【ひふみ投信】運用と投資の違いに関する見解
つみたて次郎です。
ひふみ投信で有名な藤野氏より、興味深いメッセージが出ていましたので紹介します。
外部リンク「ひふみシリーズ 最高投資責任者(CIO)の藤野英人よりメッセージ」
藤野英人氏はひふみ投信などを運用するレオス・キャピタルワークス㈱の代表取締役・最高投資責任者(CIO)となっており、ひふみの顔といえる人物です。
その中で気になる部分がありましたので考察していきたいと思います。
運用と投資の違い
藤野氏の見解では「運用」「投資」は別々の概念であり、ひふみではその両方の要素を備えているとしています。
「投資」とは、個別企業をよく見たうえで長期的に伸びていくと考えられる企業にお金を預け、企業の成長とともに株価がのびていくことに期待することです。成長企業に資金を投じることはその企業を応援することであり、企業が期待どおり成長すれば利益が上がってその分だけ株価が上昇し、お客様に還元できます。それによってお客様の資産が増え、消費も増える――これが、「ひふみ」が目指す投資です。
他方、「運用」という言葉は「運」を「用」いると書くように、運が占める要素が大きいといえます。今日買った株が明日値上がりするかどうかは、マーケットがどう動くかにかかっていて、ほとんど運次第です。とはいえ努力をすれば、ある程度マーケットの動きを読むこともできます。その動きを利用して株を売買するのが「運用」です。
引用「レオスキャピタルワークス」
つみたて次郎の解釈としては、「投資」は長期志向・「運用」は短期志向のように読み取れました。
記載の通り、長期的に期待できる企業を選んでいくのは「投資」であり、市場に合わせて短期的に現金比率を調整したりするのが「運用」という感じですかね。
つみたて次郎自身が考える言葉のイメージとしては、むしろ逆ですね。
「投資」のほうが想定する時間軸が短く、「運用」はかなり長期間を見据えた行為であると思っています。
さらに短いイメージのある言葉としては「投機」がありますね。
運用の中に投資があるのでは
さらに分かりやすくまとめるのであれば、「運用するための手段」の1つが「投資」なのではないかと考えています。
「○○という資産を運用するために△△に投資する」という文章だとスッキリするのではないでしょうか?
資産運用をする場合、まずは何に投資するかを決めます。
それはインデックスファンドだったり個別株、コモディティや不動産という選択肢もあります。
また、通常は手持ちの現金等を直ちに全額投資に回すことはありません。リスク資産と無リスク資産のバランスを考えながら投資するのがセオリーです。
ドルコスト平均法で積立したり、リスクを抑えるため現金比率を固定してリバランスしたり、ひふみのように市場に合わせて柔軟に現金比率を変えたりします。(藤野氏の見解に基づけば、この部分が運用になります。)
基本的に現金等を保有することを「投資」とは呼ばないため、必然的に資産運用の内訳の中には「投資に使っている部分」と「それ以外の部分」が存在することになります。
具体的には、普通預金・定期預金・個人向け日本国債等の元本保証商品が該当し、投資と区別されているのが一般的なイメージではないかと思います。(個人的には区物しなくてよいのではというのが本音です)
これらの一般的に投資とは言えない部分の資産も含め総合的に管理するのが「運用」であるとつみたて次郎は考えています。
これらを踏まえ当ブログでは、投資を含む広い意味で「運用」という言葉を使っています。
もちろん投資用語として明確な答えがあるわけではないですが、関連文書を読む際にはどのような意味で使われているかについて気を付ける必要がありますね。
ひふみと運用について
話を元に戻しますが、最初に紹介した引用文中では「運用」という言葉から「運」を「用いる」というフレーズが使われています。
つみたて次郎は長期的には利益を得られるような投資方針を考えていますが、短期的に見れば儲かるか損するかは運に左右される部分も大きいです。
むしろ損するかもしれないという不安や、含み損を抱えるという不運に耐えることが投資家の仕事ともいえます。
そういった意味で藤野氏の見解は正しい側面もあるのですが、アクティブファンド運用会社の代表の言葉と考えると複雑です。
特に最近は運用成績が不調であり、保有者からも批判もしばしば相次いでいます。
参考記事「ひふみ投信が不調。ホルダーは売るべきか?」
藤野氏にそのような意図があるかは不明ですが、「今の不調は運が悪いだけ」という言い訳として解釈されてしまいかねないのではないかと思います。
また直接関係ありませんが、「レオス滝クラブ」なる縁起でもない組織を立ち上げたり、ツイッターのアカウントに鍵をつけたりといった不穏な動きも出ています。
ホルダーとの信頼関係にヒビが入りつつあるように感じます。
今後も顧客とともに「1,2,3」と呼吸を合わせて歩むことができるのか、レオスにとって重要な時期を迎えているのではないかと思います。
※2018年12月にはレオス・キャピタルワークス本体の上場が予定されていましたが、直前に中止になっています。
参考記事…ひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークスが新規上場を発表
参考記事…【悲報】レオスが上場中止【ひふみ】
直接ファンドに影響を与えるものではありませんが、保有者への不信感を高めかねない要因となりそうです。
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ひふみ次郎
運用を「運を用いる」と表現すること自体、運用という意味を理解していない。いや、最近の運用成績の不振を正当化しようと無理矢理な解釈をしているだけなのだろう。上手くいかないときにこそ、その人の本性が見えるんだよな