【指数】時価総額加重・均等加重・配当加重について
つみたて次郎です。
インデックスファンドは、特定の指数に連動することを目標として運用されます。
そのため投資をする際は、指数の特徴について把握しておく必要があります。
一般的にインデックスファンドと言えば、時価総額加重平均型指数に連動する投資信託やETFを指すことが多いです。
インデックス投資の基本は市場全体を保有し平均のリターンを得ることですので、マーケット全体をそのまま再現する時価総額加重平均がその目的に合致しているからです。
むしろ時価総額加重以外の指数に連動するファンドは、スマートベータなどと呼ばれ区別されたりしますね。
スマート=賢い、ベータ=市場平均連動性を表しており、市場平均を意識しつつ工夫を凝らすことで超過収益を目指します。
時価総額加重インデックスの有効性は広く認められている一方、スマートベータについては賛否両論はっきり分かれている印象です。
見方を変えればスマートベータ=コストを抑えたアクティブ投資といえますので、市場平均を超えられるかは不確定ですからね。
一言にスマートベータといっても多数のジャンルが存在しており、代表的な所だとセクター・バリュー・配当・低ボラティリティ・モメンタムといったところでしょうか。
どのファクターを重視してポートフォリオを組むか…というのが最も重要であり面白い所ではありますが、今回はちょっと地味な〇〇加重平均指数ごとの特徴について考察していきたいと思います。
具体的には、時価総額加重平均・均等加重平均・配当加重平均の3つについて取り上げていきます。
時価総額加重平均
時価総額の大きさに合わせて構成比率を変えるという、最も基本的な加重平均です。
単にインデックス指数と言われたら、これをすぐ思い浮かべられるようにしましょう(笑)
時価総額が変動することで構成比率は変わりますが、それに合わせて保有資産の比率もほぼ同じように変動するため、リバランス等の手間は最小限で済みます(運用側の話)
また、一般的には浮動株比率が考慮された時価総額を用いられることが多いです。
参考記事…浮動株調整後時価総額加重平均とは?
ようするに国家や創業者が持っている株式(=固定株)の比率が高い企業の構成比率は小さくなるようになっています。
米国市場の場合は浮動株比率が高いのであまり大きな影響はありませんが、逆に固定株比率が高い新興国市場の場合は大きな影響を与えることになります。
時価総額の大きさで構成比率が決まるので、当然ながら時価総額の大きい企業の構成比は高く、時価総額の小さい企業の構成比は低くなります。
時価総額=会社の価値(規模)ですので、それに合わせて比率を決めるというのは自然な気もしますが、時価総額というのは必ずしも実態を表しているとは限りません。
例えばバブル絶頂期の日本株式市場は、時価総額で世界の株式市場の半分近くを占めるところまで肥大していました。
もし当時にVTのような全世界株式ファンドが存在していたら、その半分近くが日本株で埋め尽くされていたことになります。
しかしその後の結果はお察しの通りで、日本株の時価総額は過大に評価されていたというオチにつながります。
また、現在では全世界株式ファンドの半分以上が米国となっていますが、これも米国市場の好調や、浮動株比率の高さを反映したものになっています。
参考記事…VTや楽天VTへの投資は正しい国際分散投資といえるのだろうか?
良くも悪くも、時価総額加重平均は現時点の市場を忠実に再現しているということになります。
均等加重平均
一定の条件を満たした銘柄を、全て同じ割合ずつ保有するのが均等加重平均です。
米国配当貴族指数などが該当します。これは、連続増配25年以上の企業を約50社選び、均等加重平均で保有するという運用方針になっています。
また、バフェット太郎10種も均等加重平均の考え方を採用しているといえます。
全ての銘柄の構成比を一定にすると、円グラフで表したときに美しく、直感的にもなんとなくバランスがいいよう感じがしますね(ピザ的な)
時価総額(≒企業の規模)に関係なく構成比率が決まるので、相対的に中小企業の比率が増えることで小型株効果が期待できます。
その一方、企業合併や企業分割があったりすると、元々の企業の構成比が大きく変動してしまいます。
企業の実態が変わらないのに構成比が変わってしまう可能性があるため、ちょっと違和感はありますね。
手動で〇〇10種のような均等加重ポートフォリオを組んでいる人は、その場合の方針について固めておきたいところですね。
また、構成比率を全て一定にするということは、相対的に不調な銘柄に資金が集まりやすくなるため逆張りの性質を持つことになります。
同じような理屈で、高配当銘柄や高自社株買い銘柄にも資金が集まりやすいです。
参考記事…時価総額加重平均における高配当銘柄の構成比率について
余談ですが、時価総額加重平均と異なり浮動株の影響を一切受けないのも特徴の1つです。
そんなの関係なく全部同じ割合にしますからね。
配当加重平均
今回紹介する3つの中では一番複雑といえる加重平均です。
企業が支払った配当金の総額を基準として、構成比率を決める方法です。
具体的な金融商品ではHDV・DLNなどが配当加重平均型指数に連動しています。
配当総額は時価総額×配当利回りで概算できますので、時価総額が同じなら配当利回りが高いほど、配当利回りが同じなら時価総額が大きいほど構成比率は高くなります。
時価総額加重と同じく、時価総額の大小が間接的に構成比率に影響するため、均等加重と違い小型株効果はあまり期待できません。
その一方、どれだけ時価総額が膨らんでも配当総額が変わらなければ構成比率も変わりません。
また、配当に基づいた加重平均であるため逆張りの方針ではありますが、均等加重ほどダイナミックなリバランスにはなりづらいです。
全体的に、加重平均と均等加重の中間の性質を持っているような印象です。
ただし大きな相違点としては、構造的に無配当銘柄が一切組み込まれないということです。
そもそも配当がゼロなら、構成比率もゼロになってしまいますからね。
配当加重の最も大きな特徴といってもよさそうです。
余談ですが、配当総額を基準にするため浮動株の影響はおそらく受けないと思われます(多分)
加重平均ごとの特徴まとめ
今回3つの加重平均について紹介しましたが、それぞれの特徴をまとめてみます。
〇時価総額加重
・時価総額を基準に構成比率を決定する
・リバランス等の調整が最小限で済む
・時価総額の小さい企業の比率は低くなる
・割高に評価された株式も多く組み込む
・浮動株調整の影響を受ける
〇均等加重
・すべての銘柄の比率を同じにする
・時価総額の小さい企業の比率が高くなる
・企業分割・合併時の挙動が不安定
・逆張りの性質が非常に強い
・浮動株の影響を受けない(確実)
〇配当加重
・配当総額を基準に構成比率を決定する
・時価総額の大小が間接的に反映される
・逆張りの性質が強い
・無配当株が一切組み込まれない
・浮動株の影響を受けない(多分)
それぞれ特徴がありますので、自分の方針に合った指数・運用を選んでいきたいですね。
あくまで基準は時価総額加重平均ですので、それに対しどのようなメリット・デメリットがあるかをしっかり考えていきましょう。
特に時価総額加重平均における割高な株式を多く組み込んでしまうという点に対するアプローチが最も重要といえます。
均等加重や配当加重などを採用することで、その弱点を補えると思うのであればスマートベータを採用すればよいですし、それ以上に市場の波にしっかり乗ることが大切だと考えるのであれば、時価総額加重な通常のインデックスファンドを採用すればよいというという感じですね。
ちなみにつみ次郎は、この中だとダントツで配当加重が好みです(笑)
でも低コストなファンドが少ないんだよなぁ…(泣)
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