バフェット「資産の90%をS&P500に投資せよ」

つみたて次郎です。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏は、自分がなくなった後の資産の管理について妻に次のように告げています。

 

「資産の90%はS&P500、残り10%は政府短期国債に投資せよ」

 

家族がしっかり資産を運用できるように遺言を残しています。

ちなみにバフェット氏は2度結婚しており、最初に結婚した相手はスーザン氏でしたが、2004年に亡くなり、その後2006年にアストリッドと結婚しました。

バフェット氏は、投資会社であるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)のCEOです。事実上はバフェット氏が舵を取る投資ファンドともいえる存在です。

バフェット氏は現在、ジョフ・ベソス氏、ビル・ゲイツ氏に次ぐ世界第3位のお金持ちです。資産総額は840億ドル(約8.9兆円)です。

資産の多くはバークシャー・ハサウェイのA株になっており、株主と運命共同体ともいえます。

ですが、自分の死後にはS&P500に投資しろと言っているということは、自分が去った後のバークシャー・ハサウェイを売れという指示になり、少し悲しいです。

バフェット氏自信は根っからの集中投資家で、「分散は無知に対するヘッジだ」という格言も残しています。その一方、インデックス投資の有効性を認めており、多くの投資家の最適解になるという発言もしています。

妻への遺言も、S&P500に連動するインデックスファンド(バンガードなど)に資金の90%を投資しろといっています。

そのため、世界一の投資家が認めるS&P500への投資が1つの最適解であるという見解が広がっています。

 

日本人が参考にする場合の注意点

あくまでアメリカ人のバフェット氏が妻や株主等に伝えている言葉であるため、基本的にはアメリカ人向けの運用方法であるという点には注意が必要です。

S&P500は米国株に連動する指数であるため、日本人が投資する場合は米ドルに対する為替リスクを抱えることになります。

長期投資であれば為替変動の影響は無視できるとされていますが、短期的にはボラティリティの増加要因となります。

だからといって為替ヘッジをつけて対応するのが適当だとは思いませんが、「アメリカ人向けの投資法」である点は割り引いて考える必要がありそうです。

また、次の項目で述べますが米国短期債についても同様の疑問があります。

 

 

10%の短期債を持つ意味

S&P500に90%投資するのは、バフェット氏が米国経済の成長を強く信じていていることを考えれば当然の内容です。

ですが、残り10%の政府短期国債が気になります。バフェット氏はアメリカ人なので、米国短期債のことを指しています。

世界で最も安全な資産(ということになっている)米国債を10%組み込んでいます。短期債ということなので、償還までの期間が1年未満の価格が極めて安定している債券になります。

上記の格言の通りにポートフォリオを組むと、次のようになります。

わざわざグラフにするまでもありませんがこんな感じです。S&P500は米国企業500社の株式になるので、全体の90%が株式、残りが政府短期国債になります。

政府短期国債10%については、いわゆる生活防衛資金のような意図があるのかと勝手に予想しています。必要な出費があったときに優先して売却する部分という意味で。

参考記事「生活防衛資金は投資家の命綱

なので日本人が真似する場合、短期債の部分は日本国債等の円建て資産で代用するのが良いのではないかと思っています。

割合を維持していくのであればリバランスが必要だし、生活防衛資金としての国債ならリバランスする必要は別にありません。

生活防衛資金と割り切ってしまうのであれば、さらにリスクの低い個人向け国債や現金にしてもよさそうです。

バフェット氏はバイ&ホールドが基本の投資家で、値上がりしたから一部利確するようなケチなことはしません。

2017年にはウェルズ・ファーゴ(WFC)を少し売りましたが、保有株数がWFC株全体の10%を超えてしまうとFRBの調査が入って面倒だからという消極的な理由によるものです。

バフェット氏の投資哲学を考えると、リバランスして調整するということはしないのではないかと思います。

なによりバフェット氏がリバランスのような小手先の投資法について語るシーンを想像したくありません。

バフェット氏にはリバランスとか積立投資とかとは無縁の、雲の上にいる存在であってほしいのです。

バフェット氏には、抽象的で誰も実践できないような投資哲学を貫いてほしいです。

 

なぜVTIではなくVOO?

バンガードのETFであれば、S&P500に投資するVOOよりも、米国市場全体に投資するVTIのほうが有名です。なぜVTIではなくVOOを推奨したのでしょうか?

つみたて次郎が捻くれた2つの理由を考えてみました。

 

①単純に大型株が好きだから

バフェット氏は米国の誰もが知っている超大型株への集中投資で成功した投資家です。S&P500は大型株500社の時価総額平均なので、単純に市場全体よりS&P500が好みだという理由です。

 

②ブラックロック、ステートストリートに配慮した

S&P500に連動するETFは各社の目玉商品で、ブラックロックはIVV、ステートストリートはSPYがあり、それぞれ総資産額が最大です。特にSPYは全ETFの中で最大級です。

それに対し、バンガードはVOOがありますが、一番人気は米国市場丸ごと投資のVTIです。この状況でVTIといってしまうと、明らかにバンガードをひいきすることになってしまいます。

それでもバンガード好きはアピールしたいので、S&P500(バンガードなど)というちょうどいい表現に落ち着いたと考えたのが理由です。

 

どちらもつみたて次郎の妄想なので、99.9%違うと思います。

 

S&P500に投資するなら?

上記で紹介したバンガード・S&P500(VOO)は海外ETFであるため、通常の株式と同じように市場で買付しなければなりません。

利便性を重視するのであれば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)という投資信託を活用する手があります。

投資信託なので金額指定による買付や自動積立も可能となっており、つみたてNISAの対象商品になっているのも大きなメリットです。

つみたて次郎も現在積立中ですので、S&P500に投資したい場合はぜひ検討してほしい商品です。

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バフェット次郎

バフェット「資産の90%をS&P500に投資せよ」” に対して1件のコメントがあります。

  1. イーティー より:

    こんにちは。
    最近株をはじめた20代半ばです。
    はじめの1年は日本株を買っていましたが、あまり上手くいかず、投資について調べたところ、アメリカ株のetfに行き着きました。
    もしよければ相談させて下さい。
    現在は、アメリカの個別大型株を少し持っているだけですが、今後は、VTI、VWO、VTを購入し続ける予定です。
    そこで、VTI +VWOかVT一本かで迷っています。
    個人的にはアメリカ+新興国がいいかなと思いVTI+VWOに惹かれてますが、将来、新興国が伸びてきたときに自動的に調整してくれるVTも捨て難いです。
    ただVTの場合アメリカ以外の先進国も含まれますのでパフォーマンス的にどうかなと疑問があります。
    管理人様はVTI、VWO、VTをどうお考えでしょうか。アドバイスのほどお願いいたします。
    ちなみに、ニーサで毎月e-maxsi slim先進国を積み立てています。

  2. つみたて次郎 より:

    >>イーティー様

    どうもこんにちは。
    VTI+VWOという組み合わせは十分検討できると思います。私の感覚では「人口増加国を重視する」という意図が読み取れます。
    その場合米国外先進国株を切り捨てることになるので、どちらかといえば順張り思考なポートフォリオになりますね。
    VTの新興国株比率については、今後上昇するとはいえ心細いような気がします。あくまで新興国株に注目するのであれば、VTを選ぶとしても別途VWOを足して調整したほうが希望に沿うのではないかと思います。
    参考記事…http://siegeljiro.com/vt-tadashii

    参考になれば幸いです。

  3. イーティー より:

    つみたて次朗様

    お返事ありがとうございます。
    たしかにVT一本では新興国の割合が低いですね。
    とりあえず、VTI、VYM、VIGといった米国ETF+VWOで様子を見てみます。
    資金的にあまり買えませんが……

    つみたて次朗様のブログはよく拝見させていただいてますが、非常に参考になります。
    経済的自由を手に入れたいですね

  4. バッタ より:

    通りがかりのものです。バフェット氏の遺言について初めて聞いた時、老い先短い自分の妻への遺言にしては、株式の割合高すぎると思ったのですが、この記事を見て腑に落ちました。リバランスは想定してないのでしょうね。資産が十分大きければ、10パーセントのところだけで生活して残りは子孫に引き継ぐまたは寄付するということでしょうか。

  5. つみたて次郎 より:

    >>バッタ様

    「資産が十分大きければ」という視点は重要ですね。
    バフェット氏の真意は不明ですが、巨額の財産があるという点は考慮したいところです。

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