eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー,除く日本,3地域均等型)の信託報酬がそれぞれ0.15336%→0.1296%に引き下げ!
つみたて次郎です。
eMAXIS Slimシリーズを運用する三菱UFJ国際投信㈱より、投資信託の信託報酬引き下げについて発表されました。
外部リンク…業界最低水準の運用を目指す『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施
3本のファンドについて、2019年8月9日より以下のように変更されます。
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
・eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
略称 | 変更前 | 変更後 |
オールカントリー | 0.15336% | 0.1296% |
除く日本 | 0.15336% | 0.1296% |
3地域型 | 0.15336% | 0.1296% |
今回の引き下げは、たわらノーロード全世界株式に対抗したものかと思われます。
参考記事…たわらノーロード全世界株式が信託報酬0.1296%で新登場!eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)よりも低コスト!
オールカントリーとたわら全世界株は同じベンチマークに連動していますが、これで信託報酬も横並びで最安値になります。
除く日本と3地域型についてはもともと最安値でしたが、eMAXIS slimシリーズはベンチマークが異なっていようと他社の類似ファンド最安値まで引き下げる方針ですので、同様の水準まで下げたと思われます。
自作ポートフォリオと比較
全世界株式ファンドの内訳は、日本株・先進国株・新興国株の3つに分かれるため、各ジャンルのファンドを1つずつ組み合わせることで、ほぼ同等のポートフォリオを再現することができます。
一昔前までは、自分で組み合わせたほうが安かったりしていましたが、最近はだんだん差が縮んていたり、元々の信託報酬が全体的に下がっていることもあり、わざわざ自作ポートフォリオを作るメリットが小さくなりつつあります。
今回の信託報酬引き下げを踏まえ、全世界株ファンド単体VS自作ポートフォリオを比較していたいと思います。
同じeMAXIS Slimシリーズである、下記3ファンドを基準に考えてみます。
・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)…0.1512%
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス※…0.107892%
・eMAXIS slim 新興国株式インデックス…0.20412%
※先進国株については受益者還元が発動しているため実際の信託報酬はもっと低くなりますが、今回はあくまで基本の数値で計算することにします。
参考記事…eMAXIS Slim 先進国株式の純資産総額が500億円を突破!受益者還元発動で信託報酬が(若干)引き下げ!
そして、全世界株式の3種は以下のような内容で構成されています(2019/6/28現在)
略称 | 日本 | 先進国 | 新興国 |
オールカントリー | 7.1% | 80.9% | 11.9% |
除く日本 | 0% | 87.1% | 12.9% |
3地域型 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
3地域型については全て同じ比率で固定されていますが、オールカントリー及び除く日本については浮動株調整後時価総額加重に基づく比率ですので、日々変動しています。
あくまで直近のレポートから引用した目安である点にはご注意ください。
全世界株式ファンドを単体で1本持った場合と、自分で同等のポートフォリオを再現した場合の信託報酬は以下のようになります。
略称 | ファンド単体 | 自作ポートフォリオ |
オールカントリー | 0.1296% | 0.12231% |
除く日本 | 0.1296% | 0.12031% |
3地域型 | 0.1296% | 0.15425% |
オールカントリー及び除く日本については、ギリギリ自作したほうがまだ信託報酬は安く済むようです。
3地域型については、旧信託報酬(0.15336%)の時点でほとんど差がない状況でしたが、今回の引き下げによって自作よりも大分安くなるという逆転現象が発生しています。
実質コスト等や繰り上げ償還リスク等は別途考慮しなければなりませんが、同じポートフォリオを維持する前提であれば、ファンド本数が少ないほどリバランスに伴う課税機会を減らすことができ、管理の手間も省けるというメリットがあります。
コストが高めになりがちな新興国株が3割以上組み込まれて信託報酬0.1296%ということを考えると、3地域型は相対的に見てかなりオトクなファンドであるといえそうです。
日本株・先進国株・新興国株に均等分散したいという人はもちろん、新興国株式比率を高めにしたい人にとってもパーツ取りファンドとして利用できるかもしれません。
全世界株式ファンドの波が来ている
これまで国内のインデックスファンドといえば、日本株・先進国株・新興国株という3ジャンルに分けられることが多く、上記を総括した全世界株式ファンドというのはあまり人気のあるジャンルとは言えませんでした。
しかしインデックス投資の基本は、できるだけ幅広い分散投資によって平均点を得るのが目的であることや、投資信託という金融商品の性質を考えれば、できるだけシンプルな運用法であるべきだと考えています(つみ次郎のようなマニアを除き)
ある意味その王道といえるのが全世界株式インデックスファンドであり、信託報酬がわずか0.1296%という水準に到達するとは、少し前まで全く想像もできない状況でした。
投資信託を用いたインデックス投資を広めていくうえで、最も重要なジャンルの1つであると個人的には考えていますので、今回の引き下げによってさらに盛り上がりを見せてくれたら嬉しいですね。
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