生活必需品 | つみたて次郎の投資日記 https://siegeljiro.com シーゲル流×積立NISA×iDECO Sun, 10 May 2020 02:03:28 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.0.9 134557597 生活必需品セクターの矛盾 https://siegeljiro.com/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e5%bf%85%e9%9c%80%e5%93%81%e3%82%bb%e3%82%af%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%81%ae%e7%9f%9b%e7%9b%be https://siegeljiro.com/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e5%bf%85%e9%9c%80%e5%93%81%e3%82%bb%e3%82%af%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%81%ae%e7%9f%9b%e7%9b%be#respond Mon, 25 Sep 2017 06:00:28 +0000 http://siegeljiro.com/?p=862 シーゲル二郎です。

シーゲル流投資家に大人気なのが、生活必需品セクターに属する企業群です。安定高配当、リスクは低くリターンは高く最強かもしれません。米国配当貴族の中でも、最も高い割合で組み込まれています。もっとも、今までの最強がこれからの最強になるかは不明ですが。

生活必需品セクターは主に5つの業種に分かれており、次の通りです。

業種 主な海外企業 主な日本企業
食品 ネスレ 日清
飲料水 コカ・コーラ サントリー
日用品 P&G 花王
必需品小売 ウォルマート イオン
タバコ アルトリア JT

 

ここで突っ込みがあるかと思います。タバコは必需品じゃねぇと思った人は手を上げてください。ちなみに、飲料水の中には、ビールなどのアルコールも含まれています。

タバコやアルコールは、一般的には嗜好品とも呼ばれ、生活必需品の正反対です。もっと突っ込むと、ネスレのコーヒーもコカ・コーラも嗜好品です。日本ならパチンコも入りそうな勢いです(笑)

また、小売店は、日用品や生鮮食品を売るような企業は生活必需品、買い回り品を売るホームセンターなどは一般消費財に分類されています。境目は非常にあいまいです。

株式投資における生活必需品とは、生活の中で日々継続的に、不況であっても消費されるものという意味です。これらの企業は、不況にめっぽう強いです。景気が悪くても、コカ・コーラは売れます。つまり、どんな状況でも需要がある消費財という意味で使っています。

逆に、本来生活必需品かと思われている電化製品や自動車は、不況の時に買い控えが起きるので一般消費財セクターになっていますし、電気ガスなども別のセクターです。

株式投資における生活必需品とは、一般的に考えられている生活必需品とは全く別です。言葉に惑わされないようにしましょう。

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バンガード・米国生活必需品セクター(VDC)分析 https://siegeljiro.com/vdc-bunseki https://siegeljiro.com/vdc-bunseki#respond Mon, 25 Sep 2017 03:00:04 +0000 http://siegeljiro.com/?p=3066 シーゲル二郎です。

今回は、バンガード・米国生活必需品セクター(VDC)を分析していきます。

日本で最も人気のあるセクターETFです。

バンガード・米国生活必需品セクターETF (2017/3/31現在)

項目 データ
信託報酬 0.10%
銘柄数 103
PER 21.7倍
PBR 5.0倍
ROE 21.3倍
利益成長率 4.8%
売買回転率 6.4%
標準偏差 9.83%

 

生活必需品セクターは不況でも落ち込みにくいので、標準偏差は低めになっています。特別割高な感じではありませんが、PBRは5倍と高めです。

生活必需品セクターは、安定したキャッシュフローを担保とした長期借入金による自社株買いに積極的なので、必然と自己資本比率が低めになりがちです。

債務超過になるまで自社株買いをする狂った企業も存在しています。

参考記事「自社株買いの流行は資本主義の終焉か?

 

S&P500との比較です。圧倒的な強さですね。生活必需品セクターは、歴史的に高いリターンを得ており、過去10年間で見ても、市場平均よりリスクが低くてリターンが高いという素晴らしい成績を叩き出しています。

さすがに最近のトランプ相場では伸び悩んでいますが、それを踏まえても強すぎだと思います。リーマンショック後の回復局面でも、ほぼ市場平均並みの上昇スピードです。

このチャートに惚れてしまい、生活必需品セクターばかりに投資している人が多いです。

日本のシーゲル派投資家=生活必需品投資家といってもいいほど、シーゲル派にセクター別で人気№1です。

S&P500の中では生活必需品セクターは10%にも満たないですが、米国配当貴族指数では約25%を占めていて、セクター別で1番多いです。そのため、シーゲル二郎も生活必需品セクターへの投資ウェイトは大きいです。

 

生活必需品セクターが含まれる企業は、主に次の通りです。(2017/3/31現在)

業種 構成比率
家庭用品 18.6%
包装食品・肉 18.5%
清涼飲料 17.1%
スーパー 8.7%
その他 20.2%

 

その他には、アルコール、ドラッグストアなどが入っていますが、大体上の5分類に収まりそうな業種ばかりです。

BtoC企業ばかりで、バフェット氏が好んで選びそうな企業たちです。

上位10銘柄は、次の通りです。

順位 会社名 構成比率
1位 プロクター&ギャンブル 10.7%
2位 コカ・コーラ 7.9%
3位 フィリップモリス・インターナショナル 7.9%
4位 ペプシコ 7.2%
5位 アルトリアグループ 6.2%
6位 ウォルマート・ストアーズ 5.0%
7位 CVSヘルス 3.6%
8位 コストコ・ホールセール 3.6%
9位 ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス 3.5%
10位 モンデリーズ・インターナショナル 3.3%
上位10銘柄合計 58.9%

 

この10銘柄でポートフォリオを組んでも市場平均に勝てそう(シーゲル先生に毒された人)

トップ10まで長期投資に耐えうる優良銘柄しかありません。この表にあるもの以外にも、ケロッグ(K)、レイノルズ・アメリカン(RAI)などの超優良銘柄がゴロゴロ眠っています。

 

 

バフェット派、シーゲル派の条件をほぼ完ぺきに満たす生活必需品セクターは今後とも投資家に卓越したリターンをもたらすとわたしはみている。(シーゲル先生風)

バフェット派の条件
・BtoCで消費者に近い
・ビジネスモデルが単純明快
・高収益で財政状況抜群
・消費者独占企業
・オールドエコノミー(先頭を走る亀)

シーゲル派の条件
・不況でも減配しない
・高配当
・高い株主還元
・設備投資不要
・永続する企業

これは独占禁止法に抵触しますね(笑)

長期投資における条件をこれでもかというくらいクリアしており、気持ち悪いです。米国市場の長期リターンで高い成績を残した20銘柄のうち、11銘柄が生活必需品セクターだっというデータもあり、過去・現在のどちらを考慮しても非の打ちどころがありません。

シーゲル氏の著書では、運用成績の良かった銘柄を黄金銘柄(コーポレート・エルラルド)と呼んでおり、これらをうまく拾い出せば、ポートフォリオの成績は大幅に変わってくると説かれています。

そのため、シーゲル派投資家の多くは、自分のポートフォリオには黄金が眠っていると思い込んでいます。

しかし黄金は、みんなが知らない場所から見つかることが多いです。

生活必需品セクターが今後も市場平均を超える可能性はそこそこあると思いますが、生活必需品セクター企業の中に、「末来の黄金銘柄」が含まれている可能性は低いと思っています。

ジェレミー・シーゲル氏の、次の言葉で締めたいと思います。(引用元:株式投資の未来)

 

生活必需品セクターの過去半世紀の成績が、一般消費財セクターを上回ろうとは、だれが予想しただろう。

参考記事「XLP vs VDC

 

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クラフト・ハインツ(KHC)分析 https://siegeljiro.com/khc-bunseki https://siegeljiro.com/khc-bunseki#respond Sat, 16 Sep 2017 02:00:19 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2619 クソダサいパクリ系投信ブロガーのシーゲル二郎です。

今回は、クラフト・ハインツ(KHC)を分析していきます。

最近合併で誕生した、超巨大食料品メーカーです。

 

連続増配…1年

S&P格付…BBB-

採用インデックス
・S&P100
・S&P500

 

かのバフェット氏がCEOを勤めるバークシャーハサウェイ社の傘下だったハインツが、クラフトフーズと合併して2015年に誕生しました。これにより、バークシャーハサウェイの保有株の中で最も割合が高くなり、約20%を占めています。

そのため、バフェット銘柄として信者含め大きく注目を浴びている企業です。

 

クラフトフーズは、チーズ類に強みを持ち、加工食品や冷凍食品事業が中心です。左側の粉チーズ「クラフト」は、スーパーや飲食店でよく見かけると思います。

ハインツは、ケチャップのイメージが強いですが、その他調味料でも多くの国でトップシェアを握っており、地域に合わせたグローカルな事業展開を得意としています。右側の逆さボトルは、超有名ですね。

 

合併の片割れであるクラフトフーズの歴史をたどると、もともとはアルトリアグループ(MO)というタバコ企業の傘下に入っていましたが、2007年にスピンオフされました。

その後2012年には、北米事業をクラフトフーズ、北米外事業をモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)として2つに分けました。

そのため、合併前のクラフトフーズはほぼ米国内でのみ事業展開をしていました。その反面、ハインツは売上の大半が米国外のグローバル企業だったので、ハインツの販売網をいかしてクラフトフーズのチーズなどを海外にばらまいてやろうという魂胆がありました。

とはいっても、クラフトフーズは食料品が中心で、モンデリーズはリッツやオレオなどのお菓子類が中心なので、かつての仲間同士の悲しい争いは起きないでしょう。

 

クラフトがほぼ米国内専門だったので、合併後も米国の割合は高めです。とはいえ、今後は海外展開に積極的なので、今後は海外売上比率も伸びていくでしょう。

 

合併は2015年以前は、クラフトフーズ単体のデータです。2012年にモンデリーズと分離していて、2015年はハインツと合併しており、今後のデータを予想するには不十分です。ディフェンシブ性を求めて投資する人にはオススメできません。

 

営業CFマージンは、直近では20%ほどです。合併前は20%を超えることはなかったので、ハインツの実力に引っ張られて収益性は上がっているようです。とはいえ、合併して間もないので、数字をもとに投資をするのは早計です。

 

全く参考になりませんね。

 

合併後は自己資本比率が大きく改善しています。とはいえ、今後も他業種の買収を虎視眈々と狙っていることや、バフェット氏が自社株買い好きなことを考えれば、今後はどんどん低下していくと思われます。

ROEは参考になりませんね。

 

現時点情報(2017/9/15)

株価…81.43ドル
予想PER…23.96倍
配当利回り…3.07%
連続増配…1年

データはが合併した2015年以降のみなので注意。2017年2月には、英ユニリーバの買収を発表し、投資家を驚かせました。同業種の買収は予想されていましたが、まさか自分より大きいユニリーバとはだれも思っていなかったようです。ユニリーバ(UL)は超大型株ですが、この発表で株価が10%も上がるお祭り騒ぎになりました。

通常大きな買収計画を発表した時は、合併される側が上昇するのはよくありますが、合併する側は下がることが多いです。基本的に優良企業を買収するときは、買収される側が有利に交渉できる場合が多く、買収額を上乗せされてしまうからです。ユニリーバほどの有名企業ならなおさらです。

しかし、なぜか買収する側のクラフト・ハインツも上昇しています。バフェット銘柄なので、合併後の成長が期待されたのかもしれませんね。

しかし、ユニリーバの抵抗もあり、公表後2日目で撤回を発表しています。

配当利回りは3%を超えており、十分な水準です。とはいえ、連続増配実績はないに等しいので、配当金目当てで買うような銘柄ではないので注意してください。

バフェット銘柄でポートフォリオの比率が№1なので、嫌でも注目を浴びる企業です。

合併後のデータが少ないので、過去の業績から投資判断を下すのが難しいです。かつてのIBMのように、「バフェットが持っているから」という温い理由で保有すると、痛い目を見るかもしれません。

バフェット氏率いる持ち株会社バークシャーハサウェイは、投資会社の3Gキャピタルと約5,000億円ずつ出し合い、2013年にハインツを買収しています。そのため、各社ハインツ株式の約25%を支配していました。

そして今回の合併の際に、クラフト側の株主への調整として、各社約6,000億円くらいの投資金額を用意したようです。

合併後のクラフト・ハインツ全体でも各社25%ずつ割り当てられました。

クラフト・ハインツの時価総額は、合併当初約12兆円近くありましたので、その25%というと、3兆円弱です。しかし、各社が投じた金額は、各社1.1兆円ほどです。最初にハインツを買収した時に非上場となっているので、あくまで推測にすぎませんが、莫大なリターンを得たことは間違いなさそうです。

事業規模としてはクラフトの方が大きな企業でしたが、合併後の割り当てはほぼ半分ずつだったので、クラフトの株主にとっては割に合わない合併だったといわれています。

利益の大きさ云々というよりは、すでにバークシャーハサウェイはクラフト・ハインツで大きなリターンを得ている所に注目です。クラフト・ハインツは、今までは利益を生み出すドル箱でしたが、今後保有する人にとってドル箱になるかは不明です。

これは、同じくバフェット銘柄の1つである、コカ・コーラ(KO)も同じです。コカ・コーラも、バークシャーハサウェイの多大なる利益に貢献した優良銘柄の1つですが、最近の株価は冴えません。しかし、大きな含み益を抱えているので、売りづらい状況になっています。

バフェット氏にとってはこのまま売却して多額の税金を取られるよりも、配当金マシーンとして手元に置いておいたほうがいいのです。(シーゲル二郎の推測にすぎませんが)

同じように、このクラフト・ハインツも、すでに大きな役目を終えた株なのかもしれません。今後の配当金を上げていけば、このまま保有しても十分なメリットになります。

これから保有する人は、含み益なんて関係ないので、バフェット氏のマネして保有してもバフェット氏以上のメリットを得ることはできないことに注意してください。バフェット氏が持っているからという理由だけで保有する温い投資家のせいで、適正な値段がついていない可能性も十分ありますからね。

バフェット氏の投資手腕を信じるなら、バークシャーハサウェイ(BRK.B)株を保有するほうが間違いないですよ。

参考記事「税金を甘く見るな!

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モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)分析 https://siegeljiro.com/mdlz-bunseki https://siegeljiro.com/mdlz-bunseki#respond Fri, 15 Sep 2017 08:00:18 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2565 シーゲル二郎です。

今回は、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)を分析していきます。

世界的お菓子メーカーです。

 

連続増配…3年

S&P格付…BBB

採用インデックス
・S&P100
・S&P500

 

社名はなじみがないと思いますが、ナビスコと聞けばピンとくるのではないでしょうか。クラッカーの「リッツ」や、クッキーの「オレオ」などの有名ブランドを保有しています。

企業ができた事情は複雑です。まず、タバコ企業のアルトリアグループ(MO)の傘下であった食品企業のクラフトフーズが2007年スピンオフされ、その後2012年に米国内事業と米国外事情に分離した時の、米国外のほうがモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)です。

クラフトフーズは北米内事業が中心で、粉チーズなどが有名です。お菓子ではなく加工食品が中心のメーカーです。ですが、こちらは2015年にケチャップで有名なハインツと合併してしまい、社名はクラフト・ハインツ(KHC)となりました。

そのため、米国での販売がメインだったクラフトフーズも海外展開するような流れになっています(笑)

つい最近までは、日本企業の山崎とライセンス契約を結び、「山崎ナビスコ」という日本法人を通じて製造していました。2016年8月で契約終了となり、現在はモンデリーズ社で直接製造されたお菓子が輸入されています。

それに伴い山崎ナビスコは「山崎ビスケット」に社名変更となり、現在は独自に商品を製造開発しています。

 

出典「ロケットニュース24

左側の「リッツ」がモンデリーズ社で製造されているもので、ナビスコの記載があります。

右側の「ルヴァン」が、契約終了後に開発されたパチモンです。形が丸から四角になっており、大人の事情を醸し出しています。

リッツは今まで山崎が製造していたので、日本製だったのですが、現在はモンデリーズが直接製造したものを輸入しているので、インドネシア製となっています。そのため、山崎の流通力のおかげかリッツよりルヴァンのほうが売れているようです。

現在はCMでも従来のリッツパーティーと、新星ルヴァンパーティーが入り乱れています(笑)

シーゲル二郎の予想では、ナビスコやリッツブランドには勝てないだろうと思っていたのですが、意外な結果でした。日本人は何よりも国産を選ぶんですね(泣)

ちなみにシーゲル二郎はリッツのチーズサンドが好きです(聞いてない)

 

リッツ以外にも、様々なお菓子を販売しております。

種類 ブランド
クラッカー リッツ、プレミアム
ビスケット オレオ
ガム クロレッツ、トライデント
アメ キシリクリスタル

 

超特殊市場の日本でも馴染み深いものばかりですね。同じスナック会社のペプシコ(PEP)とは大違いです。

 

クラフトフーズの国際部門が分離してできた企業なので、海外展開は抜群です。扱っている商品も、クラッカーやビスケットなどは世界共通で受け入れられるものばかりです。

 

2015年の増益は、コーヒー事業をオランダのDEマスター・ブレンダーズ1753社と統合させたことによる一時的なものかと思います。

2016年の減収は、ベネズエラの通貨切り下げによる影響が響いているようです。米国外売上が大きいので、為替の影響を受けやすく、ドル高の影響で売り上げは減少中です。

 

営業CFマージンは10%ほどで、収益性は低いです。また、投資CFも同業種と比べると非常に多いです。生活必需品セクターでは、営業CFマージン20%越えも普通であり、投資CFも少ない傾向にあります。

比べてしまうと、かなり劣っているように見えます。

 

2015年と2016年の凸凹はコーヒー事業統合によるものなので、一時的なものです。2012年にクラフトフーズと分離しているため、配当金はそれ以降を見れば十分です。

企業の成り立ちは比較的新しい企業なので、今後の動向に注目です。

 

自己資本比率は40%もあり、生活必需品セクターとしては非常に高いです。低利益率なことも踏まえると、モンデリーズはまだ成長途中の段階にある企業といえます。

そういった意味では、ルーツが同じのクラフト・ハインツに似ていますね。多くの生活必需品セクター企業は成長が止まった企業ばかりなので、選択肢としては貴重です。

 

現時点情報(2017/9/15)

株価…40.68ドル
予想PER…21.73倍
配当利回り…2.14%
連続増配…3年

2013年はクラフトフーズとの分離です。業種の割には株価がブレブレです。配当利回りも2%強しかなく、高配当が多い生活必需品セクターとしては珍しいです。

業績の割にはPERは高めに出ており、そこそこの期待がされているように見えます。

 

モンデリーズは、特徴が尖っている企業といえます。企業のルーツをたどると老舗企業ですが、アルトリアからの分離、クラフトフーズからの分離と、企業構造が大きく変化しています。

また、元国際部門担当であるため、海外売上比率が非常に高いです。為替相場に振り回されるので、ボラティリティは高めであり、成長途中なので配当金も低めです。

そのため、生活必需品セクターの中ではかなり下に見られることが多いかわいそうな子です。配当暮らしの人にはもちろん、シーゲル派からも避けられがちです。

事業内容は非常に魅力的ですが、安定性やバリュエーションはあまり魅力的とはいえません。投資の判断は難しい企業になると思います。

とはいえ、不人気な要素も高リターンの一要因にすぎないので、安定して黒字を出している間は楽観視してもいいと思います。

また、お菓子は生活必需品すぎない消費財の典型的な部分なので、今後の成長も期待できるかと思います。

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アルトリアグループ(MO)分析 https://siegeljiro.com/mo-bunseki https://siegeljiro.com/mo-bunseki#respond Thu, 14 Sep 2017 08:00:04 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2532 シーゲル二郎です。

今回は、アルトリアグループ(MO)を分析していきます。

米国1位のタバコ企業です。

 

連続増配…47年

S&P格付…A-

採用インデックス
・S&P500

 

世界的たばこメーカーですが、日本ではあまり聞かない名前かもしれません。フィリップモリスと聞けばピンと来る人もいるのではないでしょうか。両方とも元は同じ会社です。

最初の社名はフリップモリスで、2003年にアルトリアグループ(MO)と社名変更をしました。その後、2008年に海外事業部門をスピンオフして誕生したのがフィリップモリス・インターナショナル(PM)です。そのため、このアルトリアグループは、米国内事業のみを担当しています。

過去の米国市場で最もリターンが高かった銘柄はフィリップモリスといわれていますが、現在のフリップモリスのことではなく、アルトリア+フィリップモリスのことを指しています。

アルトリアグループは、タバコ以外にワイン事業にも参入しています。もともとは、食品加工メーカーのクラフトフーズ(現在はクラフト・ハインツ)を保有していましたが、2007年に売却しています。ビール会社のSABミラー社も保有していましたが、2016年にビール最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)に売却しています。

そのため、事業内容はほぼタバコのみといってもさしつかえありません。タバコ業界は複雑怪奇なので、詳しくはフィリップモリス・インターナショナル(PM)分析を見てください。

 

アルトリアは米国市場のみの担当ですが、シェアは50%近くを支配しています。残りの大部分は、レイノルズ・アメリカン(RAI)が占めており、2社で8割以上を埋める寡占市場となっています。ちなみにレイノルズ・アメリカンは、世界シェア2位のブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)による買収が決定しています。

タバコ業界は衰退産業なので、大手企業が中小企業を吸収して巨大化する動きが顕著です。現在は、アルトリア&フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、日本たばこ産業の3社がひしめく三国志みたいな状態です。

 

2007年からの激減は、海外部門フィリップモリスを分離したからです。2016年の純利益爆増は、傘下のSABミラー社の売却した関係かと思われます。それを除けば純利益は横ばいで美しいです。

 

営業CFマージンは20~30%でぶれていますが、買収や分離のイザコザなので問題ないでしょう。特筆すべきは投資CFの少なさで、営業CF≒フリーCFとなっております。もともとタバコ企業は設備投資が不要なことで有名ですが、アルトリアは海外展開をしておらず、米国でも既に天下を取ってしまっているので、やるべきことがありません。

一応タバコも製造業ですが、ボロ儲け過ぎて何も言うことはありません。

 

2007年はフィリップモリス分離、2016年はSABミラー売却です。配当性向は高いですが、EPSも緩やかに上昇しています。全体的な販売数は増えていませんが、値上げによる利益改善や、コストカットにより実現されています。

また、他のタバコ企業同様、長期借入金による自社株買いに積極的です。

 

直近の自己資本比率は27.8%であり、フィリップモリスの-34.43%と違って債務超過ではありません。とはいえ、SABミラー社の一時的な売却益によるもので、通常時は10%を切っており非常に低いです。

安定したフリーCFを担保にした危険な財務状況には変わりません。事業が安定している分、レバレッジをかけてハイリスクハイリターンを目指す方針です。

 

現時点情報(2017/9/14)

株価…62.51ドル
予想PER…18.83倍
配当利回り…4.22%
連続増配…47年

2008年の断崖絶壁はフィリップモリス分離です。(3回目)

配当利回りは4%越えと高配当ですが、配当性向が高いからです。PERは19倍ほどと、割安とは言えないでしょう。

シーゲル派大好きタバコセクターということで、素晴らしいグラフを見せてくれました。タバコは中毒性が高いので、値上げしても消費者がついてきます。

また、広告を派手に行うことができず、アルトリアの場合は海外展開もできないので、やるべきことが非常に限られています。せいぜい今はやりの電子タバコの「iQOS」の研究開発をすることしかありません。

そのため、バフェット氏がいう「経営者がおろかでも問題ない企業」の代表格といえるでしょう。だってやることないもん。

設備投資は、シーゲル氏いわく「資本を食う豚」であり、リターンを押し下げてきました。そのため、設備投資とリターンは逆相関するというデータもあります。

そのため、何もしないで稼ぐことができるアルトリアグループは、長期投資に向いています。

しかし、今後も高いリターンをもたらすかは不明です。フリップモリスよりはマシとはいえ、配当利回り4.2%は、今後の成長性を考えるとあまりに低すぎます。せめて5%は欲しいのではないでしょうか。

米国内で既に大きなシェアを持っているので、オーガニックな成長は期待できません。高いリターンを得る可能性も低いと思っています。

現在は株価も安定していて鉄壁ですが、訴訟リスクという爆弾を抱えていることを忘れてはいけません。安定高配当だと思って投資するような銘柄ではないと思っています。

 

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フィリップモリス・インターナショナル(PM)分析 https://siegeljiro.com/pm-bunseki https://siegeljiro.com/pm-bunseki#respond Thu, 14 Sep 2017 03:00:30 +0000 http://siegeljiro.com/?p=2517 シーゲル二郎です。

今回は、フィリップモリス・インターナショナル(PM)を分析していきます。

多国籍タバコ企業でシェア1位です。「マルボロ」や「iQOS」が有名です。

 

連続増配…9年

S&P格付…A

採用インデックス
・S&Pグローバル100
・S&P500

 

タバコを吸う人ならご存知の企業かと思います。シーゲル二郎は投資の勉強中に始めて知りました。

世界№1のタバコブランド「マルボロ」を保有しており、その他多くの銘柄を保有しています。もともとは現在のアルトリアグループ(MO)と同じ会社でした。2008年に、国際部門をスピンオフされて誕生したのが現在のフィリップモリス・インターナショナルです。

そのため、アルトリアは米国内売上100%、このフィリップモリスは米国外売上100%と、棲み分けがされています。そのため、販売するブランドはどちらも同じです。

2つに分けた主な理由は、米国での訴訟リスクを抑えるためです。ダイナミックな企業戦略ですね。

タバコ業界は事情が複雑なので、まずは各企業を紹介します。

 

フィリップモリス・インターナショナル(PM)…世界№1ブランド「マルボロ」を保有。米国シェア1位で、海外展開もしていたが、米国内での訴訟が怖いので、米国内事業は下のMOとして分離した。そのため米国外売上比率100%

アルトリアグループ(MO)…上のPMから分離した米国内部門。当たり前だが「マルボロ」もちゃんと売ってる。米国内売上比率100%。

レイノルズ・アメリカン(RAI)…上記に次ぎ米国内では2位のシェア。ほぼ米国内でしか展開していない。近いうちにBTIに買収される予定。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)…米国ではやる気がないが、それ以外では高いシェアを誇る。米国内にも手を出したかったので、RAI株を保有して子会社にしていた。だけど物足りなくなり完全に買収することが決定した。

JT(日本たばこ産業)…ちゃっかり世界シェア3位。売り上げの半分は日本で、残り半分は海外。米国では訴訟リスクとかなんちゃらがあってほとんど売ってない。

中国煙草総公司…上記に負けず劣らず名前がかっこいい、中国のタバコ会社。中国ではタバコは専売制であり、この会社しか売ることができない。中国内でしか販売していないが、中国人はタバコ大好きのため、世界シェアの半分を占める。上の4つが束になっても勝てない。

 

勢力別に色分けしました。同じ色は仲間みたいなもんです。世界シェアの半分が中国であり、中国煙草公司しか売ることができないということと、米国内と米国外で全く違う事情があるということを抑えてください。

 

 

 

出典「Philip Morris International」

米国中国を除いた世界シェア一覧です。米国はJTとフィリップモリスが参入していないこと、中国は専売制なので競争にならないという理由で省いています。グラフに出ているBATはブリティッシュ・アメリカン・タバコのことです。ティッカーはBTIですが、社名の略はBATなので注意してください。

上位3社ので7割近くを占めている寡占市場です。タバコ業界は新興国では成長産業ですが、多くの先進国では人口減少や健康意識の高まりにより衰退産業に分類されています。そのため、各社買収による事業拡大がさかんです。

タバコは政府による規制が多く、広告を派手に行うことができません。また、お気に入りのブランドはなかなか変わらないので、固定客が非常に多いです。そのため、この勢力図は簡単には動きません。トップのフィリップモリスはもちろん、BATやJTも安泰でしょう。

 

出典「Philip Morris International」

世界のタバコブランドランキングです。一番左のものがマルボロであり、圧倒的首位です。2位は日本たばこ産業(JT)が保有する「ウィンストン」ブランドです。1位のマルボロは2位に2倍近くの差をつけており、いかにマルボロが一人勝ちしているかが分かります。

上位15ブランドのうち、6つを保有しており、業界№1の実力は本物です。

 

また、従来の紙巻タバコだけでなく、電子タバコの開発にも各社注力しています。

企業名 電子タバコ
フィリップモリス&アルトリア iQOS(アイコス)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ glo(グロー)
JT(日本たばこ産業) プルームテック

 

電子タバコには、ニコチンが含まれない禁煙治療目的のものと、ニコチンが含まれる紙巻タバコの代用品としてのものがあります。今話題になっているiQOSなどは、ニコチンが含まれるものです。

つまり、紙巻タバコそのものが、将来的には電子タバコに置き換えられる可能性もありえます。2050年ごろには、電子タバコが主流になるのではという予想もあり、成長産業です。これらのニコチン入り電子タバコは、受動喫煙による周囲への被害が少ないため、非喫煙者が多い先進国での普及が期待できそうです。

 

地域別では、もちろん米国は含まれておらず、海外売上比率100%です。そのため、通貨分散としては非常に優秀ですが、ドル高の影響は大きいです。

 

タバコは嗜好品ですが、依存性が高いので不況でも買われ続けます。売上の安定性も驚きですが、利益率がおかしいです。

 

美しすぎる。営業CFマージンは30%前後で推移しており超超高収益です。紙巻タバコの製造には特別な設備投資も不要なので、投資CFも非常に少ないです。お金を刷っているような事業です。

 

2008年に分離して誕生した企業なので、ちょうど最初からありますね。配当性向は100%に近付いており、儲けをそのまま配当金として渡しています。設備投資不要、高収益、高配当、低成長とシーゲル流の理想ともいえる企業です。

 

過去最高のクレイジーなグラフです。2012年から債務超過に陥っています。グラフだと見えずらいですが、直近の自己資本比率は-34.43%で、資産より負債が大きく超過しています。通常の企業なら倒産待ったなしですが、安定したフリーCFがあるフィリップモリスだから許される財務状況です。

生活必需品セクターでは、マクドナルド(MCD)コルゲート・パルモリーブ(CL)なども債務超過ですが、これらはギリギリ負債が資産を超えるようなレベルなので、フリップモリスはとんでもない綱渡りをしているともいえます。

現在の低金利を生かして借金して自社株買いをするのが流行していますが、フィリップモリスはもともと儲けをほとんど配当金として払っているので、自社株買いの原資はほぼ借金からということです。

 

現時点情報(2017/9/14)

株価…116.86ドル
予想PER…24.07倍
配当利回り…3.65%
連続増配…9年

高配当バリュー株の代名詞でしたが、ここまで上がるとバリューでもないです。配当性向を考えると、配当余力も少なく、高配当という肩書も消えてしまいそうです。

 

株価を考えなければ、これほどシーゲル派に相応しい銘柄はありません。何を隠そうこのフィリップモリスは、過去の米国株の中で断トツ1位のリターンを叩き出しています。厳密には、アルトリアと分社化する前のフィリップモリスがですが。

1957年~2003年におけるS&P500のリターンは、年利10.85%でした。(これも十分すごいけど)19.8

186.2フィリップモリスは、年利19.75%を叩き出しており、圧倒的です。それほど大きな差に見えませんが、長期投資では大きな差です。

仮に、長期投資の目安である30年間保有し続けた場合のトータルリターンを考えてみます。

 

投資して30年間配当金再投資を続けていたら最初の資金が…

・S&P500・・・19.8倍

・フィリップモリス・・・186.2倍

 

最終的には10倍近い差が生まれました。フィリップモリスに長期投資した人は、莫大なリターンを得ることができました。とはいえ、フィリップモリスの歴史の中では、訴訟で敗北、値下げで株価暴落といったさまざまな悪材料により、投資家から見放される場面が多くありました。

これらの誰もが見捨てたときでも保有し、なおかつ配当金を再投資するというのは、通常の精神力では不可能です。また、現在でこそフィリップモリスは世界トップですが、もともとは米国6位の弱小タバコメーカーでした。

フィリップモリスで最高のリターンを得ることができた投資家は、ほんのわずかだったと思います。

 

シーゲル派から莫大な人気を誇り、アルトリア共々バフェット太郎10種にも選ばれている超優良企業ですが、今後高いリターンをもたらすかは分かりません。フィリップモリスの過去と現在を比較すると、次の通りです。

 

1957~2013年平均 2017/9/14現在
PER 13.13倍 24.07倍
配当利回り 4.07% 3.65%
配当性向 約52% 約88%
米国シェア 6位→1位 1位→?位

 

フィリップモリスが高いリターンをもたらした理由は、低い期待と高い成長です。現在は、業界1位であることもあってPERは24倍と高めに出ています。つまり、投資家から見放されているような銘柄ではないということです。

また、いくら電子タバコがあるからといって、しばらくは紙巻タバコが主流であることには変わりがないし、全体で見れば衰退企業であることは間違いありません。過去のような高いリターンを得ることは不可能ということです。

現在のEPS成長も、長期借入金による自社株買いによるもの部分が大きく、債務超過で続けていくのは大きなリスクになります。

もちろん、現在でも高収益で株主還元に積極的なので、シーゲル派の最低条件は満たしています。ただ、期待が低くはない以上、高いリターンをもたらすことは不可能です。せいぜいうまくいっても、市場平均を少し超えるくらいが関の山です。

この部分はバフェット太郎氏も理解した上でフリップモリスとアルトリアに投資をしています。

つまり、もし過去のリターンを期待してタバコセクターに投資しているなら、とっととぶん投げたほうがいいです。過去から学ぶことはできても、過去と同じことが起きることは2度とありません。

現在は株価変動が緩やかなディフェンシブ株として君臨していますが、もともとは株価変動も大きい株でした。今後の社会情勢によっては、ジェットコースターのように変動する可能性も十分高い銘柄です。

「株価が安定して高配当で、リターンも高い」なんて都合のいい銘柄は存在しませんから、保有者は油断せずに当金再投資を続けてください。

参考記事「IBM VS フィリップモリス

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ブラウンフォーマン(BF.B)分析 https://siegeljiro.com/%e3%83%96%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%b3%ef%bc%88bf-b%ef%bc%89%e5%88%86%e6%9e%90 https://siegeljiro.com/%e3%83%96%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%b3%ef%bc%88bf-b%ef%bc%89%e5%88%86%e6%9e%90#respond Tue, 29 Aug 2017 05:56:31 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1047 シーゲル二郎です。

今回は、ブラウンフォーマン(BF.B)を分析していきます。

ディスプレイにゴミはついていません。ウイスキーが有名な酒類メーカーです。

 

連続増配…34年

S&P格付…A-

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

ティッカーがBF.Bとなっており、クラスBの株式です。BF.Aも上場していますが、何が違うのか理解できませんでした(泣)

企業分析には影響ないのでこのまま進めます。

ブラウンフォーマンは、世界第5位の蒸留酒メーカーです。米国では、ウイスキーのトップシェアを握っており、「ジャックダニエル」というブランドが有名らしいです(適当)

他にも25を超えるブランドを保有しており、日本ではアサヒビールが販売権を持っています。

シーゲル二郎にとって、ウイスキーは「コーラで薄める茶色い液体」という認識しかないので興味ありません。

世界を股にかける多国籍企業です。事業規模は決して大きくありませんが、お酒は気に入ったブランドを飲み続けることが多いので、安心できます。

 

利益率も高く安定していて、素晴らしいグラフです。売上も微妙ながら右肩上がりです。世界の人口増加とともに伸び続けるでしょう。

 

営業CFは15%~20%で十分高いですが、業種を考えるとも少し物足りないです。同じ味を守るのがブランドにつながるので、投資CFは非常に少なく、莫大なフリーCFを生み出しています。横ばいで非常に安定的です。

 

素晴らしいです。利益と配当の伸びが比例しており、無理なく連続増配できる土壌が整っています。配当性向も50%を切っており、全く問題ありません。

 

自己資本比率が下がっていますが、フリーCFが安定しているため事業が傾くことはないでしょう。

 

 

※事情でチャート図を用意できませんでした。

現時点報(2017/8/29)

株価…50.04ドル
PER…29.24倍
配当利回り…1.46%
連続増配…34年

割高。低配当。以上。

 

 

生活必需品セクターに分類される企業で、業績は非常に安定しています。お酒は一度気に入ったブランドがずっと飲まれるので、ブランド価値を維持することで利益を上げ続けることができます。また、下手に改良を重ねるよりも、昔ながらの固定ファンを大切にするほうが有効だったりします。そのため、投資CFも非常に少なくて済みます。

ノンアルコール飲料と比べると、リーマンの懐具合で消費量が変わりますが、不況でも売上が落ちにくいことに変わりはありません。

期待以上の優良企業でしたが、PERは30倍近く、配当利回りも1.5%を切っており、グロース株並です。少し様子を見たほうがいいのではないでしょうか。

業績自体はピカピカの眩しい貴族で間違いありません。

 

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シスコ(SYY)分析 https://siegeljiro.com/syy-bunseki https://siegeljiro.com/syy-bunseki#respond Tue, 29 Aug 2017 04:45:23 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1041 シーゲル二郎です。

今回は、シスコ(SYY)を分析していきます。

全米最大の業務用食品販売会社です。レストランやホテルに食材を卸しているようです。

 

連続増配…47年

S&P格付…BBB+

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

米国のBtoBが中心の食品卸売企業です。事業の6割がレストラン向けで、その他もホテル、学校、病院が主な顧客です。事業内容は素晴らしいほど地味です。

NYダウ採用のIT企業、シスコシステムズ(CSCO)と間違われやすいかわいそうな企業です。検索すると違うシスコばかりでてくるので、データをまとめるのに苦労しました。

 

流通業なので、ほぼ米国に偏っています。その他が11%もあるのが逆に驚きました。どうせカナダやメキシコでしょうけど。

 

利益率は非常に低いですが、安定して売り上げを伸ばしています。直近10年では赤字はなく、安定感はあります。来年も増益が見込まれています。

 

投資CFのぶれはありますが、安定してフリーCFを生み出せており、優秀です。営業CFマージンは4%弱と非常に低いです。

 

2015年は配当性向が100%を超えています。直近では配当性向も上がっていますが、来年は増益が予想されており、問題ないでしょう。

 

直近では自社株買いの影響か、自己資本比率が急激に下がっています。安定したフリーCFを生み出せているので、大丈夫かと思います。

 

現時点情報(2017/8/29)

株価…52.14ドル
配当利回り…2.53%
PER…25.05倍
連続増…47年

PERは25倍越えで、割安とはいえません。配当利回りも、増配余力が少ない割には2.5%と物足りないです。

業務内容は地味だけど、ずっと黒字を出し続ける。配当貴族らしい銘柄です。もう少しで配当王ですが、問題なく王の道を進みそうです。事業内容が米国内に偏っているのが気に入りませんが、それ以外は優良でした。

他の企業でもそうですが、利益率が低い事業は儲かりにくいので、ライバルが少ないです。そのため、連続増配企業の中にも、利益率が低い企業が結構多い気がします。このシスコもその典型ですが、やはり地味な企業への投資は報われやすいのですかね。

期待していなかった分、良い企業だと分かってよかったです。一人の民としてお詫び申し上げます。

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アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)分析 https://siegeljiro.com/adm-bunseki https://siegeljiro.com/adm-bunseki#respond Tue, 29 Aug 2017 04:17:00 +0000 http://siegeljiro.com/?p=1021 シーゲル二郎です。

今回は、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)を分析していきます。

世界五大穀物メジャーの1つであり、大豆・トウモロコシなどの流通を司る企業です。

 

連続増配…42年

S&P格付…A

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

世界五大穀物メジャーの一角で、メンバーは次の通りです。(世界シェア順)

・カーギル
・アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
・ブンケ
・丸紅
・ルイ・ドレイファス・コモディティーズ
・グレンコア

五大といいつつ6つあります。4番目の丸紅は、日本の商社丸紅が、米メジャーのガビロン社を買収したためです。なので、本来は丸紅を除いた5つで五大メジャーが正式ですが、せっかくなので混ぜてあげました。

トップは非公開企業のカーギルで、2位がADMです。この2つは別に二大穀物メジャーと呼ばれたりもします。しかし、突出して大きいわけではなく、上記の6つに大きな差はありません。

穀物メジャーの仕事は、各国の農家から大豆・トウモロコシなどの穀物を集め、必要としている人に受け渡す業務です。いわゆる卸売業ですね。

農家は各国にたくさんいるので、バラバラでは欲しい人も探すのが大変です。また、穀物は重く、バカでかい船を使って輸送するので、まとまった量が揃わないと、輸送費コストも多くかかってしまいます。

そこを調整するのが、穀物メジャーの役割です。ADMの場合は、バイオ燃料の取扱いもしているようです。

事業としては、いかに安く穀物を集め、高い時期に売るかにかかっているので、商品価格に業績が大きく左右されます。

 

世界中に穀物をばらまいているので、こんな感じです。

 

過去最長の縦長具合。商品価格に利益が左右される中、純利益は安定してプラスを出し続けることができています。どこぞの石油企業とは大違いです。

 

ひでぇ。普通にフリーCFマイナスもあります。営業CFもばらついており、汚いです。営業CFマージンは-5%~6%と、全く安定していないうえに超低いです。

 

反して利益と配当は安定的です。逆に不安になります。配当性向も、ここ数年で上がっており、不安な水準です。

 

ROEが下がってきています。今後は増益が見込まれるので、改善されそうです。自己資本比率は常に一定で、財政管理は徹底されています。

 

現時点情報(2017/8/29)

株価…41.77ドル
配当利回り…3.06%
PER…17.62倍
連続増配…42年

各種指数は割安です。しかし、業績の変動が激しく、シーゲル二郎にはお買い得なのか不明です。

期待していませんでしたが、期待通りの問題児でした。利益が意外と安定しているのは驚きましたが、フリーCFが不安定であり、シーゲル派としては見逃せません。

ADMは生活必需品セクターなのですが、各データからは生活必需品の要素が全く見当たりません。

もちろん、穀物は生きていくために必要な必需品ですが、天候や取れ高によって価格が左右されてしまうので、安定的なビジネスモデルではありません。

とはいえ、穀物という人間の大事な部分を抑えているのは、数字には出てこない魅力があります。シーゲル二郎は、世界を支配する多国籍企業が欲しいため、穀物メジャーのような企業は非常に興味があります。

ビジネスモデルは不安定でも、配当金は42年連続増配であり、財政管理をしっかりしている証拠でもあります。自己資本比率も十分高いので、当面の連続増配は問題ないでしょう。

いろいろとクセがありますが、生活必需品セクターの幅を広げる意味では有意義な銘柄ではないでしょうか。

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https://siegeljiro.com/adm-bunseki/feed 0 1021
マコーミック(MKC)分析 https://siegeljiro.com/mck-bunseki https://siegeljiro.com/mck-bunseki#respond Tue, 29 Aug 2017 01:47:54 +0000 http://siegeljiro.com/?p=995 シーゲル二郎です。

今回は、マコーミック(MKC)を分析していきます。

料理をする方はご存知かと思いますが、世界的スパイスメーカーです。

 

連続増配…31年

S&P格付…A-

採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500

 

時価総額は約1.4兆円ほどでさほど大きくないですが、スパイス市場で断トツのトップシェアです。特に北米、イギリス、フランスでは3割~5割ほどのシェアを握っており、圧倒的です。また、各国の二番手企業に数倍の差をつけており、まさに独壇場です。

事業内容としては、個人販売向けスパイス事業が全体の6割を占めています。

この手の企業にありがちな米国内だけということでもなく、グローバルに展開できており、素晴らしいです。スパイスの消費量は人口に比例して増えていくので、新興国でも今後拡大が期待できます。

また、日本では、ユウキ食品と提携しており、販売されています。

参考「ユウキ食品株式会社

しかし、日本ではSB食品と、ハウス食品が強いです。特に、ハウス食品の「GABAN」は、スーパーでも目立つ位置に置かれており、ややお高めのブランド品となっています。

そのため、日本では苦戦しているようです。(このパターン何回目だろう。)

 

売上、純利益とも緩やかに右肩上がり。業績のぶれもなく、非常に美しく、文句のつけようがありません。スパイス市場は今後どんどん拡大が期待できるので、今後も安泰です。

 

キャッシュフローも美しいです。投資CFも一定で、現金の流れは安定しています。営業CFマージンは、10~15%ほどを推移しており、意外と低い印象です。とはいえ、直近では15%近くをキープしているので、及第点です。

 

利益の成長とともに配当も成長しております。配当性向も50%を切っており、年度ごとのぶれが少なく美しいです。

 

ROE、自己資本比率ともに横ばいで、いい意味で退屈です。ROEは30%に迫る勢いであり、自己資本比率とのバランスもほぼ理想的ではないでしょうか。

 

現時点報(2017/8/29)

株価…94.65ドル
PER…25.16倍
配当利回り…1.99%
連続増配…31年

PERは25倍越えと割高ですが、配当利回りは約2%で悪くありません。

すごい期待をして分析していたのですが、それ以上のピカピカ優良企業でした。スパイスという事業が非常に魅力的であり、これだけ圧倒的なシェアを持っていれば、この結果も当然ですね。

また、マコーミックはスパイス事業の買収に長けており、さらに巨大化が進んでいます。そのため、トップシェアを奪われることはないでしょう。今後の懸念材料は、スパイスのコモディティ化です。

しかし、スパイスは、あまりコモディティ化する分野ではないとシーゲル二郎は考えています。その理由は、この画像を見てください。

出典「mccormickcorporation

ようするに、味の90%をスパイスが左右するけど、値段は10%ほどしかないよという意味です。(合ってますよね?マコーミックさん)

シーゲル二郎も心当たりがあります。食材はできるだけ安いものを選ぼうとしますが、調味料はメーカー品を買います。高い調味料だとしても、一食あたりの値段はごく僅かなので、だったらおいしい調味料の方ががいいよねという理論です。

胡散臭いので使いたくない言葉ですが、コスパがいいということです。(安い食材×高い調味料)

そのため、良質なスパイスを取り扱うマコーミックは、今後も他社よりも高い値段設定をすることができると考えています。

また、スパイスは、国ごとに特徴がありますが、他国の珍しいスパイスが欲しいという人は多いと思います。日本でも、パクチーやインドカレーが人気で、自分で料理を作ってみたいという人が増えています。

珍しい食材の輸出は保管や輸送でコストがかかりますが、スパイスであれば軽いので輸出もしやすいです。食材は代用できるけど、スパイスは代用できないことが多いので、ここでもスパイスの強みがあります。

今後のグローバル化により、他国への出張や旅行も増えていくはずなので、これもスパイス事業にとっては追い風です。自国の調味料が世界中どこでも手に入れることができる安心感を提供できるのは、規模の大きい企業にしかできません。また、そのような状況では、値段よりも安全性なので、マコーミックは高い利益率を維持できます。

 

ながながと駄文を書きましたが、スパイス市場の将来性、マコーミックの優位性が素晴らしいということは理解できたと思います。マコーミックという企業の将来性の不安は全く見えず、永続する企業に相応しいステータスです。

営業CFが若干低いのが気になりましたが、フリーCFが安定して成長しているので、問題なさそうです。あとは、適正な値段でつかむだけですが、今はちょっと割高のようです。

しかし、極端に高いわけではないので、今掴んでも報われそうです。

事業内容だけで見れば、配当貴族№1といっても過言ではない最強銘柄でした。

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https://siegeljiro.com/mck-bunseki/feed 0 995