バリュー株投資として考える高配当戦略

つみたて次郎です。

今回は、リターン補完戦略としての高配当戦略について考察していきたいと思います。

ジェレミー・シーゲル教授いわく「株式リターンの97%は配当金」といわれていますが、これは数字のマジックがあります。

参考記事「3%キャピタルゲインの嘘

また、配当金は下落相場のプロテクターとなり、下落ショックを支える効果もあると説明がありますが、あくまで減配しない銘柄に限ります。

参考記事「配当金は下落相場のプロテクター?

昔と違い、自社株買いという株主還元方法も盛んになってきたので、配当利回りだけに注目することは危険であり、警告するブロガーが多く見受けられます。

ですが、高配当戦略は、消去法で最も無難なバリュー戦略ともいえます。

シーゲル教授が提唱するリターン補完戦略で属性の近いものは、次の3つがあります。

 

低PER戦略…利益に対して割安な株
低PBR戦略…株主資本に対して割安な株
高配当戦略…配当金に対して割安な株

 

いずれも市場平均を大きく上回るリターンを叩き出しており、割安に放置された株を拾うことができた戦略です。

ですが、それぞれ弱点が存在します。

 

低PER戦略…景気敏感株の場合、利益変動によってPERも大きく変わる。利益が落ち込んだ時にPERが上がることにより、割高な株を買い、割安な株を売ってしまう危険性がある。

低PBR戦略…知的財産や研究開発費が重要になっている現在では、そもそもPBRで割安度を測ることが難しい。結果、設備投資が多いだけのガラクタ企業が多く紛れ込む。

高配当戦略…配当金のみで判断するため、自社株買いに積極的な割安株を外すことになりがち。

 

いずれも一長一短ですが、個人的には高配当戦略の弱点が一番マシに見えます。

また、自社株買いは配当金に比べて金額が安定しないため、比較的変動が少ない配当金を中心に考えるのは理にかなっています。

そして何より、シーゲル教授の理論を最も現実的に実践できるのが高配当戦略だと思っています。

 

①人気のある割高株は配当利回りが低いので除外できる
②倒産しそうな本当にヤバイ企業も除外できる

 

リターンを引き下げる可能性の高いこれらの株を機械的に除外できるという意味では、高配当戦略は優れたスクリーニング手段であると考えています。

また、この戦略を実行する場合、「バンガード・米国高配当(VYM)」が最適です。

似たようなETFに「iシェアーズ・コア米国高配当株(HDV)」がありますが、こちらはセクター戦略や連続増配戦略なども複合的に混ざっているので、高配当以外の属性が絡んできます。

VYMの場合、シンプルに配当利回りが市場平均を超える銘柄を機械的に選定しており、セクター比率も市場平均にかなり似ています。

銘柄数も400超えており、米国株全体でダウの犬戦略を行うようなイメージでしょうか。

少なくとも、「市場平均を超えるための高配当戦略」と「配当暮らしの人の高配当戦略」は全く別物なので、そこを区別して考えることが大切なのは言うまでもありません。

もちろんここまでして、高配当株が市場平均を超えるかどうかは分かりませんが、スクリーニングのプロセスを見る限りでは有力なバリュー株投資になるのではないかと思います。

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楽天VYM次郎

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