「運もお金もない人のための資産の増やし方」を読んだ感想【書評】
つみたて次郎です。
つい先日出版された電子書籍「運もお金もない人のための資産の増やし方」を読んだので感想です。
著者は神谷政敏氏という個人投資家の方で、投資歴は2年と短いにもかかわらず豊富な知識を持っています。
1月30日(水)16:59まで無料です!https://t.co/U76Qt9wsQi pic.twitter.com/RHuMevmVK9
— 神谷政敏 (@kamiyamasato4) 2019年1月25日
1月30日(水)の16:59まで無料公開されています。
ボリュームも全部で67ページと短めで、文章もグラフもシンプルで分かりやすかったためサクサク読み進めることができました。
つみ次郎は早く読みたかったので定価(249円)で買ってしまいまいましたが、それでも破格の値段設定だと思います。
冒頭の問いかけについて
本書の冒頭では、テンバガー株を探したり不動産投資を行う「一発充てる方法」と、インデックスファンド等を用いた「堅実に積み立てていく方法」の2つを主な投資法として挙げています。
そして本書では、そのどちらでもない第三の投資法について解説していくというのがメインテーマになっています。
具体的には少し前に流行したレバレッジド・ポートフォリオが主張のベースになっています。
シャープレシオ(リスクに対するリターン)に優れたポートフォリオを構成し、適切なレバレッジ比率をかけることでリターンの最大化を目指します。
表紙に大きく記載されている「9年間で600万円が1億円になった超・合理的な投資法」というのも、レバレッジETFを使ったポートフォリオの過去成績です。
実際に著者が運用した結果ではなくバックテストである点には注意が必要ですが、10年足らずで16倍以上のリターンをもたらした背景については理解しておきたいところです。
また、現在の金融資産だけでなく将来の収入(人的資本)を考慮したリスクの取り方についても解説されています。
「最大許容損失額」から逆算された危険(リスク)資産比率をキープするために借り入れ(レバレッジ含む)で調整するという発想は、基本的ながらあまり認知されていないような気がします。
つみ次郎も無関係ではない
つみ次郎のポートフォリオは相関係数・シャープレシオなどを意識して構成されておらず、レバレッジも一切かかっていません。
参考記事…つみたて次郎の秘密のポートフォリオ
ですが、将来の人的資本を考慮した投資という点では共通しています。
参考記事…サラリーマン債券という最強の資産
つみ次郎の場合、将来の人的資本に対して現在の金融資産が極小なため本来はレバレッジをかけてもよい環境かもしれませんが、借り入れに対する理解不足やアレルギーがあるため採用することはなさそうです。
参考記事…無利子で借りられる1億円があったら株を買いますか?
そのため中途半端ではありますが「レバレッジをかけず最大のリスクを取る」という目的に合っているのが現在のポートフォリオ(株100%)であるともいえます。
どちらにせよ、レバレッジという概念自体は採用するしないにかかわらず理解しておかなければならないと思います。
異色の投資本
タイトルや表紙を見るとよくありがちな投資本という印象を受けますが、その見た目に反して中身はガチガチのロジックで固められた硬派な内容になっています。
ポートフォリオ、リターン、リスク、シャープレシオ、レバレッジなどが話題の中心になっており、普通の投資本ではメインとして語られることの少ない部分に焦点が当てられています。
個人投資家が出版する本は自分の投資スタイルや体験談に語られていることが多いですが、本書では主観的な情報ではなく、客観的で教科書のような説明がひたすら続いています。
本書全体を通して「投資に関する数学的な話まとめ」という印象を受けました。
登場する用語は専門的なものばかりですが、掘り下げて説明されているので投資初心者でも十分理解できると思います。
最初にも言いましたが1月30日(水)の16:59まで無料公開されていますので、(電子書籍だけど)ぜひ手に取ってみてください。
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