eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の第1回運用報告書から実質コストを計算してみる

つみたて次郎です。

eMAXIS Slimシリーズの運用報告書が出ていたので、そのうちつみ次郎もつみたてNISAで投資しているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)について考察していきたいと思います。

ちなみにSlimS&P500にとっては第1回目の運用報告書となります。

数少ない米株オンリーのインデックス投信であり、その中でも最有力候補ともいえるファンドなので、初回決算の結果がどのようになっているかは注目ですね。

 

報告書より実質コストを計算

運用報告書より一部引用します。

出典「三菱UFJ国際投信

SlimS&P500の信託報酬は、2019年5月22日より0.162%となっていますが、決算末日の2019年4月25日時点では0.1728%となっています。

なので旧信託報酬である0.1728%と上記の費用明細を照らし合わせることで、隠れコストや実質コストを求めることができます。

上記の表中(a)の信託報酬率と実際の信託報酬を調整するためには、

0.1728% ÷ 0.138% ≒ 1.252倍

という補正を費用明細合計に掛けてあげればよいことになります。

0.203% × 1.252倍 ≒ 0.254%

これが1年間当たりの費用率…すなわち実質コストになります。

ここから信託報酬を引けば隠れコストになります。

 

信託報酬の旧新に合わせて表にまとめてみます。

信託報酬 隠れコスト 実質コスト
0.1728% 0.0812% 0.254%
0.162% 0.0812% 0.243%

 

計算上の隠れコストは0.0812%と非常に低く、申し分ありません。

公募のS&P500ファンドは三菱UFJ国際投信㈱にとって初めてなので、想定外の高コストになる可能性も考えたりしましたが杞憂だったようです。

あくまで計算上のコストなので参考にすぎませんが、他ファンドと同等の運用ができていると判断できますので一安心です。

 

 

楽天VTIと比較

SlimS&P500のライバルとして真っ先に上がるのは、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)ですが、現時点で判明している直近の情報で比較してみます。

信託報酬 隠れコスト※ 実質コスト
SlimS&P500 0.162% 0.081% 0.243%
楽天VTI 0.1596% 0.0648% 0.2244%

※楽天VTIについては第2期9か月時点の臨時レポートを元に計算。
参考記事…楽天VTと楽天VTIの第2期9ヵ月経過時点の費用明細が発表されました

楽天VTIについてはあくまで期間途中の参考値に過ぎませんが、計算上では概ね同じような数値になっており、甲乙つけがたい状況です。

米国外の株式が含まれる楽天VTと違い、三重課税問題も発生しないので、コスト面の優劣よりもS&P500か全域かというベンチマークの違いが争点になりそうです。

いずれにせよどちらもコスト面・投資対象面で大きな違いは出なさそうなので、後は好みの問題になると思います。

 

他eMAXIS slimと比較

その他のeMAXIS Slimの中で間接的にライバルになりそうな、下記3ファンドについて調べてみます。

ファンド名 投資対象 信託報酬
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 先進国株(日本除く) 0.107892%
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 全世界株(日本除く) 0.15336%
eMAXISSlim 全世界株式(オール・カントリー) 全世界株(日本含む) 0.15336%

 

上に行くほど、よりSlimS&P500に近い内容になっています。

この3ファンドについても、実質コストを計算してみます。ちなみに先進国株以外の2つについて第1回目の決算です。

また、先進国株については決算期間途中である2018年7月25日に信託報酬が0.11826%→0.11772%に引き下げられているので、この2つを日数ごとに案分して計算した0.11753%を実質的な信託報酬として計算しています(この数字自体は大きな意味を持ちません)

S&P500を含め、信託報酬(最新)・隠れコスト・実質コストをまとめてみます。

略称 信託報酬 隠れコスト 実質コスト
SlimS&P500 0.162% 0.081% 0.243%
Slim先進国株 0.107892% 0.086% 0.19387%
Slim全世界株(日除) 0.15336% 0.093% 0.24647%
Slimオールカントリー 0.15336% 0.100% 0.25347%

 

飛びぬけて低コストなもの、高コストなものは存在せず、素晴らしい結果となりました。

また、投資対象がS&P500に近い順に上から並べていますが、ちょうど隠れコストも上から順になっているのが好印象です。

基本的に隠れコストは日本株<米国株<その他先進国株<新興国株の順番になることが多いですからね。

そう考えると全世界株(日除)オールカントリーは逆な気もしますが、ほとんど差はないといえますし、決算期間の違いやMSCIジャパンというマイナー指数の関係かもしれません。

参考記事…eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のマザーファンドに関連する臨時レポートが出ました

 

全体的に問題のない決算

SlimS&P500を含め、全体的に問題のなさすぎる決算です。

費用明細から計算できる実質コストだけでファンドの優劣は判断できませんが、報告書の数値を見る限りでは及第点といえます。

やはり現物運用&三菱UFJ国際投信という安定感は素晴らしいですね(楽天VTIをチラ見しながら)

SlimS&P500はいろんな意味でイレギュラーなファンドなので、(悪い意味で)サプライズがないかほんの少し心配していましたが、それも杞憂だったようです。

今後も安心してガチホできそうです(^^)

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S&P500次郎

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