ひふみ投信が不調。ホルダーは売るべきか?

つみたて次郎です。

日本で非常に有名な投資信託に、「ひふみ投信」ががあります。

姉妹商品として、「ひふみプラス」「ひふみ年金」という投資信託もありますが、販売経路が違うだけで実質的には同じマザーファンドで運用されている同一商品です。

そんなひふみ投信ですが、2018年7月末より調子が良くありません。

特に7月30~31日にかけて、TOPIXやJASDAQに比べ大きく下落していることが分かります。

ひふみ投信を運用しているレオス・キャピタルワークスは、毎営業日にツイッターで基準価格をツイートしていますが、ここ数日では多数のコメントがついています。

コメント欄が地獄絵図になっていて面白いので、ひふみ投信を保有していない人もぜひ見てほしいです。

具体的な内容としては、「なんで下がってるか説明しろ!」「信じてたのに裏切られた!」みたいな批判コメントばかりです。

ひふみ投信は2017年2月に「カンブリア宮殿」というテレビ番組で取り上げられ、その影響もあってか保有する人が急激に増えていました。

ある意味プチブームとなっていたひふみ投信ですが、今回の下落により落ち着くことになりそうです。

※12月8日追記…その後の成績もあまり良くはなく、保有者からはたびたび批判が上がっています。

運用資産の増加に伴い大型株の割合が増えたり米国株式を採用したりしていますが、基本的には国内中小株がメインですのでJASDAQに近い動きをしています。

 

 

 

投資信託は、基本的に短期の売買ではなく、長期保有に適した金融商品です。(短期トレードするならETFのほうがよい)

たった数日の評価額の変動から、優劣を決めるようなものではありません。

また、ひふみ投信は、日本の中小株や、米国大型株などをポートフォリオに組み込んでいたり、相場の状況に応じて現金比率を変動させたりするので、市場平均(TOPIXや日経平均など)と同じように動くことはありません。

参考記事「ひふみ投信の海外株式比率はどこまで上がるか?

アクティブファンドは市場平均を超える超過リターンを超えるのが仕事なのですから、市場平均と違う動きをするのは当然であり、むしろ健全である証拠です。

もちろん、全てのアクティブファンドが市場平均を超えることは出来ませんが、仮に超える優良商品だとしても、常に市場平均を超え続けるのは不可能です。

世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェット氏が運用しているバークシャー・ハサウェイも、数年単位で見ればS&P500に負けているときもありますし、1日単位で見たら相当の日数が該当するでしょう。

たった数日の変動だけでひふみ投信を批判している人は、自分が何に投資しているのかちゃんと理解できているのでしょうか?

今回ひふみ投信が市場平均より大きく下落したのは、銘柄選定ミスだといわれていますが、常に正しい銘柄を選定できる投資家はいません。これは世界トップレベルのプロでもです。

今回の下げが一時的なものかどうかは分かりませんが、これまで大きなリターンを生み出してきた実績があるのに、ひふみ投信に対する風当たりの強さはあまりにもひどいです。(むしろ期待されていたからこそ落胆が大きいのかもしれませんが)

過去10年という時間軸で見れば、ひふみ投信は市場平均を圧勝しています。

ひふみ投信自体の規模が巨大化すれば、超過リターンを得るのが難しくなっていくというジレンマもありますが、それでも今後優秀なリターンを得られると持ったからひふみ投信に投資したのではないでしょうか?

いずれにせよ、ひふみ投信をテレビ番組の評判や過去の実績だけで選んだような人は、狼狽売りして退場するのがオチでしょう。

たった一度の失敗?で手の平を返すのであれば、そもそもアクティブファンドなんて買わずに、TOPIXとかのインデックスファンドでも買うべきです。

もっとも、そのような握力の弱い人は、インデックスファンドもろくに保有できないとは思いますけどね。

そもそも保有者のうちどれだけが、TOPIXなどのベンチマークについて理解しているかについても不安です。

ひふみ投信に投資するということは、市場平均を超えるリターンを求め、レオス・キャピタルワークスの運用手腕を信じることです。

この意味が理解できないなら、ひふみ投信に投資するべきではありません。

理解していても、ちょっと市場平均より調子が悪かっただけで文句をいうような人は、あまり投資しないほうが良いかもしれません。

投資信託の「信託」という言葉には、「信用して委託する」という意味があります。

ちょっとしたことで信用することができなくなるのなら、アクティブファンドに投資するべきではありません。一切信用しないでインデックスファンドを保有するか、自分を信じてアクティブな投資を行ったほうが良いでしょう。

「他の人に運用してもらう」というイメージがあるせいか、投資信託はローリスクで初心者向けという誤った説明がされることが多いです。

しかし自分のお金を赤の他人に預けるというのは、大きな信頼関係がなければ成り立ちません。

運用会社側は、預かった資金をしっかり増やせるように努力しなければならないし、顧客側は、長期的な手腕を信じて運用資金を預けなければなりません。

投資は自己責任です。もし損をしたとしても、自分が納得できるような投資先を選びましょう。

参考記事…【ひふみ投信】運用と投資の違いに関する見解

※2018年12月、運用会社であるレオスの上場が予定されていましたが、中止となっています。

参考記事…ひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークスが新規上場を発表
参考記事…【悲報】レオスが上場中止【ひふみ】

ファンドへの直接的な影響はありませんが、間接的に資金流入の鈍化等につながる可能性はありそうです。

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ひふみん次郎

ひふみ投信が不調。ホルダーは売るべきか?” に対して1件のコメントがあります。

  1. とっつぁん より:

    前記事みたいな「貯金感覚でひふみ投資」の人達が湧いてる(笑)
    設定当初からのリターンを見たりして落ち着いてほしいね。
    俺なら、投資し始めの下げなんてラッキー!って思うけどタダのドMかな?

  2. つみたて次郎 より:

    ドМで間違いないと思います(笑)
    でも実際、将来のリターンにつながるのも事実ですから、投資家としての才能でもあると思います。

  3. 匿名 より:

    投資すれば儲かるなんて幻想を振り撒く輩が多すぎるんだよ!
    現在の苦境が必ず将来の上昇に繋がるかは誰にもわからない。
    2万3千円をツキ抜けられず商いも細い日経平均、ダウも年初を越えられずウロウロしているのは同様、
    業績は良い筈だからなんて、他人様に言うことが正しいのか、疑問です。

  4. 通りすがりです より:

    かつてのSファンドもそうでしたが、これだけの規模になってしまうと、最初は購入対象にしていなかった銘柄や大型株等も入れざるを得なくなるのでしょうし、基準価格が下がるのが嫌な投資家や、逃げ足の速い投資家が増えると、なおさら手足が縛られてしまう。
    最近は手数料やリターンだけに注目する人も少なくないと感じますが、改めて、純資産額も含めた総合的なチェックが必要、とも感じたところです。

  5.   より:

    なんで自分で運用しないのかがそもそもわからんし他人に任せるって言うのはこういう状況も受け入れるってことだろ?
    何を騒ぐことがあるんだよ。

  6. ニーゲム大戸木 より:

    2月の急落からの立ち上がりが遅いのが気になりますね。

  7. バブル より:

    終わりの始まりでしょ

  8. エスピーファイブ より:

    これまでの成績からレオス・キャピタルワークスの手腕は十分 信じるに値すると思うけど
    総資産8000億をうかがう現状を見ると、今後はTOPIX+1%の継続も難しくなるでしょうね。
    どうしたってインデックス的な運用に近づくし、小型株効果も機能しなくなる。

    信託報酬の高さもあって、握力のクソザコナメクジな投資家(私)としては、乗り換えの誘惑に負けそうw

  9. きち より:

    たしか米中比率を三割まであげるかも?とか見かけた気がします。
    日本株自体の先はあまりよろしくない気がするので海外比率を増やすのに私は賛成ですが、ジローさんはどう思われますか?

  10. 匿名 より:

    今年のひふみは、ここまでトータルでマイナスです。資金の10%くらい落としてますね。

  11. つみたて次郎 より:

    ≻≻きち様

    日本株への投資の是非は難しい議題ですが、日本株への投資を避ける方針なのであれば、ひふみ投信自体への投資が難しいような気がします。(あくまでも日本の中小株で高リターンを達成してきた投信であるため)
    米中株でも戦えると判断するのであれば、総資産額の増加に伴い海外比率を増やすのはプラスに評価してよいと思います。
    もしご存知でしたら、三割まであげるという情報源について教えていただけないでしょうか?

  12. きち より:

    次郎様。
    たしかひふみアカデミーでおっしゃってたと思います。
    正確には、海外比率を三割を上限に考えているとのこと。
    (目指しているというニュアンスではなかったと思います)

  13. つみたて次郎 より:

    ≻≻きち様

    情報ありがとうございます。これから探してみようと思います。
    もしかしたら別途記事にするかもしれません(笑)

  14. △帽子 より:

    ぼくは2009年7月からやってるから、相当利益も乗ってるし、いまさら動じないけど・・・というより、いままでこういう記事を見たことがないので、どうしてよいかよくわからないです。やっぱり、みんな一喜一憂するんですかねぇ。

  15. つみたて次郎 より:

    ≻≻△帽子様

    長期にわたって保有できているのは素晴らしいですね!
    むしろ本記事含め、気にする必要はないと思います。みんなが一喜一憂している時こそ、気にせずホールドできる人が長期投資では一番強い人ですからね。

  16. 匿名 より:

    長期投資は下がってる時ほど積み立てるチャンスですからね
    まぁそのまま下がり続けて戻ってこないリスクがない訳ではないですが

  17. 「ひふみ信者」にはなれない私 より:

    今年に入ってひふみ投信で運用を始めた者の一人言です。
    現在の運用実績は-3.5%↓です。
    私は日々、日経平均株価と基準価格を比較していますが、
    今は、ひふみ投信がそんなに良い投資信託とは思っていません。
    米中貿易摩擦が長引けば、今後、どうなるか読めませんが、、、
    順当にいけば、年末には日経平均株価は25000円まで上がると思っていて、
    それまでには、ひふみ投信での運用実績もプラスに転じると想定しています。
    年末以降は❓なので、来年は状況を見ながら、下げに転じるようであれば
    一気に引き揚げようと考えてます。
    レオスでうまく運用出来るキャパ(資産)を完全に超えているから、
    今は、米国の優良企業に投資しているのでしょう。
    今は日米の景気が良いことが幸いして、今年に入って若干マイナス程度で推移していますが
    景気後退とともに、じわじわ下がってくるでしょうと私は読んでいます。

    今年に入って運用実績が良くないのに、なぜ、いまだに資金が流入しているのには驚きです。
    過去にひふみ**で儲けさせてもらった人(私は勝手に「ひふみ信者」と呼んでいる)が
    まだまだ資産が増やせると思って資産を追加投入してるんでしょうね。
    また、過去のように上昇出来ればよいのですが、長期保有の方の幸運を祈ります。

  18. かぶ より:

    運悪く今年2月にひふみ投信を始めた者です。
    投資信託は以前から他に3つ積み立てておりましたが、悩みに悩んで今年2月からひふみを追加して積み立て始めました。
    悩んでいたせいで始めるのが遅くなってしまい、始めたタイミングが悪く損失が増幅していき、地合いも悪化し、動けずじまいです。
    気付くのが遅かったですが、ひふみは大きくなりすぎてしまっていて運用が大変だと思うので、正直もう損切りしようかなと考えています。

    貯蓄から投資へ?でしたっけ?
    自分はNISAもさんざんな結果でした。
    入るタイミングが悪く、自分みたいに退場する投資家も何人か居ると思います。

  19. あぼぼ より:

    最近のひふみは外国の大型株を取り入れているとはいえ、
    いまだ中小グロース株の比率が多く、依然として中小グロース市場の市況の影響を強く受けます。

    現在、ジャスダックグロース・マザーズなどの中小成長株市場が軒並み不調なので、
    ひふみに限らず、中小株系ファンドは軒並み苦戦を強いられています。
    中小成長株市場が不調の現在、大型株が多い日経平均やTOPIXの方に負けてしまうのは当然と言えます。

    これら中小株の市場環境が好転すれば、ひふみも盛り返してくるはずですよ。

    一方、国内中小株ファンドの中にはひふみより優れたファンドが多数存在します。
    中小型株ファンドは高リターンのファンドが多く、通常の国内株カテゴリでは優等生のひふみも、
    中小型株カテゴリの基準で見れば中の上くらいの成績です。
    ただ、現在は中小株市場全体の状況が悪すぎるので、中小株ファンドは軒並み苦戦中です。

    投資信託での投資は普通10年以上の長期で考えるものなので、
    通常、現時点での損切りはすべきでは無いと思います。
    長期投資で考えれば、入るタイミングの良し悪しは、通常1~2年程度のロスでしかありません。

    ただ、短期~中期ではさらなる下落の可能性もゼロではないので、
    数年程度しかホールドできない事情があるのなら、損切りの選択肢もあるかもしれませんが、
    本来の長期的視点で見るなら、売らずにホールドし続けるべきと思います。

    あるいは、ひふみをいったん売却し、
    より優れた中小型株ファンドに乗り換えるというならアリかもしれません。

    今なら、中小型株ファンドは軒並み下落しているので、安く買うことができますしね。
    ひふみを安く売って、より優れた中小型株ファンドを同じくらい安く買う、というなら結果的にほぼプラマイゼロなので問題ないかと思います。

    世界中の様々な資産クラスに分散して長期投資するのが大切です。
    同じ国内株でも、ひふみのような中小グロース株のファンドだけでなく、
    大型株やバリュー株のファンドも取り入れた方が良いと思います。

    ひふみは元から最高のファンドではありませんが、平均以上に良いファンドなので、
    ここ最近ベンチマークに負けているからといって心配する必要は無いと思いますよ。

    国内株、特に国内中小株の市況が好転すれば、ひふみも必ず復活します。
    逆に言えば、国内株、特に国内中小株の市況が改善しない限りは厳しいですが、
    それはひふみに限らず、他の中小グロース株ファンドも同じ事です。

  20. かぶ より:

    悲しいことに、ひふみだけ20%近くマイナスです…

  21. 匿名 より:

    今年から始め、ひふみ100%の者です。酷いマイナスでがっかり。
    もう辞めたい

  22. ぷーたろう より:

    “この意味が理解できないなら、ひふみ投信に投資するべきではありません。”

    みんな分かってて、お祭り騒ぎを楽しんでるだけ
    ですよん

  23. こうちゃん より:

    確かにマイナスですがね。初めから長期視点で考えてますので… 我慢ですかね。

  24. かぶ より:

    大暴落した昨日、クリスマスに解約してきました。
    約1年積み立てでマイナス30%?(もっとマイナスかも?)
    IPOも中止になったし、レオスとは縁切ります。

  25. トモ より:

    最近積立NISAを始めたものでその中にひふみプラスを取り入れようと考えていたのですが、色々調べてここにたどり着いたのでよろしければ意見をお聞かせ願えないでしょうか。
    ひふみプラスは当初と中身が変化しつつあり国内株式の成長株狙いが難しいのが現状だと思っています。
    またいくらメンバーが優秀でもそもそも日本そのものが低成長であれば運用は難しくて当然で、更に国内株式ということでひふみを選んでいたので海外株が増えるなら意味が無く、国内株にこだわるなら手数料のより安いemaxis国内などで良く、海外株を組み込むならひふみより良いものがありそれを選べばいいと思うのですがいかがでしょうか?現状だとひふみぷらすを積極的に選ぶ魅力は無い気がするのですが何か見落としているのでしょうか。
    私はまだ20代の若輩者ですが正直今後の日本経済が明るくなる要素があるのか疑問なので、そもそも国内株式に期待はしていないのですが、あえてひふみプラスを選ぶメリットはあるとすればどういった点なのでしょうか?

  26. つみたて次郎 より:

    >>トモ様

    コメントありがとうございます。私自身はコストを重視するインデックス投資家ですので、ひふみプラスにあえて投資するメリットはちょっと考えにくいです。
    ただし中身が少しずつ変化しているとはいえ、有力なアクティブファンドの一角であり、方針を理解して投資する分には悪くない投信ではないかと思います。

    まずはひふみプラスは一旦置いておき「日本株へはどのくらいの割合を投資するか」を先に決めていくのが分かりやすいかと思います。
    その範囲内でひふみプラスに投資するかどうかを検討するのがよさそうです。
    また、日本経済の将来性は私もあまり期待していませんが、経済成長と株式リターンは別々に考える必要がありますので、じっくり投資比率を考えてみてください。

  27. 匿名 より:

    無視かよ

  28. つみたて次郎 より:

    >>匿名様

    ???
    以前コメントされた方でしょうか?

  29. トモ より:

    >>つみたて次郎様
    ご丁寧な返答をして頂いたの返信が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
    その後無事運用を始めまして今はまだ試行錯誤しております。「日本株へはどのくらいの割合を投資するか」、「経済成長と株式リターンは別々に考える必要」の二点はとてもためになるアドバイスで感謝しております。

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