【借金de投資】無利子で借りられる1億円があったら株を買いますか?

つみたて次郎です。

トマ・ピケティ氏の教えによれば、資本主義はR(資本収益率)>G(経済成長率)が成り立つ世界で、資本家により富が集まっていくシステムになっています。

また、株式や債券、REIT等の金融資産が右肩上がりで増え続けるという前提があれば、一定以上の富を有することで不労所得生活が可能になります。

最近では、早期退職して自由な生活を手に入れるセミリタイアがちょっとしたブームになりつつあります。(米国ではFIREなんて呼ばれてますね)

多くの場合、生活不自由しない程度の資産を蓄えつつ、資産運用で得られる収入を見込んだりします。

もし1億円を持っていて、配当利回り5%の株を買えば年間配当額は500万円(税引前)ですから、ここから多少引かれても十分に普通の生活は可能です。

しかし多くの人にとって1億円を捻出するのは容易ではありませんし、もし借金して準備したりすれば利子の支払いが必要になってしまいます。

そもそも資本主義において、個人が無利子or超低金利で資金調達するのは困難です。(例外として奨学金や住宅ローンなどは優遇制度がありますが、基本的に用途が限定されます。)

逆に言えば多くの一般人にとって、1億円が手元にポンとなればなんとか生活できてしまうということです。

 

無利子の1億円をどう使うか?

そこで今回は、「無利子で1億円を借りられたらどうするか?」という問題について考えていきたいと思います。

具体的な条件は次の通りです。

 

・無利子で1億円が借りられる。
・使い道は完全に自由。
・返済は30年後に一括で行う。

 

返済年数は適当ですが、しばらく先の未来ということで30年とさせていただきました。

投資ではなく娯楽でパーッと使ってしまう人もいそうですね(笑)

あくまで返済義務のある1億円であることを頭に入れて考える必要があります。

住宅ローンなどの有利子負債がある人は、場合によって繰り上げ返済したりするかもしれません。

やはり投資ブログとしては、「全額S&P500にぶちこむ!」「高配当株でウハウハ配当生活!」みたいな回答を期待したいところですが、どちらも元本割れするリスクを抱えることになります。

30年後に労働収入等で1億円を用意できそうな人は別ですが、多くの人にとっては非常にハイリスクな状態といえます。

つみたて次郎は、将来見込める労働収入を考慮したポートフォリオを意識しています。

参考記事…サラリーマン債券という最強の資産

なので本来であれば、サラリーマン債券の大きさに合わせて1億円から適切な額をリスク資産(投信等)に投資するのが理論上正しい行動になります。

しかし現実問題として、つみたて次郎は無利子の1億円であっても投資に使うことは出来ないと思います。

なぜならつみたて次郎にとって1億円とは、あまりにも大きすぎる額だからです。

もし1億円全部または一部を使って投資を行えば、最悪何千万単位の損失を覚悟しなければなりません。(30年間という長期投資が可能であったとしても)

この額を労働収入から補填するのはかなり厳しいですし、最悪の場合30年後の一括返済が不可能になってしまうかもしれません。

また、精神的な負担もはかり知れません。

「自分のお金で投資して元本割れした」という状態ですら耐えられない人が多数派な世の中では、「借金して投資して元本割れした」という最悪の状況で過ごし続けることがいかに辛いかは容易に想像できます。

もし借りるお金が1億円ではなく100万円とかであれば、仮に投資に失敗しても何とか自分自身で工面できるという安心感があるので、あまり深く考えず投資に使ってしまうかもしれません(笑)

しかし1億円であれば話は別です。1億円なら自分の生涯年収にも匹敵しかねない大金であり、自分でコントロールできる自信がありません。

なので投資理論的には間違いだとしても、つみたて次郎は無利子の1億円が手に入っても投資には使わず、30年間ずっと保管しておくというつまらない回答になってしまいそうです。

厳密に回答するなら、利率の良いネット定期預金や長期国債などの元本保証型商品にぶちこんで、利息だけ懐に入れますね(笑)

 

借金は生活防衛資金を圧迫する

今回は30年後一括返済を前提にしましたが、現実世界における借金は、毎月や毎年のように定期的な返済が必要になるものばかりです。

例えば毎月5万円の返済が必要な人とそうでない人とでは、不慮の事態(リストラ、病気ケガ等)になった時の資金繰りに大きな差があります。

定期的な返済義務がある人は、(ない人に比べて)多めの生活防衛資金を確保しなければならないことを意味しています。

参考記事…生活防衛資金は投資家の命綱

つみたて次郎は現在借金ゼロなので、必要最低限の生活防衛資金(今は約50万円)でなんとかやり繰りしていますが、もし自動車ローンや住宅ローンなどを組んだら見直しが必要になりそうです。(多分組まないですが)

一応補足しておくと、住宅ローンのような生活に直結する借金の場合、住宅ローンを組んで家に住む=賃貸の家賃を払わなくて済むとなるため、一概に借金が生活防衛資金を圧迫するとは限らないケースもあります。

とはいえ一度組んだローンは簡単に軌道修正できず、将来的な返済(=キャッシュの流出)が確定することになるので、やはり基本的には悪影響を与えると考えてよいかと思います。

 

 

資本主義は借金で成長する

つみたて次郎は元々「借金」という概念が嫌いであり、何千万という借金を事実上抱えることになる住宅ローンなどにも本能的な恐怖を感じてしまいます。

資本主義において借金…さらに広く言えば負債というのは必要不可欠な概念ではありますが、自分自身は負債を抱えたくないという身勝手な考え方です。

ですが自分自身が借金をしていなくても、借金を資産運用に生かすことは可能です。

一番わかりやすいのは、株式への投資ですね。

株主は有限責任なので、レバレッジをかけない限り元本以上の損失を被ることはありません。(最悪投資金がゼロになるだけ)

しかし株式会社は最大限の利益を獲得するため、借入金によるレバレッジをかけるのが一般的です。

増資による資金調達もありますが、社債を発行して資金調達を行うのはまさしく借金そのものですし、そのお金を使って事業拡大や配当金支払い等を行ったりします。

米国企業でたまに見かける「債務超過になるまで借金して自社株買い」なんかはその究極ですね(笑)

投資家自身がわざわざ借金をしなくても、株式投資を通じて借金の恩恵?を受けることはできるということです。

つみたて次郎は現在、自分自身は借金ゼロ+資産のほとんどは株式型投信という極端なポートフォリオになっていますが、みなさんはどのような印象を受けるでしょうか?

株式比率が高めなので積極的だと思う人ともいえれば、直接レバレッジはかかっていないから保守的だと思う人もいるかもしれません。

いずれにせよ借金と投資というのは深く関係がありますから、自分の考え方をしっかり確立しておく必要がありますね。

 

奨学金de投資について

少し前に話題になった、奨学金de投資について考えていきます。

賛否両論出ていますが、大筋としては間違っていないのではないかと思います。

厳密に言えば「奨学金の返済を急がずに資産運用を併用する」なので、奨学金de投資という表現は正しくないかもしれません。

これが認められるなら住宅ローンde投資という表現も必要になりますからね(笑)

つみたて次郎自身は、今までローン自体を組んだことがない筋金入りの借金嫌いですので関係ありませんが、無利子または低金利で調達できた資金が余っていて、将来滞りなく返済できる前提があるならば、投資に回すというのは合理的な判断です。

ただし前述したとおり、「借金して投資して元本割れした」というのは精神的な負担が大きいので、相当の覚悟は必要になると思います。

上記ツイートに対する完璧な見解がありましたので紹介します。

新興国株芸人として有名?なジャパセフ(ジャパニーズセーフティー)さんです。

少し前までアジデン(アジアンデンジャラス)さんという名前でした。

非常に分かりやすく本質を突いたツイートだと思います。

 

まとめ

元々の「無利子の1億円」から話が脱線しましたが、いずれも「投資と借金」に関係する重大なテーマであり、しっかり考えていく必要があります。

既にローンを組んでいる人は、返済計画を邪魔しないような投資を意識する必要がありますし、そうでない人はローンに対する自分の考えを整理しなければなりません。

ローンというのは必要なもの(学費、住宅等)を前倒しで手に入れる行為ですから、投資を最優先に考えてしまうのは本末転倒ではあります。

ですが何百万何千万というローンは、投資…そして最終的には将来の資産形成結果を左右することになりますので、(投資に限らない意味での)リスクとリターンを天秤にかけて検討してく必要がありますね。

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