |
XOM | 1.2% | 2.4% | 3.3% | 8.3% |
WBA | 1.1% | 0.4% | 3.3% | 0.9% |
PFE | 1.1% | 2.5% | 3.3% | 3.2% |
DOW | 1.0% | 0.3% | 3.3% | 1.2% |
特に構成比率の大きい部分は赤字・小さい部分は青字にしています。
今回の試みは、NYダウ30銘柄をモデルにした各スタイルごとの特徴把握というのが趣旨でしたが、つみ次郎としては単純平均株価に対する評価がチョイ上げ・配当加重に対する評価が爆上げという満足のいく検証結果になりました(笑)
逆に、時価総額加重平均に対する評価はチョイ下げです(煽)
ごく普通にインデックス投資をするだけであれば、時価総額加重平均の特徴だけ押さえておけば十分ですが、つみ次郎のようにちょっとした色気を出したいスケベ野郎(乙女)であればそれ以外の特徴についても押さえておきたいところですね。
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四天王最弱(意味深)
Dow Jones Industrial Average Yield Weighted Index に連動する DJD という ETF があるそうです。
ガバガバ英語力で説明見るとダウ30銘柄を配当加重で買ってるように見えるのですが、
DOW が8.31%でトップに来てる一方で MSFT が1.39%しかなかったりします。
配当加重じゃないのでしょうか…。
ちなみに設定は2015年なので EDOW よりも古いです。
>>匿名様
確かに構成比率を見ると配当加重ではなさそうですね。
一般的な配当総額を元にした加重ではなく「配当利回り加重」だと仮定するならかなり近いです。
参考記事…https://siegeljiro.com/tsumijiro-haitoukajyuu
かなり興味深いので、今度調べて記事にしてみようと思います。情報提供ありがとうございます。