楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の純資産総額推移を比較

つみたて次郎です。

米国株に投資できる投資信託として有名な商品に、次の2つがあります。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンド
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

 

低コストで米国市場に幅広く投資したい場合、実質的にこの2択といってもいいほどです。

 

基本情報比較(2018/9/18現在)

楽天VTI SlimS&P500
投資対象 米国全域(VTIと同等) S&P500
信託報酬 0.1696% 0.1728%
運用会社 楽天投信投資顧問 三菱UFJ国際投信
設定日 2017/9/29 2018/7/3
純資産額 約213億円 約30億円

 

若干投資対象は違っていますが、どちらも時価総額に基づき米国市場を幅広くカバーしているため、ほぼ同等の商品と考えてよいでしょう。

信託報酬も非常に似ているため、とても悩ましい選択となります。

ちなみにつみたて次郎は選べないのでどちらも並行して投資しています(笑)

詳しい比較記事もありますので、併せてごらんください。

参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs 楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)

 

今回は上記2商品の純資産総額にスポットを当てて考察していきたいと思います。

純資産総額が多いほど、信託報酬以外に発生する隠れコストを抑えられることが期待できます。

また、ファンドに資金が多いほど運用会社にとっても利益を生み出すことになるため、繰上償還の可能性も低くなります。

類似ファンドを比較する際では、信託報酬の次に重要な要素であるといえます。

現状では、楽天VTIが約213億円・SlimS&P500が約30億円と大きな差が開いていますが、設定年月日が大分違うことを考えれば、SlimS&P500の増加率は驚異的です。

楽天VTIも楽天投信投資顧問㈱の人気看板商品ですので、非常にハイレベルな戦いを繰り広げています。

 

月末時点の純資産総額推移

年月 楽天VTI SlimS&P500
2017/10 11.31億円
2017/11 23.86憶円
2017/12 37.71億円
2018/1 63.05億円
2018/2 74.53億円
2018/3 86.04億円
2018/4 103.56億円
2018/5 118.29億円
2018/6 136.62億円
2018/7 161.96億円 9.31億円
2018/8 193.56億円 23.74億円
2018/9/18 213.49億円 29.53億円

 

各純資産総額の推移をまとめてみました。直近以外は月末時点の純資産総額を表しています。

米国株のリターンによっても変動するため、純資産総額の増加=ファンド流入額の増加ではありませんが、大体の傾向はつかめると思います。

もちろん注目したいのは、SlimS&P500が登場した2018/7/3以降の推移についてです。

意外だったのが、SlimS&P500の登場後も楽天VTIの増加スピードが鈍化していない点です。

むしろ7月以降、楽天VTIの増加率が上昇しているようにも見えます。(基準価格自体の増加を考慮しても)

個人的には、楽天VTIとSlimS&P500は真っ向からぶつかる競合商品であると考えていたため、楽天VTIへの影響が軽微なのは非常に驚きました。

現時点ではまだまだ楽天VTIが優勢ですが、SlimS&P500も登場して間もないため、今後の動きには注視していく必要があります。

 

 

とはいえ、今後SlimS&P500が怒涛の追い上げを見せる可能性も十分考えられます。

仮にSlimS&P500が楽天VTIを追い越すと改定した場合、次のようなシナリオが考えられそうです。

 

実質コストに大きな差が出る

信託報酬にはほぼ差がありませんが、それ以外の隠れコストに差が出る可能性があります。

特に楽天VTIは、海外ETFであるVTIを買い付けるという独自の運用方法であるため、予想外のコストが発生する可能性が十分考えられます。

つい昨日、楽天バンガードシリーズの第1回運用報告書が発表されており、楽天VTI含め信託報酬外の隠れコストが判明しました。

参考記事…楽天バンガードの第1回運用報告書から実質コストを計算してみる【VT・VTI・VWO・VYM】

楽天VTIの隠れコストは0.1416%でした。

元々の信託報酬0.1696%と合わせた実質コストは0.3112%となります。

米国株ファンドとしては、残念ながら高めの水準であるといえます。

SlimS&P500はまだ決算を迎えていないため不明ですが、それに比較的近いeMAXIS Slim 先進国株式ファンドの隠れコストは0.0796%ですから、倍近い差になっています。

また、比較的コストがかかりやすい米国外先進国株式を含めてこの水準なので、SlimS&P500の隠れコストが楽天VTIを超えてしまう可能性は低いと思います。

とはいえ、初年度の決算のため参考程度に考えるべきで、来年以降は減少していく可能性も十分あります。

少なくとも現時点では、はっきりと優劣を決められるような状態ではないでしょう。

 

ブランド力に差が出る

投資信託は、人気があること自体が強みになるネットワーク効果が働きます。

どんなに優れた投信でも、知名度がなければ資金が流入せず運用が不安定になってしまいます。

そのため、ファンド自体のブランド力も大きな考察材料になります。

それぞれの商品が持っているキャッチコピー的なフレーズをまとめると次の通りです。

 

楽天VTI…楽天、バンガード、VTI
SlimS&P500…三菱、eMAXIS Slim、S&P500

 

賛否両論あるかと思いますが、個人的には楽天VTIのほうが全体に強めな気がします。

特に海外ETFであるバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)を全面的にアピールできる点は非常に魅力的です。

その一方、S&P500指数はあのバフェット氏が推奨していることもあり、何かのきっかけがあれば一気に広まる可能性を秘めています。

そうなれば当然、S&P500に投資できる最安値投信としてSlimS&P500にもスポットが当たることになります。

とはいえ、米国株インデックスファンド自体が所詮はマイナージャンルであり、ブランド力の差がもたらす影響は軽微であると考えています。

 

SlimS&P500が認知されていない可能性

上記と被りますが、現在楽天VTIを自動積立しているような人であれば、そもそもSlimS&P500が誕生したことを知らない人も結構いるでしょう。

今後少しずつSlimS&P500の知名度が上がれば、楽天VTIから乗り換えを検討する人も増えていくと思われます。

面倒だから乗り換えや積立先の変更はしないという人も当然いると思いますが、楽天VTIに投資している時点でそこそこの投資マニアといえますから、じっくり比較検討したい人が多数派ではないでしょうか?

数ある投資信託の中から楽天VTIにたどり着いた人が、SlimS&P500の存在を見逃すとは考えにくいですからね。

 

今後の推移に注目

SlimS&P500はまだ登場して間もないため、今後の動向を見守っていく必要があります。

楽天VTIですら、登場してまだ1年経過していないですからね。

両方に投資している身しては、SlimS&P500にもっと頑張ってもらい、楽天VTIと互角の勝負を繰り広げてもらいたいなと思っています。

参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs 楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)

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どっちつかずの次郎

楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の純資産総額推移を比較” に対して1件のコメントがあります。

  1. ぱんかす より:

    楽天VTIはVTI本家の信託報酬がまだ下がると思うのでその分下げれるかもしれないですね。

  2. つみたて次郎 より:

    ≻≻ぱんかす様

    今後の引き下げは十分考えられそうですね。とはいえVTIの場合現時点でも0.04%と低いので、引き下げ幅はかなり小さそうです。

  3. いつも拝見させていただいております より:

    まぁ、どっちも売れてるので、どっちが勝とうが良いかと思いますが、
    つみたてNISA開始時からあった&楽天証券iDeCoにラインナップの分だけ
    高めの隠れコストが判明しても楽天VTIの方が当面有利ではないかと。
    Slim S&P500はiFree S&P500に現状リターンで負けているようなので、
    推定隠れコストに先進国株を参考に出すのはどうだろうと思いますね…。

  4. つみたて次郎 より:

    楽天VTIが当面有利なのは間違いなさそうですね。
    先進国株は単にeMAXISの中で最も近いものを挙げてみましたが、S&P500はマザーファンドの規模等謎が多いので、大きく違う数字になる可能性は十分考えられそうです。

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