バンガード・米国資本財セクター(VIS)分析
シーゲル二郎です。
今回は、バンガード・米国資本財・サービス・セクター(VIS)分析を分析していきます。
セクターETFの1つで、資本財セクター全体に投資できるETFです。
バンガード・米国資本財・サービス・セクターETF (2017/3/31現在)
項目 | データ |
信託報酬 | 0.10% |
銘柄数 | 346 |
PER | 23.9倍 |
PBR | 4.1倍 |
ROE | 18.3% |
利益成長率 | 5.3% |
売買回転率 | 8.3% |
標準偏差 | 12.75% |
特筆すべきは、標準偏差の高さです。同じ時期のS&P500は10.41%だったので、かなり変動幅が大きいETFだといえます。
S&P500との比較チャートです。リーマンショックではVISのほうが大きくへこんでいますね。その後も、下落するときは大きく、上昇するときも大きい典型的な景気敏感株の動きになっています。
資本財セクターが含まれる企業は、主に次の通りです。(2017/3/31現在)
業種 | 構成比率 |
航空宇宙・防衛 | 19.8% |
コングロマリット | 18.7% |
産業機械 | 10.4% |
その他 | 51.1% |
その他には、鉄道・輸送・部品製造などが含まれています。基本的には製造業が多いように見えます。資本財は、企業が利益を上げるために必要な財のことです。基本的には企業が商売相手のBtoBがほとんどです。
BtoB企業は、ブランドを生かしずらく、利益率が低くなりがちです。
参考記事「BtoB < BtoC」
上位10銘柄は、次の通りです。
順位 | 会社名 | 構成比率 |
1位 | ゼネラル・エレクトリック | 9.9% |
2位 | スリーエム | 4.3% |
3位 | ザ・ボーイング | 3.9% |
4位 | ハネウェル・インターナショナル | 3.4% |
5位 | ユナイテッド・テクノロジーズ | 3.3% |
6位 | ユニオン・パシフィック | 3.3% |
7位 | ユナイテッド・パーセル・サービス | 2.8% |
8位 | ロッキード・マーチン | 2.7% |
9位 | キャタピラー | 2.0% |
10位 | フェデックス | 1.9% |
上位10銘柄合計 | 37.5% |
シーゲル二郎が大好きなコングロマリットが多く含まれています。製造業の「モノづくり」企業が多いので、実体経済で本当に役立っている企業ばかりです。いくらサービス業やIT技術が発展しようと、生活を陰で支えているのはいつも製造業ですね(達観)
1位は堂々のゼネラルエレクトリック(笑)です。
資本財セクターは、BtoBでもイメージしやすい企業ばかりです。
エンジン・飛行機・戦闘機・建設機械・戦車
漢のロマンが詰まったセクターといえます。
これらの売れ行きは企業の設備投資に連動するので、不況では落ち込み、好況ではうなぎ登りの景気敏感株が非常に多くなっています。標準偏差が高いのもそのせいでしょう。
資本財セクターは、過去の米国セクター別リターンでは、平均を下回っていた悔しい思い出があります。大きな理由としては、当時から現在まで一番幅を利かしているゼネラル・エレクトリックが、PER40倍越えのプチバブルではじけてしまったからです。他には、当初は大きなウェイトを占めていた航空企業が、競争でボコボコに潰れていったからです。
全体的に配当性向も低めで、配当利回りもあまり高くはありません。
景気敏感株・低い平均利回り・過去の実績と3点揃ってポンコツセクターであり、長期投資家からの人気は低いです。
唯一褒められるのは、連続増配企業が多く存在することです。シーゲル二郎が投資している米国配当貴族指数でもセクター別で最も高い割合になっています。
また、NYダウ(ダウ工業平均株価)でも、もともと工業株を中心とした名残で資本財セクター比率が高めになっています。
シーゲル二郎が米国配当貴族指数とNYダウに集中投資しているのも、資本財セクターに投資したい漢の本能が出ているからもしれません(笑)