つみたて次郎がETFの売買回転率を気にする理由
つみたて次郎です。
昨日の記事で、売買回転率は実はそんなに悪くないことを説明しました。
参考記事「売買回転率に対する誤解を解く」
基本的にETFで運用する場合、高回転なことによる売買手数料や課税コストの増加は発生しないので、時価総額基準インデックスの長所が一つ失われたことになります。
現在では、時価総額以外を基準としたパッシブ運用が盛んであり、通称スマートベータ(賢い指数)と呼ばれています。
過去のリターンが良かった配当・バリュー・小型株などに注目したETFが非常に多いです。
つみたて次郎が愛してやまない次のETF2つも、配当に注目したスマートベータ系ETFです(持ってないけど)
・バンガード・米国高配当株式(VYM)
・ウィズダムツリー 米国大型株配当ファンド(DLN)
これら2つは、売買回転率が非常に低いという特徴があります。直近だとVYMは7%、DLNは11%しかありません。
参考にVIGは19%、HDVは49%です。通常スマートベータは、株価や配当の変動に伴い入れ替えや調整が発生するので、売買回転率は高くなります。
ですが、前回お伝えしたとおり、売買回転率が直接的にリターンに悪影響を与えることはありません。
なのに、なぜつみたて次郎は売買回転率を気にするのでしょうか?
基本的に売買回転率が高いということは、スマートベータで定めている条件がそれだけ厳しいことを意味します。
分かりやすいように、株式市場を魚に例えます(笑)
時価総額基準インデックスの場合、好き嫌いなく頭からしっぽまで全て買い付けます。
ですが、その中にはおいしくない部分もあるから、機械的な条件を付けて選別しているのがスマートベータです。
シーゲル流に考えれば、人気が高すぎるグロース株と、見かけだけ高配当なバリュー株は避けなければなりません。
つみたて次郎が高配当戦略にひどく感心しているのは、配当利回りを基準にすることで、次の2つを同時に行うことができるからです。
①株価が割高な低配当・無配当株を排除
②業績悪化で無配転落したボロ株を排除
魚の例でいえば、うまく頭と尻尾を除外して、真ん中の身の部分だけを購入できるということになります。
ただし、あまりに目利きを厳しくすると、極真ん中の部分だけを抽出することになりかねません。スマートベータの弱点は、市場と異なる部分にフォーカスするため、本来負う必要のないリスクを背負ってしまうことです。
このような感じで、真ん中ばかりを食べようとすると、必然的に偏った内容になってしまうので、リスクが大きくなってしまうことになります。
選別の条件が厳しい場合、必然的に売買頻度は大きくなり、売買回転率は上昇します。
ようするに、売買回転率が高いということは、それだけ市場と異なるリスクを背負っているということを意味しているのです。
つみたて次郎は時価総額基準インデックスがあまり好きではありませんが、残念ながら非常に完成された投資法であることは間違いありません。
時価総額基準から大きくずれたポートフォリオを保有することは、良くも悪くも平均から乖離していくことを意味しています。
真ん中のおいしそうな部分、すなわち明らかな優良銘柄ばかりで組むポートフォリオは、かえってハイリスクではないかと懸念しています。
つみたて次郎が売買回転率にこだわるのは、できるだけ幅広いエリアをカバーしたスマートベータが理想だと思っているからです。
そのため、頭や尻尾として切り捨てる部分が少ない、VYMやDLNを高く評価しているのです。
参考記事「DLN vs VYM」
VYMやDLNは、「引き算のスマートベータ」ともいえる逸品なのです。
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楽天DLN欲しい
いつもためになる記事ありがとうございます。
少し前に欲しいと書かれていたバンガードVYMが楽天から出るようですね。
楽天バンガードファンドシリーズ第四弾、楽天米国高配当株式インデックスファンド
詳しいことは判りませんが積立NISAの対象ではないんでしょうね…
いつもコメントありがとうございます。
楽天VYMの登場で、一人お祭り状態です(笑)
おっしゃる通り、積立NISA採用は当面難しいかと思います。
一番可能性があるのは、楽天証券のiDECOかと思います。