理論通り相場は動かない。理論通り人間は動けない。
つみたて次郎です。
投資といえば難しい理論やテクニックを駆使して戦うようなイメージがありますが、投資法によってはあまり気にせず行うこともできます。
私が実践しているようなインデックスファンドのバイアンドホールドやロボアドバイザーなどは、誰がやっても同じような成績を得られる手法になっています。
そして手法が簡単な故に、期待リターンやリスクについて語られることが多い分野でもあります。
米国株の今後のリターン?
例えば米国株であれば、インフレ調整後の実質リターンが歴史的に約7%(税引前)であったことを前提に計算されたりします。
しかし現在、米国株は歴史的な割高であり、今後の数年のリターンはインフレ調整後でマイナスになるのではないかという試算もあります。
このような状況で、年平均7%という前提を意識しすぎるのは危険かもしれません。
リーマンショックから最大下落率を求める?
リーマンショックでは多くの資産クラスが半減したという事実に基づき、最大下落幅が求められたりします。
例えばポートフォリオ全てをリスク資産にした場合、リーマン級の下落が来たら50%の損失は受け入れなければならないといった論調です。
しかしさらに過去にさかのぼり、1929年の世界恐慌時にはマイナス90%のドローダウンを記録しているので、果たしてリーマンショックを基準にした計算に意味はあるのかという疑問はあります。
相場は理論通り動かない
当たり前の事ですが、日々の相場というのは理論通りには動きません。
例えば効率市場仮説が真に正しいのであれば、アクティブ投資で超過リターンを得るのはマグレ、インデックス投資が最強という結論になりますが、実際はまったくそうではありません。
世界中の天才が集まり金融工学を駆使して荒稼ぎしていたヘッジファンド「LTCM」も、アジア通貨危機で天文学的な損失を出し破綻しました。(最も、彼らが理論通りの投資をしていたかについては疑問もありますが。)
相場をつくっているのは世界中にいる生身の人間であり、その参加プレイヤー全員が理論に沿って動いているわけではない以上、相場が理論通り動き続けることはありません。
理論通り人間は動けない
相場というのは世界中の様々な思考を持った投資家たちによって形成されているものであり、その参加者全員が理知的・合理的であるわけではありません。
そしてそれは、私たち個人投資家にも当然当てはまることです。
インデックス投資を多少学んだ人であれば、VT1本の成績に勝つことが困難であるか理解しているはずでも、「自分だけは違う」という考えの元、過剰にリスクを取ったり余計な売買を繰り返しリターンを悪化させていきます。
落ちるナイフともいえる新興国株をオーバーウェイトしている人だったり、つみたて次郎の様に割高な米国株に集中投資している人も、ある意味その予備軍といえるかもしれません。
損切りルールなどを明確に決めている人でも、好調な相場ではルールを甘くしてしまったり、逆に慎重になり過ぎて利益を逃すといった失敗もあります。
どんな投資法・どんなポートフォリオを採用したとしても、何かしら工夫する余地はできてしまうため、むやみに自分の個性を出そうとしてしまうのかもしれません。
投資理論どころか、自分で決めたルールを守ることもなかなか難しい投資の世界では、とても多くの人が理論で動いているとはいえないでしょう。
理論通りの相場×理論通りの行動
相場が教科書のような理論通りに動くとは限らず、仮に動くとしても投資する人間が理論に沿って投資を続けられるとは限りません。
市場心理をうまく利用し大儲けすることは可能ですが、ごく普通の投資家がその穴をねらうのは困難です。
かといって教科書通りの投資を行う場合、相場と自分の両方がある程度理論通りに動く必要があります。
短期的に見れば、株価というのはデタラメに変化するし、もしかしたら私たちが生きている間は、長期的に見てもデタラメな結果になってしまう可能性もあります。
投資で成功するというのは、いくつかの偶然が重なってたどり着ける奇跡なのかもしれません。
そのため、自分の投資理論が正しいと確信してはならないし、自分がその理論通りに行動できると思い込んでしまうことこそが、投資家にとって致命的なダメージにつながりかねません。
マンガやアニメなどでよく見かける、「勝てる確率は99%(メガネクイッ)」みたいなセリフを言うキャラは大抵すぐ負けますよね(笑)
投資の世界は、期待リターンやら標準偏差やら長期金利といった数字で出来ているように思えますが、その本質は群集心理であると考えています。
その場の雰囲気に流されてしまえば、高値掴みの安値売りになってしまうのが相場の世界です。
いかに自分を客観的に見ることができるかどうかが、投資で成功するカギなのではないかと思います。
相場をコントロールすることは不可能ですが、自分の感情をコントロールすることは可能ですからね。
事務連絡
ツイッターで行っていた匿名質問箱ですが、本日をもって終了とさせていただきます。
ごく一部の方々から人気のあった質問箱ですが、勝手ながら9月9日(日)をもって一旦終了とさせていただきます。
もし匿名で質問があれば、それまでの間によろしくお願いします。つみたて次郎の質問箱です https://t.co/SXVsjtX9nf #質問箱 #peing
— つみたて次郎@<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型郎) (@siegeljiro) 2018年9月7日
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