iFree NASDAQ100インデックスが新登場。米大型ハイテク株に投資可能な投資信託。

つみたて次郎です。

今回は、「iFree NASDAQ100インデックス」を分析していきます。

NASDAQ100指数に連動する投資信託です。主な投資対象は米国の大型ハイテク株になります。

同指数に連動する海外ETFとしては、パワーシェアーズQQQが存在しており、米国株クラスタでの人気も非常に高いです。

新興企業が多く上場するNASDAQ(ナスダック)取引所の時価総額上位100銘柄に間接的に投資できます。

上位銘柄はFAAMGを筆頭とする大型ハイテク株がほとんどを占めており、全体の6割近くが情報技術セクターという非常に特徴の尖った内容になっています。

NASDAQ100指数及び実質的な投資対象については、QQQの記事を参考にしてください。

参考記事「パワーシェアーズQQQ 分析

 

今回iFreeNASDAQ100が登場したことで、投資信託でも大型ハイテク株に気軽に投資できるようになりました。

基本的なデータをまとめてみます。

項目 データ
ファンド名 iFree NASDAQ100インデックス
運用会社 大和証券投資信託委託㈱
設定年月日 2018年8月31日
ベンチマーク NASDAQ100
為替ヘッジ なし
信託報酬 0.486%

 

信託報酬は0.486%とやや割高なのが気になりますが、十分許容範囲でしょう。(参考に、海外ETFであるQQQは0.20%)

同じiFreeシリーズからは、iFreeNEXT FANG+インデックス(信託報酬0.7614%)というコンセプトの似ている商品が2018年1月に登場しています。

しかし、今回登場したiFree NASDAQ100インデックスは投資対象がより広いうえに信託報酬も大幅に低いため、相対的に魅力は大きく下がってしまったといえます。

これまで低コストで米ハイテク株のみに投資できる商品はあまりなかったため、有力な投資対象になります。

とはいえ、米国株式市場全体に投資するのであれば、楽天・米国株式インデックス・ファンドeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)といった超低コスト商品が存在します。

米国株式のうち、大型ハイテクグロース株の比率を高める必要がある場合、サテライトとしてポートフォリオの一部に組み込むような使い方が好ましいと思います。

 

 

投資内容や信託報酬などは十分及第点といえますが、問題は運用会社である大和証券投資信託委託㈱の運用スキルです。

同社からは、iFree S&P500インデックスという投資信託が出ており、発売当初はマザーファンドを新設し現物株で運用するという、挑戦的な姿勢で高い評価を得ていました。

しかし現在では、全体の4割強をiシェアーズ・コアS&P500(IVV)という海外ETFが占めており、安定した現物運用とは程遠い状態になっています。(その他iFreeシリーズでも、一部をETFで運用しているのが確認できます)

そのため今回のiFree NASDAQ100インデックスについても、同様の懸念があります。

本来であれば指数に連動する100銘柄の現物株を用意するところを、一部ETFで運用するという可能性です。

もしそうなる場合、QQQで代用するのが自然な推測になります。(IVVもQQQも米ブラックロック運用なので、その点も都合がよさそう)

ETFで代用すること自体は問題ではありませんが、中途半端な運用状況になるのであれば、現物運用orETF運用のどちらかに寄せてほしいというのが投資家としては当然の要求です。

S&P500ですら100%現物運用が困難なのですから、さらにマイナーなNASDAQ100指数では総資産額の面でも厳しいはずです。

個人的にはいっそのこと、現物運用を諦めて100%ETFで運用することを宣言したら面白いと思っています。

ひたすらバンガードのETFを買うだけの「楽天・バンガード・ファンド」シリーズのようなコンセプトですね。

さしずめ「iFree・ブラックロック・ファンド(仮)」でしょうか(笑)

そうすれば、S&P500は現物ではなくIVVで運用が可能になり、NASDAQ100もQQQだけを運用管理すればよいことになります。

iFreeを運用する大和証券投資信託委託㈱の方向性を見ると、低コスト化ではなく他社との商品差別を重視しているイメージがあります。

であれば、海外ETFの数だけ投資信託を新規投入できるファンド・オブ・ETFでの運用は、運用会社にとっても都合がよいのではないかと思います。

投信業界全体の話として、むやみに商品が乱立するのは問題ですが、反対に横並びで低コスト競争が激化するだけというのも良い状況とはいえません。

総資産増えない→採算取れない→やむなく繰上償還という悪循環は、運用会社も個人投資家も不幸になるだけです。

持続可能な長期投資を実現するためにも、投資家は金融リテラシーを高め、運用会社はその需要にあった商品を無理なく投入していけるような、理想的な環境を作り上げていきたいですね。

参考記事「パワーシェアーズQQQ 分析

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NASDAQ次郎

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