連続増配株は順張り・高配当株は逆張り
つみたて次郎です。
米国株クラスタでかつて最大勢力を誇っていた「連続増配高配当株派」ですが、最近では勢いがありません。
多くはジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」に影響を受けた方が多く、安定した配当金が見込めるディフェンシブ株でポートフォリオを固めている方がほとんどです。
配当金再投資を行うため、配当利回りが高い高配当株、そしてその配当を安定して増やすことができる連続増配株を重視した投資家といえます。
結果的に、連続増配かつ高配当な株式が人気となっています。
具体的には、フィリップモリス・インターナショナル(PM)やAT&T(T)などですね。
一見類似語のように思える連続増配と高配当ですが、その意味を考えていくと正反対の性質を持っています。
連続増配株の特徴
まず、連続増配というのは、文字通り配当金を毎年増配している企業のことを指します。
配当金の原資となるのは、当然ですが企業が生み出した純利益です。EPS(1株当たり利益)が順調に伸びていなければ、毎年増配していくことも難しいです。
ただし連続増配企業の中には、利益がほとんど出ていなくても無理してタコ足配当していたり、借金して配当原資を捻出している怪しい企業もあるので注意が必要です。
それを踏まえても、連続増配企業を全体で眺めてみれば、過去様々な危機を乗り越えてきた強い企業が多いです。
連続増配企業への投資は、「過去の実績があるから、今後も優良企業であり続けるだろう」という順張り的な投資戦略になります。
一般的に連続増配企業=退屈なバリュー株なんてイメージがありますが、過去の成長性から将来の成長を見込むという点ではグロース株投資と共通している側面もあります。
高配当株の特徴
その一方、高配当は株価に対して配当金が多い企業を指します。
連続増配企業に比べその内訳が多彩で、配当性向が高い優良ディフェンシブ株から、赤字続きで減配リスクが織り込まれたボロ景気敏感株まで様々です。
共通点は、何らかの悪材料や低成長を理由に株価が抑えられている企業が多いということです。
高配当株はバリュー株に近い性質を持っており、逆張りに近い投資戦略になります。
その一方、配当原資を用意できず大幅減配した企業は切り捨てるので、ほんの少し順張り的な要素もあるのが特徴であり、高配当株の大きなメリットだと思います。
参考記事「高配当戦略は最も無難なバリュー株投資」
つみたて次郎はもともと、連続増配株に注目していましたが、バリュエーションが一切考慮されないという弱点があるため、今では高配当株の方に興味が移っているところです。
もともとあった個別株をやりたい気持ちが薄れて、ETFでシステマティックリスクや売買手数料を抑えたほうが良いのではと思うようになりました。
また、セクター戦略や連続増配戦略よりも、バリュー戦略や高配当戦略に興味を持つようになりました。(続きます)— つみたて次郎(ツイは1日1時間まで) (@siegeljiro) 2018年3月31日
連続増配株は、そのほとんどが優良企業になります(優良企業=優良株ではないことに注意)
なので指標上は決して割安水準ではなかったり、配当利回りが1%が切るような低配当株も含まれています。
バフェット氏は、誰もが知っている優良企業に投資することを推奨していますが、その一方で皆から嫌われ続ける良く分からないボロ株も、それに負けないくらいのリターンを叩き出すのはよくある話です。
参考記事…バフェット「そこそこの企業を割安で買うより、素晴らしい企業をそこそこの値段で買ったほうがいい」
これらを考えた結果、傾向として人気企業が集まりやすい連続増配株よりも、人気も不人気も包括されている高配当株のほうがよりスクリーニングとして優れているのではないかと思うようになりました。
つみたて次郎がHDVよりもVYMを好む大きな理由の1つです。
連続増配と高配当まとめ
まとめると、連続増配株は順張り、高配当株はやや逆張りという性質を持っていることになります。
この両方を兼ね備える連続増配高配当株は、一定水準の優良企業から割安な株を抽出するということになるので、スクリーニング手段としては有力ではないかと思っています。
連続増配高配当株に注目して投資をしたいのであれば、iシェアーズ・コア米国高配当株(HDV)が選択肢の1つとなります。
配当金に関する指標でも、それぞれ大きく違う特徴を持っているので要注意です。
それらを踏まえて、自分の投資戦略にあったものを選んでいきたいですね。
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高配当次郎