楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンドが新登場!実質的には日本債券+先進国債券

つみたて次郎です。

今回は楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンドを分析します。

2019年2月15日より設定される新商品で、日本含めた全世界への債券に投資することができます。

 

基本情報

項目 データ
ファンド名 楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド
運用会社 楽天投信投資顧問
設定年月日 2019年2月15日
為替ヘッジ あり
信託報酬 0.2796%
運用方法 ファンド・オブ・ファンズ
投資区分 全世界債券(日本含む)
投資対象 バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド
銘柄数 10,193銘柄(2018年末)
信託財産留保 なし
ベンチマーク ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合浮動調整インデックス(円ヘッジベース)

 

低コストな債券ファンドのほとんどは日本と外国で分かれていることが多いので、両方まとめて投資できる投信は初めてかもしれません。

ただしベンチマークに新興国債券はほぼ組み込まれていないようなので、実質的には日本債券+先進国債券といえるでしょう。

日本債券の比率は2018年末時点で約12%となっており、全体の9割以上は先進国債券クラスになっています。

為替ヘッジありになっているため、ヘッジ付きの先進国債券ファンドと競合することになりそうです。

 

間接的にバンガード投信を保有

ファンド内で実質的に投資される金融商品はバンガード社の投資信託であるバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドとなります。

ETFではなく米国で運用されるミューチュアルファンド(投資信託)であり、ベンチマークはブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合浮動調整インデックスとなっています。

この投信に円建てヘッジをかけたものが実質的に背負うリスクリターンとなります。

信託報酬は0.15%となっており、そこに楽天等の取り分0.1296%を足した0.2796%が本ファンドの信託報酬になります。

 

 

債券ファンドに参入した楽天

名前から分かるとおり、楽天投信投資顧問㈱が抱える人気シリーズ、楽天・バンガード・ファンドの新商品となります。

既存ファンドで例えると、為替ヘッジの有無を除けば楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の債券バージョンといえそうです。

さらに近いのは楽天・インデックス・バランス(DC年金)楽天・インデックス・バランス・ファンドで、これらから株式クラスを除いたのが今回の全世界債券ともいえます。

楽天VTと今回の全世界債券を組み合わせれば上記のバランスファンドを再現することができ、好みの比率で株式と債券を組み合わせた国際分散投資が可能になります。

楽天バンガードとしては初の債券のみを投資対象&ETFを一切保有しないファンドでもあります。

 

あまり需要はなさそう

債券単体のファンドはあまり人気がなく、株式単体やバランスファンドに比べて地味な存在です。

つみたてNISA対象商品から除外されているのも無視できない要因です。

また、その中でも特に為替ヘッジの付いたファンドの需要はかなり限定的です。

競合となりそうな為替ヘッジありの先進国債券ファンド(日本除く)はいくつかありますが、現時点で信託報酬最安値なのはSmart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)0.1836%であり、コチラのほうが低コストになっています。

元々の信託報酬でも負けているうえに、楽天全世界債券の場合は米国籍投信を経由しているので三重課税問題を抱えています。

そのため単にコスト面では既存の先進国債券ファンドに勝つのは難しいのではないかと思います。

なので本ファンドは日本債券もセットになっているという特徴に注目することになりますが、前述したとおり全世界債券は現在実質的に日本債券+先進国債券になっており、新興国債券はほぼ入っていません。

例えば全世界株式クラスをカバーする楽天VTの場合、日本株+先進国株+新興国株の3つを1本に集約できる点を評価できますが、全世界債券については2つを1本に集約しているにすぎません。

また、その片方である日本債券はローリスクローリターンな準安全資産のような役割を持っており、他のアセットクラスと分けて考えている人も多そうです。

そのため日本債券と先進国債券にまとめて投資したいという人はかなり限られそうですし、ましてや為替ヘッジありならばかなり限定された需要に留まるのではないかと思います。

総合的に悪い商品ではありませんが、人気を集めるのは難しそうです。

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ボンド次郎

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