SBI全世界株の信託報酬が0.15%→0.109%に引き下げ
つみたて次郎です。
先日SBIアセットマネジメント㈱より、信託報酬の引き下げについて発表がありました。
外部リンク…運用管理費用(信託報酬)の引き下げについて SBI・全世界株式インデックス・ファンド/愛称:雪だるま(全世界株式)
具体的には、SBI・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬が以下のように変更されます。
0.15%→0.109%
これにより、全世界株式ファンドとしては最安値となりました。
SBIアセットマネジメントといえば、先月にSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの新規設定を発表したことでちょっとした話題になりましたが、既存ファンドについてもテコ入れをしていこうという思惑が読み取れます。
競合ファンドについて
SBI全世界株と競合するファンドとしては、主に以下の2つが挙げられます。
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
各データについておさらいしてみます。(2019/9/9現在)
SBI全世界株 | 楽天VT | オールカントリー | |
連動指数 | FTSE系 | FTSE系 | MSCI系 |
間接投資先 | 複数ETF | VT(ETF) | 現物運用 |
信託報酬 | 0.109% | 0.2196% | 01296% |
純資産総額 | 33億円 | 259億円 | 67億円 |
SBI全世界株と楽天VTについては、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動しており、直接競合する商品であるといえます。
オールカントリーについてはMSCIオール・カントリー・ ワールド・インデックスなので連動指数こそ違うものの、全世界株式インデックスというジャンルで考えれば非常に似た内容になっています。
各ファンドと比較した場合の弱みが比較的はっきりしているため、それぞれ確認していきましょう。
楽天VTとの比較
楽天VTは、バンガード社の海外ETFであるバンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)のみを投資対象とするというシンプルな運用方法になっていますが、SBI全世界株については以下3つのETFを組み合わせて指数連動を目指すという歪な内容になっています。
海外ETF名称 | 投資先 |
シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF | 米国株 |
SPDR ポートフォリオ・ワールド(除く米国)ETF | 先進国株(除米) |
SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF | 新興国株 |
それぞれの連動指数は本来FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスとは直接関係ないため、指数への連動性という意味では不安が残ります。
また、楽天VTはVTの代替品という明確な役割が存在していますが、SBI全世界株が間接投資しているETFはお世辞にもメジャーであるとは言えませんので、その意味でも人気が出ないのは必然といえます。
逆に言えば、SBI全世界株の強みは圧倒的な信託報酬の低さに集約されているともいえますけどね。
オールカントリーとの比較
現物運用を行うオールカントリーと比較した場合、三重課税問題という致命的なデメリットが目立ってしまいます。
参考記事…三重課税問題について
これは米国籍ETFを用いて米国株以外に投資しているSBI全世界株と楽天VTが共通する弱点となっており、相対的にオールカントリーが有利になる要素です。
また、SBI全世界株は2017年12月、オールカントリーは2018年10月が設定日となっていますが、既に純資産総額では逆転されており、不人気投信の名を欲しいままにしています。
つみ次郎の感想
今回SBI全世界株が最安値になりましたが、元々全世界株式インデックスというジャンルにおいては、次のような住みわけが成立しているように感じます。
Slimブランド&現物運用の安定感
→eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
vanguardブランド&王道を往くVT
→楽天・全世界株式インデックス・ファンド
結局のところ、SBI全世界株は中途半端な要素ばかり持っており、今回の信託報酬引き下げも運用の歪さに対する不安や三重課税問題を払拭するほどのインパクトはないと思っています。
もちろん引き下げという英断を下したSBIアセットマネジメントは評価したいところですが、先日話題になったSBIVOOとはかなり対照的な状況であるといえます。
まとめ
三菱さん、SlimS&P500とSlimオールカントリーの引き下げ発表マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
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