iFreeレバレッジS&P500を分析。米国株に2倍レバをかけて投資できる投資信託。

つみたて次郎です。

今回は、iFreeレバレッジS&P500を分析していきます。

大和証券投資信託委託㈱が運用するiFreeシリーズの1つです。

名前の通り、S&P500指数にレバレッジをかけて投資することができます。

基本的な情報をまとめてみます。

項目 データ
ファンド名 iFreeレバレッジS&P500
運用会社 大和証券投資信託委託㈱
設定年月日 2018年8月31日
ベンチマーク S&P500(レバレッジ2倍)
為替ヘッジ あり
信託報酬 0.972%

 

ベンチマークであるS&P500指数は、米国を代表する大型株500社で組成される指数です。米国株式市場の約80%をカバーしており、米国株に関連する指数としては最も有名といえます。

同指数に連動する投資信託としては、同じくiFreeの名前を持つiFree S&P500インデックスや、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)等が存在しています。

S&P500への投資は比較的ポピュラーですが、為替ヘッジがついているS&P500というのは非常に珍しいです。

ちなみに国内ETFでは、日興AM㈱が上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジありが該当します。

さらにもっと珍しいのは、2倍のレバレッジがかけられている点です。

S&P500(為替ヘッジ有)の動きの2倍をするように運用されるため、本来の指数が5%上がると10%上がり、逆に5%下がったときは10%下がるような動きになります。

値動きが2倍になるので、ハイリスクハイリターンな投資対象となります。

また、2倍になるのは1日単位で見た場合なので、長期的には指数の2倍ちょうどの動きにはなりません。

少しあり得ない例ですが、S&P500(為替ヘッジ有)が2日続けて10%ずつ上昇した場合、110%×110%=121%に増えることになります。

もしレバレッジをかけていた場合は、20%の上昇が2日続くので、120%×120%=144%になります。

この時点で、ちょうど2倍のリターンにはなっていないことが分かります。

またその特性から、ジグザグに動くレンジ相場に弱いです。

もし最初に10%上昇し、次の日10%下落した場合、110%×90%=99%に減少します。

しかしこれに2倍のレバレッジをかけていた場合、120%×80%=96%にまで減少してしまいます。

短期的にはS&P500(為替ヘッジ有)の2倍に近いチャートになりますが、長期的にはだんだんとずれていくという点には注意が必要です。(それが上か下かは分かりませんが)

そしてレバレッジ型ファンドの宿命として、先物運用等にかかるコストが大きいことから信託報酬は0.972%と高めになっています。

為替ヘッジコストも上乗せされるため、実質コストはかなり高くなることが予想されます。

 

 

今までレバレッジファンドは、レンジ相場で減価するという特徴や、割高な信託報酬などから、長期保有には向いていない資産としての認識が強くありました。

FX等もそうですが、レバレッジをかけるということはハイリスクハイリターンな投資になることを意味するため、注意喚起がより強調されることが多いです。

また、インデックスファンドの世界最大手である米バンガード社は、ETFの売買手数料無料化を発表しましたが、投機性の高い商品は除外するという意味でレバレッジ型ETFは無料化されていません(笑)

そんなレバレッジ型ファンドですが、複数の商品を組み合わせリバランスする前提であれば、長期保有にも耐えうるという意見も出ています。

日本においては米国株ブロガー、hiro氏によって広く浸透し、現在ブームになりつつあります。

参考記事「ROKOHOUSE可変レバレッジド・ポートフォリオを斬る!

海外ETFでは、SPXLUPROを用いることでS&P500にレバレッジをかけて投資することが可能でした。(どちらも3倍)

しかし投資信託では、類似の商品が存在していなかったため、今回の新規投入は大きな意味を持ちます。

個人的には為替ヘッジをつけた理由が良く分かりませんが、面白い商品であることには間違いありません。

むしろS&P500が暴落する局面では円高になりやすく、株安&円高で大きな下落になる局面が多いので、為替ヘッジをつけることでボラティリティを抑える効果が期待できます。

レバレッジポートフォリオのキモは、リスクに対するリターン(=シャープレシオ)の最大化を目指すことですから、為替ヘッジがプラスに働く可能性もあるかもしれません。

当然ながら、為替ヘッジにかかる金利コスト等との兼ね合いも考慮していく必要もあるので、どなたか頭の良い方がいれば素晴らしいポートフォリオを発見できるかもしれません。(完全に他人任せ)

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レバレッジ次郎

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