【NISA】令和2年度税制改正大綱について、お話しします

つみたて次郎です。

令和2年度税制改正大綱が先日発表されました。

外部リンク…令和2年度税制改正大綱(自民党LibDems)

投資クラスタとして注目したいのは、当然ながら小額投資非課税制度(NISA)に関する部分です。

第一章「令和2年度税制改正大綱の基本的な考え方」では、以下のように記載されています。

非課税期間5年間の一般NISAについては、より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促す観点から、積立を行っている場合には別枠の非課税投資を可能とする2階建ての制度を見直したうえで、口座開設可能期間を延長する。投資対象商品については、1階部分はつみたてNISAと同様とし、2階部分は、現行の一般NISAから高レバレッジ投資信託など安定的な資産形成に不向きな一部の商品を除くこととする。また、非課税期間20年間の現行のつみたてNISAについては5年延長し、ジュニアNISAについては、利用実績が乏しいことから延長せず、新規の口座開設を2023年までとする。

出典「令和2年度税制改正大綱13~14頁

ざっくりまとめると以下の通りです。

ジュニアNISA→2023年で終了
つみたてNISA→5年延長
一般NISA→2024年より新制度に移行

これまで出ていた情報とほぼ一致していますね。

参考記事…つみたてNISAがいつ始めても非課税期間20年を確保できるようになる
参考記事…「積み立てNISA」について、お話しします

つみ次郎はつみたてNISAのみを利用していますが、特に恩恵等はないです(棒)

第二章「令和2年度税制改正大綱の具体的内容」にて詳しく触れられていますので、制度別に考察していきたいと思います。

 

ジュニアNISA

大綱より一部引用します。

未成年者口座内の少額上場株式に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)について、次の措置を講ずる。
①未成年者口座開設可能期間は延長せずに終了することとし、その終了に合わせ、令和6年1月1日以降は、課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができることとする。
出典「令和2年度税制改正大綱22頁

ジュニアNISAが利用できるのは2023年までとなりますが、そこから5年間は問題なく非課税で運用することができます。

また、2024年(令和6年)以降は非課税で引き出せるという事がさらっと書かれていますが、これは素晴らしい措置です。

ジュニアNISAは本来、加入者が18歳になるまで原則引き出すことができませんが、今回の変更によりそのデメリットが大きく緩和されました。

既存利用者はもちろん、これからジュニアNISAに加入する人は後数年だけ待てば自由に引き出せる非課税口座を確保できることになりますので、むしろジュニアNISAの利用価値は跳ね上がったといっていいでしょう。

つみ次郎(25歳)も加入したいです(半ギレ)

 

つみたてNISA

つみたてNISAについては、シンプルに5年延長という措置が行われます。

これまでは2037年での時限措置でしたが、今後は2042年までの時限措置ということになります。

つまり2023年までにつみたてNISAを利用すれば、20年間の非課税枠を確保できるという事になります(2023~2042年で20年間)

既存利用者に特に恩恵はありませんが、これからつみたてNISAを利用する人には朗報ですね。

※12月22日追記…既存利用者にとっても投資枠が増えるというメリットにつながります。
参考記事…つみたてNISAの非課税枠は最大1,000万円?

つみたてNISA制度が順調に普及していけば2042年→2047年?→2052年?みたいな感じで延長していく事になりそうですが、今後の制度改善を考えていけば最も無難で手堅い選択だと思います。

つみ次郎としては一切不満はありません。

 

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新NISA(仮)

最も多くの人が注目しているのは、一般NISAの後継となる新しいNISA制度の内容についてでしょう。

大綱では特定非課税累積投資契約(仮称)となっていますのが、本記事では新NISAと表記します(笑)

一般NISAと比較して2階建てになっているのが大きな特徴です。

・1階部分(20万円)→つみたてNISAと同等
・2階部分(102万円)→高レバ投信等を除いた諸々

投資可能額は合計で年間122万円・非課税期間は5年間となっています。

これまでの一般NISAと共通する部分も多いですが、1階部分を埋めないと原則2階部分を利用できないこと、レバレッジ投信等には投資できないという点が大きな相違点になります。

 

また、2階部分の利用について気になる部分がありましたので引用します。

(注2)上記(注1)(a)に掲げる者は、その年分の特定累積投資勘定(仮称)において、6月以内に公募等株式投資信託の受益権を受け入れている場合に限り、特定上場株式等の受け入れをすることができるとする。
出典「令和2年度税制改正大綱21頁

ようするに1階部分(20万円)を半年以内に全部埋めた人だけ2階部分使えるよという事かと思います。

半年で20万円ということは年間で40万円となりますので、上記の条件が厳しい人は素直につみたてNISAやれやということになります(辛)

ただし例外があるようで、令和6年(2024年)1月1日前に非課税口座を開設していた者または同日前に上場株式等の取引を行ったある者については上記の制約が適用されないようです。

つみ次郎含めかなりの人が該当しますので、1階を無視して2階だけ利用する…という利用者もかなり現れることになるでしょう。

この場合投資可能額は年間102万円までとなってしまいますが、シンプルに劣化一般NISAとして活用することができます(煽)

1階を無視して利用できてしまうなら、そもそも2階建てにする意味があまりないような気がするのはつみ次郎だけでしょうか?

2階建てという体裁を保ちつつ実質的にはこれまでの一般NISAを続けたい…という思惑があるようにしか思えません(笑)

 

また、日本経済新聞の記事によれば1階部分については非課税期間終了後つみたてNISAに移管できると記載されています。

外部リンク…老後資産づくり支援へ半歩前進 税制改正大綱

つみ次郎の頭では大綱から読み取ることができせんでしたが、もし可能であれば新NISAで5年運用→つみたてNISAに移管して20年運用という形で合計25年間非課税で運用できることになります。

もしロールオーバー等が可能であれば、かなり有利な条件で非課税運用が可能になってしまいますし、新NISA→つみたてNISAという複雑な利用法を推奨することになりかねません。

つみたてNISAと一般NISAが直接交わらない制度であるように、つみたてNISAと新NISAについてもハッキリ2つに分けて、シナジー(かっこいい)を意識させないようにするべきだと思います。

 

つみ次郎の感想

制度別に見たつみ次郎の感想は以下の通りです。

ジュニアNISA→利用者は超ラッキー。最後までしゃぶり尽くせ!

つみたてNISA→シンプルかつ手堅い対応。流石俺たちのつみたてNISA!

新NISA→利用法のバリエーションが無駄に複雑すぎて辛い

ジュニアNISAは有終の美を飾り、つみたてNISAは手堅く続投…そしてよく分からない新NISAの登場でバラエティ豊かです(白目)

新NISAについては2階建ての時点で複雑なうえに、利用者の状況に応じて最適な利用方法が大きく変わってきそうな制度設計で、何1つ褒められる要素がありません(辛辣)

これまで以上につみたてNISAを贔屓する機会が増えそうです(笑)

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第四章「積立ニ〇サ!野獣と化した次郎」

【NISA】令和2年度税制改正大綱について、お話しします” に対して1件のコメントがあります。

  1. 鈴木朋子 より:

    つみたてNISA(現状) → 一般NISAを5年 → つみたてNISA(残り18年分)
    という風に切り替えて行く方法も取れるという事でしょうか
    そうした場合のデメリットは何かありますか?

  2. つみたて次郎 より:

    >>鈴木朋子様

    口座管理が面倒になる以外のデメリットはないと思いますが、制度同士の兼ね合いが把握しきれていないのでちょっと分からないですね…。
    質問から少し離れてしますが、「2023年まで一般NISA→2024年からつみたてNISA」の場合と「2018年からつみたてNISA」の場合を比べた場合、前者の方が有利になってしまうのが個人的には気になります。
    今後もつみたてNISAが延長され続ける限りこの問題は発生するので、つみたてNISAと新NISAの利用年度合計で判定したり、もしくはつみたてNISAを20年超えても利用できるようにしないと不公平感があると思います。

    (12月20日追記)
    Twitterにて「つみたてNISAを20年超えても利用できる」という趣旨のツイートを見ました。
    https://twitter.com/tsumitatejiro/status/1207792147606298625?s=20
    正しいとすれば、つみたてNISAと一般NISA(新NISA)の利用可能年数は合計で同じになりますので、単にどちらの制度が自分にとって有利かで判断すればよいといいという事になります。

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