eMAXIS Slim 先進国株式の純資産総額が500億円を突破!受益者還元発動で信託報酬が(若干)引き下げ!

つみたて次郎です。

インデックスファンドとして非常に人気の高いeMAXIS Slim 先進国株式インデックスですが、先日純資産総額が500億円を突破しました(パチパチ)

これだけなら大したニュースではありませんが、eMAXIS Slimシリーズの場合、大きな意味を持つことになります。

まずは三菱UFJ国際投信㈱より発表されたレポートをご覧ください。

外部リンク…『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』純資産残高500億円突破に伴い現行の業界最低水準をさらに下回る信託報酬率を適用

受益者還元という制度が発動し、信託報酬が現状の0.107892%より実質的に引き下がることになります。

 

出典「三菱UFJ国際投信

今回500億円を突破したので、これまで税込0.10792%(税抜0.0999%)だった信託報酬が今後は0.102492%(税抜0.0949%)になります…というわけではありません。

あくまで500億円を超えた部分の信託報酬率が引き下げられるだけなので、現時点ではほんの少しだけ実質的な信託報酬が下がったくらいに考えておきましょう。

 

受益者還元を考慮した信託報酬

2019年7月12日現在、Slim先進国株の純資産総額は507.52億円となっています。

これをもとに、受益者還元を考慮した実質的な信託報酬を計算してみます。

といっても小学生レベルの算数ですぐ求めることができます。

500億円未満の部分については0.107892%、500億円超~1,000億円未満の部分は0.102492%なので、

500億円 × 0.107892% + ( 507.52億円 – 500億円 ) × 0.102492%5471.673984万円

これが全体に発生する信託報酬額になります。

これを純資産総額で割ってやればいいので、

5471.673984万円 ÷ 507.72億円0.10777%

つまり純資産総額が507.72億円の場合、実質的な信託報酬は0.10777%になります。

ただし、純資産総額は日々上下に動くものなので、あくまで目安としての数値です。

今後も純資産総額をうまく伸ばしていくことができれば、さらに信託報酬は引き下がっていきますし、逆に500億円を切るようなことがあればこれまでの0.107982%に逆戻りです(それでも激安ですが)

参考に、純資産総額が1,000億円・2,000億円になった際の実質的な信託報酬も載せておきます。

1,000億円の時…0.105192%
2,000億円の時…0.101142%

Slim先進国株のポテンシャルを考えれば十分到達可能な水準ですので、このくらい純資産総額が積みあがってくれば受益者還元の威力も発揮されてくるのではないかと思います。

上記の数値は全て消費税8%が前提になっている点にはご注意ください(笑泣)

 

 

その他eMAXIS Slimについて

受益者還元が導入されているのは、Slim先進国株式だけでなく、eMAXIS Slimシリーズで全般で広く採用されています。

参考に、主力ファンドの純資産総額及び信託報酬を掲載します(2019/7/12現在)

略称 資産(億) ~500億円 500~1,000億円 1,000億円~
TOPIX 91.54 0.151200% 0.145800% 0.140400%
先進国 507.52 0.107892% 0.102492% 0.097092%
新興国 181.87 0.204120% 0.198720% 0.193320%
S&P500 235.13 0.162000% 0.156600% 0.151200%
オールカントリー 47.93 0.153360% 0.147960% 0.142560%
8資産 289.55 0.151200% 0.145800% 0.140400%

 

いずれもワンステージ上がるごとに税込0.0054%(税抜0.005%)の引き下げ幅になっています。

現時点で500億円に届いているのはSlim先進国株のみですが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)及びeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は大体半分くらいに到達しており、そう遠くないうちに受益者還元が発動することになりそうです(それでも数年後くらい?)

 

受益者還元は素晴らしいと思う

eMAXIS Slimシリーズは現在、全てのファンドで信託報酬最安値をキープしていますが、あくまで同率最安値に過ぎず、他には<購入・換金手数料なし>ニッセイなどの強力なライバルが存在しています。

しかし受益者還元のおかげで、少なくともSlim先進国株においては単独最安値といってもよい状況になりました。

現時点ではほんのわずかな差ですが、今後の純資産総額の伸び次第では無視できない差になるでしょう。

また、投資信託を選ぶ基準としてよく言われるのが「信託報酬が一番安いのを選べ!」という文言ですが、現在では複数最安値商品が横並びになっており、特に初心者にとっては迷ってしまう要因になりがちです。

カタログスペック上では各社ほぼ横並びなので、今までは実質コスト純資産総額といった不確定要素を考慮して比較する必要がありましたが、受益者還元によるコスト低下は確実に有利に働きます。

eMAXIS Slimなら受益者還元があるから見かけ上の信託報酬より若干安くなるよ!」という後押しをすることが可能になったのは非常に大きく、アピールポイントとして強力です。

また、運用会社である三菱UFJ国際投信㈱にとっても、これまで集めてきた500億円の部分からは今まで通りの信託報酬を徴収することができます。

大元の信託報酬を下げてしまうと、その後純資産総額が伸びなければ徴収できる信託報酬額が減ってしまいますからね。

純資産総額が増えることでコスト削減効果も期待できるので、「純資産額が増えるにつれ徐々に信託報酬が下がっていく」というシステムはかなり理想的ではないかと思います。

もちろんファンドホルダーにとっても、少しずつとはいえ信託報酬が減っていくのは好ましいですし、受益者還元という制度の性質を考えれば、既存ホルダー同士で横並びの結束が生まれるのもよい傾向だと思います。

既存ホルダーが、新規ホルダーを呼び込むことで宣伝効果も期待できます(笑)

純資産総額が増加するのは、運用会社・顧客の双方にメリットがありますので、純資産額に応じて信託報酬が変動する受益者還元という制度は素晴らしいですね。

受益者還元型が投資信託業界のスタンダードになる…とまでは思いませんが、少なくとも低コストインデックスファンドにおいては、他社が導入してeMAXIS Slim独り勝ち状態を阻止するというのは十分あり得そうです。

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