Invesco Dow Jones Industrial Average Dividend ETF(DJD)を分析。NYダウ30銘柄を配当加重で投資できる海外ETF

つみたて次郎です。

今回は、Invesco Dow Jones Industrial Average Dividend ETF(DJDを分析していきます。

読者様に教えてもらったETFですが、NYダウ×配当加重※というつみ次郎にとっても興味深い内容でしたので紹介します。

※一般的な配当加重平均とは異なる部分もあるので、後で詳しく考察します。

なお名前が英語表記であることからお察しかと思いますが、国内証券での取り扱いはありませんのでご注意ください(辛)

今回の比較相手はNYダウ指数に連動するSPDRダウ工業平均ETF(DIAとします。

 

各種指標(2020/7/6現在)

それぞれのデータをまとめていきます。

DJD(ダウ配当加重) DIA(ダウ単純平均)
信託報酬 0.07% 0.16%
銘柄数※ 28銘柄 30銘柄
PER 18.70倍 19.47倍
PBR 2.76% 3.51倍
配当利回り 3.40% 2.28%

※NYダウ銘柄のみをカウント。

信託報酬は0.07%とスマートベータ系のETFとしては非常に低いです。

比較相手であるDIAが元々割高…という事情を考慮してもかなり魅力的ですね。

また、銘柄数は28となっており、省かれているのはコロナショック後減配を発表したBADISです。

参考記事…ボーイング(BA)が無配転落
参考記事…DISが今年度前期の配当を停止

配当加重の構造上、NYダウ銘柄であっても無配銘柄は含まれないという事ですね。

 

セクター比率(2020/7/6現在)

 

セクター DJD(ダウ配当加重) DIA(ダウ単純平均)
生活必需品 17.1% 13.5%
エネルギー 14.1% 3.5%
金融 14.1% 21.3%
情報技術 13.7% 16.6%
資本財 11.5% 14.1%
ヘルスケア 11.2% 6.7%
素材 8.4% 1.1%
一般消費財 5.2% 18.9%
コミュニケーションサービス 4.7% 4.4%

 

エネルギー(XOM・CVX)と素材(DOW)が多く、この3銘柄は構成比率トップ3にもなっています。

また、一般消費財(AAPL・HD・NKE)はかなり少なくなっています。

特にAAPLDJDで1.3%・DIAで9.8%となっており、大きな特徴の1つといえます。

一般消費財セクターを除けば、比較的オリジナル版のダウに近いセクター比率であるといえます。

 

 

銘柄別構成比率(2020/7/6現在)

30銘柄なので全て載せておきます。

構成比率が倍以上違う銘柄は赤字にしています。

 

銘柄 DJD(ダウ配当加重) DIA(ダウ単純平均)
DOW 8.4% 1.1%
XOM 8.1% 1.2%
CVX 6.1% 2.3%
IBM 5.8% 3.1%
WBA 5.0% 1.1%
VZ 4.7% 1.4%
PFE 4.6% 0.9%
MMM 4.3% 4.1%
CAT 4.0% 3.4%
JPM 3.9% 2.5%
KO 3.9% 1.2%
TRV 3.6% 3.0%
MRK 3.5% 2.1%
CSCO 3.5% 1.2%
PG 3.2% 3.2%
RTX 3.2% 1.7%
JNJ 3.1% 3.7%
MCD 3.0% 4.9%
GS 2.9% 5.4%
HD 2.8% 6.5%
INTC 2.4% 1.6%
WMT 2.0% 3.1%
AXP 1.9% 2.5%
UNH 1.7% 7.9%
MSFT 1.4% 5.5%
AAPL 1.3% 9.8%
NKE 1.2% 2.6%
V 0.7% 5.2%
BA 0.0% 4.9%
DIS 0.0% 3.0%

 

 

 

こうしてみると結構差は大きいですね。

そして気になる点としては、通常の配当加重でNYダウの比率を調整してもこのようなバランスにはならないという点です。

例えばDJDではDOWが構成比率トップになっており、配当利回りも6.72%とNYダウ銘柄ではかなり高いです。

その一方で、時価総額で見るとNYダウ銘柄では最小となっているため配当総額(≒時価総額×配当利回り)はそこまで大きくありません。

参考記事…【指数】時価総額加重・均等加重・配当加重について

通常の配当加重では配当総額を元に構成比率を決定していますが、DJDを見る限りでは配当利回りを元に構成比率を決定している可能性が高いと思いました。

ちなみに以前、NYダウ銘柄でいろんな加重平均ポートフォリオを組むという記事を投稿していますが、その時に作ったポートフォリオで比較すると一目瞭然です。

参考記事…【時価総額・均等・配当】NYダウ30銘柄でいろんな加重平均ポートフォリオを組んでみた
参考記事…【配当利回り加重?】つみ次郎が配当加重っぽい概念を自力で思いついた話について

 

 

左はDJDが採用していると思われる配当利回り加重平均(仮)・右は一般的に用いられる配当総額を元にした配当加重平均です。

少し前のデータを元に作成したものですが、左はDJDと瓜二つですね(笑)

 

配当利回り加重という概念が存在していて感動

DJDのベンチマークはDow Jones Industrial Average Yield Weighted Indexとなっており、配当が関係しているのは一目瞭然ですが、配当総額ではなく配当利回りで重みづけしている根拠までは見つけることができませんでした(英語の読めない情弱)

外部リンク…Dow Jones Industrial Average Yield Weighted Index(S&P Dow Jones lndices)

ただ、ポートフォリオの構成比率を見れば配当利回り加重平均(仮)を採用しているのはほぼ間違いないでしょう(確信)

つみ次郎としては自力で考案した思い入れのある概念(?)ですのでDJDの存在を知った時は感動しました(唐突)

参考記事…【配当利回り加重?】つみ次郎が配当加重っぽい概念を自力で思いついた話について

また、DJDという金融商品に対しても超低コスト・明確な指数・比較的バランスの良いセクター比率とつみ次郎の好みを網羅しており、高く評価したいですね。

国内証券で買えるならすぐにでも買いたいレベルです(笑)

 

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配当利回り次郎

 

Invesco Dow Jones Industrial Average Dividend ETF(DJD)を分析。NYダウ30銘柄を配当加重で投資できる海外ETF” に対して1件のコメントがあります。

  1. ヨナ より:

    配当利回り加重があるとは知りませんでした。勉強になります。信託報酬が低めなのも魅力ですね。

    > 配当総額ではなく配当利回りで重みづけしている根拠までは見つけることができませんでした
    MethodologyからダウンロードできるPDFに、
    At each rebalancing, the constituents are weighted by their indicated annual dividend yield.
    と書かれていて、配当利回り (dividend yield) で重み付け (weighted) すると書かれています。
    後で気づきましたが、インデックスの名前もYield Weightedと書かれています。

    購入するのであれば、Firstrade (去年頃、取引手数料無料になりました) やInteractive Brokersが日本から口座開設できる証券会社の選択肢になるのでしょうが、口座開設や国外送金など難易度が高いです。

  2. つみたて次郎 より:

    >>ヨナ様

    情報提供ありがとうございます。やはり配当利回り加重で大丈夫そうですね。
    「配当(dividend)」や「利回り(yield)」という言葉も色んな意味で使われるのでなかなかややこしいですねw

    海外の証券会社については利便性もさることながら、トラブル時のサポートに不安があるのでちょっと手を出しにくいですね…。

  3. 匿名 より:

    Dividend Weighted ではなくて Yield Weighted なのがキモだったんですね。
    なぜダウ30種は普通の時価総額加重とか普通の配当総額加重のインデックスがないんでしょうか…。

    ただダウの30銘柄程度だったら自分でもポートフォリオ作れそうですね。
    向こうは単元株制度ないですし、ロビンフッドはじめ手数料無しで取引する方法も多いですし。

    ちなみにサクソバンクで DJD 検索したら扱ってました。
    そういえば特定口座対応まだですかね?

  4. つみたて次郎 より:

    >>匿名様

    配当総額加重ダウはガチで欲しいですねw
    そもそもダウをいじる系のETFはほとんど見かけないので、むしろ配当利回り加重あるのが違和感あります(あとは均等加重くらい?)

    十分自作できる銘柄数ではありますが、ETFだと銘柄入れ替え時のコストを無視できるのが大きいと思います(私が個別株やる気ない大きな理由)

    サクソバンクの特定口座対応はもはや幻…(泣)

  5. 匿名 より:

    そういえばSMT日本株配当貴族インデックス・オープンて配当加重なのに、
    連続増配日本一でTopix Core30にも入ってる花王が組み入れられてないのは何故だろうと思ってましたが
    (配当総額が花王の1/3しかないローソンはJTに次ぐ2位に組み入れ)、
    これも配当利回り上位50社を配当利回り加重で組み入れというルールだからみたいですね。
    配当総額加重だと早とちりして気づいていませんでしたがこんなところにも配当利回り加重があったようです。
    もしかして配当総額加重ってウィズダムツリーの専売特許?

    (余談)
    ・S&P500配当貴族指数…25年増配している企業全部を均等加重
    ・S&P欧州350配当貴族指数…10年増配している企業全部を均等加重
    ・S&P/JPX配当貴族指数…10年減配していない企業から利回り上位50社を配当利回り加重
    日本の配当貴族指数だけルールが違います。
    基準がゆるいのは仕方ないとしてもなんで均等加重にしなかったんでしょうね。

  6. つみたて次郎 より:

    >>匿名様

    日本株配当貴族が均等加重ではないというの知っていましたが、配当加重ではなく配当利回り加重だったというのは初めて知りました!情報提供ありがとうございます。

    ブラックロックのHDV(モーニングスター配当フォーカス指数連動)とかもあるのでウィズダムツリーの専売特許ではないと思いますが、配当加重の代名詞感はありますね(笑)

    確かに配当貴族シリーズ(?)の中では仲間外れ感がありますね。
    今度考察も交えて記事にしてみたいと思います。

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