バフェット「そこそこの事業を割安で買うより、素晴らしい事業をそこそこの値段で買ったほうがいい」

つみたて次郎です。

世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏の名言に、次のようなものがあります。

そこそこの事業を割安で買うより、素晴らしい事業をそこそこの値段で買ったほうがいい。

シンプルな文章ながら、投資の核心を突いた内容となっています。

一般的にバフェット氏は、バリュー株投資家といわれています。しかし、そのスタイルを見る限りでは、ひたすら割安株を追いかけるバリュー投資とはかけ離れているようにも思えます。

例えば、バフェット銘柄として有名なコカ・コーラ(KO)も、バフェット氏が投資した当時1988年時点では割高なグロース株でした。

そもそもバフェット氏は、バリューやグロースという考え方はあまり好きではないようなので、特に意味を持たない考察かもしれませんが。

バフェット氏の師匠であるベンジャミン・グレアム氏は、バリュー株投資の元祖ともいえる投資家で、解散価値に対して割安な株、いわゆる「ネットネット株」に集中投資を行い大きな利益を得ました。

当然弟子であるバフェット氏も、当時はグレアム氏の影響を強く受けた投資を行っていましたが、とある人物の助言を受け、その考えを改めるようになります。

その人物とは、現在バフェット氏率いる投資持株会社、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の副会長、チャーリー・マンガー氏です。

言わばバフェット氏の右腕ともいえる存在で、バフェット氏に負けず劣らずの超有名投資家です。

バフェット氏は、マンガー氏との出会いがきっかけで、従来のグレアム流投資法をアレンジし、「優良企業が安くなった時に買う」というスタイルを確立させました。

これは個人投資家にとっても、重要な考え方です。

特にバリュー株投資の場合、株価が割安だから投資した結果、ただのボロ株を掴まされただけだったということが日常茶飯事です。

そもそも市場は大体効率的なので、割安に放置されている株は株価相応の原因がある場合が多く、単純に割安株を保有していても大きなリターンを得ることは難しいです。

また、いくら割安でも企業が長期低迷したり倒産したら意味がないので、企業の事業内容等に問題がないかをしっかりチェックしていく必要があります。

 

その一方、この格言が拡大解釈されているのではないかという疑問もあります。

この格言通りに従えば、業績の良い企業に集中投資する結果になります。連続増配優良銘柄への集中投資なんかはまさにこの通りです。

これは裏を返せば、業績の悪いボロ株を捨てるという意思表示でもあります。

過去の歴史を振り返れば、米国市場で全く期待されず赤字で低迷した鉄道株は、長期でS&P500のリターンを超えていたというデータがあります。

シーゲル銘柄の代名詞であり長期リターン№1のフィリップモリス・インターナショナル(PM)も、当時は決して優良企業なんかではなく倒産寸前のボロ株でした。

バフェット氏の格言に基づけば、次の式が成り立ちます。

割安な平凡企業<そこそこな優良企業

確かにこれは真実かもしれませんが、そもそも企業価値を計算するのは容易ではなく、それこそバフェット氏ほどの実力がなければ割安かどうかを判断するのは困難です。

そして問題なのは、「割安な平凡企業」も「そこそこな優良企業」も、投資先としてはどちらも非常に優れているということです。

牛肉のA5とA4を比べているようなもので、例え優劣があるとしても、どちらも十分優良であるという視点を見失ってはダメだと思います。

過去の長期データを見れば、低PBR戦略低PER戦略のような事業内容を考慮しない割安株投資も報われています。

その究極ともいえる、超割安な問題企業に投資するネットネット株投資も素晴らしいリターンをもたらしています。

したがって、「優良企業をそこそこの値段で買ったほうが良い」が正しいとしても、「そこそこの企業を割安で買うのはダメだ」ではないということに気を付けなければなりません。

現在ボロ株の代名詞とも言われているゼネラル・エレクトリック(GE)も、株価が安ければ十分報われる可能性はあります(実は15株持ってます)

バフェット氏本人も、GE取得を検討しているような発言をしており、適正な株価を計算しているような状態です。

投資先を優良企業のみに絞ることで、かつての鉄道株のようなお宝を諦めるという事実はしっかり考えていく必要がありそうです。

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ボロ次郎

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