米タバコ企業、MOとPMの合併検討について

つみたて次郎です。

少し前に界隈を盛り上げた、MOPMの合併について考察していきたいと思います。

外部リンク…フィリップ・モリス、アルトリアと全額株式交換での合併で協議中

それぞれアルトリアグループ(MO)フィリップモリス・インターナショナル(PM)という形で投資できる米国株であり、米国株クラスタの間でも賛否両論な銘柄でもあります。

元々この2社は2008年まで同じ会社でしたが、訴訟リスクの高い米国内事業部門をMO、その他海外事業部門をPMとして分離させています。

それぞれ販売しているブランドもMarlboro(マルボロ)を筆頭に共通しており、なかなか見かけない関係性といえます。

そして今回、この2社が再びくっつこうとしています。

ただし、まだ正式な合意には至っておらず、タバコメーカーの特性上、規制当局の判断にもゆだねられるため、現時点ではあくまで協議中という段階です。

上記のニュースが発表されたことで、MOPMの株価も面白いことになっています。

 

 

今回の合併は、あまり歓迎されていないような感じですね。

最初からMOとPM両方に投資している人は関係ありませんが、米国内だけがいいからMO・米国外だけがいいからPMという判断で投資をしていた人は、再考する必要がありそうです。

また、利益のほとんどを米国外で稼ぐPMは、80/20 company(80%以上を米国外で稼ぐ企業)に該当しており、税制上の優遇措置があります。

そのため、通常だと配当金にかかる米国課税分10%がほぼ免除されており、配当狙いの人には魅力的でしたが、合併が現実となればその優位性はなくなります。

元々、販売地域に応じて上場企業が分割するというのはあまり見かけない光景なので、これまでがイレギュラーだと考えるのが自然ですが、タバコ事業という特殊性も相まって、なかなか複雑な状況といえますね。

それぞれの特徴をまとめるとこんな感じでしょうか?

 

MO
・為替リスクが小さい(米ドル基準で)
・米国内における訴訟リスクが大きい
・成長率は低いが安定して稼げる

PM
・為替リスクが大きい(米ドル基準で)
・海外の規制に左右される
・新興国での成長が見込める
・税制上の優遇がある

 

合併が実現すれば上記の棲み分けがなくなり、グローバル展開する巨大タバコ企業が再び誕生することになります。

消極的な理由で分離していたイメージが強いので、合併することによる強みというのはあまりないような感じはします(辛辣)

一応、スケールメリットによるコストカットは見込めると思いますけどね。

 

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B太郎10種ウォッチャーのつみ次郎です。(自己紹介2回目)

米株クラスタで有名なバフェット太郎氏は、通称バフェット太郎10種と呼ばれる米大型株10銘柄を保有しています。

参考記事…バフェット太郎10種を切る!

その10銘柄の中には、MOPM両方存在しており、合併した場合は投資方針の修正が必要になります。

これは、あらかじめ銘柄数を定めて、均等分散またはそれに準ずる固定比率で保有する場合に起こりうる現象です。

もし保有企業同士で合併が行われた場合、次のような選択肢があります。

 

①合併後の企業のウェイトを2倍にする
→実質的なポートフォリオの中身を変えない

②合併後に空いた枠に全く別の企業を採用する
→銘柄数と均等分散というルールを厳守

③保有する銘柄数自体を1つ減らす
→結果的にその他の銘柄に資金が回る

 

合併後に何もアクションを起こさなければ、ほぼ①と同じような状況になり、該当企業のウェイトが大幅に増えることになります。

厳密には均等分散ではなくなるということですね。

バフェット太郎氏も、これまでのバランスを崩さず維持する①を選択し、バフェット太郎9種として再出発する予定みたいです。

外部リンク…【衝撃】フィリップ・モリス、アルトリアと統合か バフェット太郎10種は9種へ

ポートフォリオの見た目は多少悪くなりますが、企業の合併・分離等でその中身を大きく転換させるのは好ましいとは言えませんので、一番無難な選択だと思います。

 

個別株を用いて自分で〇〇10種などをやっているのであれば、自分の好きなように調整可能ですが、均等分散スタイルの投資信託やETFを使っている人は、ほぼ半強制的に②の選択を選ばされることになります。

例えば、米国の高配当株80銘柄に均等分散するSPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式(SPYD)は、MOPMの両方が1.5%ずつくらい組み込まれていますが、合併後だからといって合わせて3%の構成比にはならず、あくまで1社として1.5%の組み入れに収まります。

結果として、企業が合併することで均等分散ポートフォリオにおける構成比率は下がるということになります(分離で逆パターンもあり)

企業の合併・分離という要因で構成比率が変わるのは不自然な感じもしますが、元々均等分散加重というのはそういうものです。

逆に、時価総額加重や配当加重といった組成であれば、直接的に構成比に影響を与えることはありません。

ただし、SPYDは銘柄数が80と比較的多いので、ほんの少しタバコ株の比率が下がる程度の話にとどまります。

銘柄数が少ない均等分散ファンドとかは、大きな影響を受けることになりそうです。

今回の合併とは関係ありませんが、企業合併が起きると大変そうなのは銘柄数が10しかないiFreeNEXT FANG+インデックスとかですかね(笑)

 

タバコ銘柄自体が賛否両論なうえに、MO派・PM派でも意見が分かれそうですし、バフェット太郎氏のように両方持っている人も多数いますので、各々がどのような判断を下すのか注意深くウォッチャーしていきたいと思います(棒読み)

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マルボロ次郎

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