【米欧日】配当貴族三銃士を連れてきたよ!【連続増配】
出典「美味しんぼ」一部加工
※サムネ画像はふざけていますが中身はいたって真面目な考察記事です。また、「配当貴族三銃士」というのはつみ次郎が勝手に決めた概念ですのでご了承ください。
つみたて士郎です。
最近ではめっきり見かけなくなってしまいましたが、一時期配当貴族というワードが米国株クラスタ界隈では人気でした。
定義は様々ですが、狭義の意味では配当貴族指数に含まれている銘柄というのが一般的な解釈だと思います。
単に連続増配銘柄の事を指す場合もありますね。
「配当貴族指数」という表現も正式なものではなく、以下のような指数を総称する呼び名となっています。
・S&P500配当貴族指数
・S&P欧州350配当貴族指数
・S&P/JPX配当貴族指数
これらの配当貴族指数は、いずれも連続増配年数が長いことが採用銘柄の条件として共通しており、したがってこれらに含まれている配当貴族銘柄=連続増配銘柄ということになります。
上記の指数をベンチマークにしている国内投信も存在するので、比較的身近に投資できるジャンルだと思います。
特に三井住友トラストAM㈱が運用しているSMTシリーズでは3種類ともすべて網羅しています。
・SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン
・SMT 欧州株配当貴族インデックス・オープン
・SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン
この中でも米国についてはつみ次郎も一般講座口座で保有中です。
参考記事…【2020年版】つみたて次郎の秘密のポートフォリオ
各指数の特徴
配当貴族指数は連続増配銘柄で構成されているという点が共通していますが、それ以外の部分で微妙な違いがあります。
それぞれ一覧でまとめてみました。
米国 | 欧州 | 日本 | |
増配年数 | 25年以上 | 10年以上 | 10年以上 |
最低銘柄数 | 40銘柄 | 40銘柄 | 40銘柄 |
時価総額 | 30億ドル以上 | 30億ドル以上 | 500億円以上 |
平均売買額 | 500万ドル以上 | 500万ドル以上 | 2.5億円以上 |
加重方式 | 均等加重 | 均等加重 | 配当利回り加重 |
銘柄入替 | 年1回 | 年1回 | 年1回 |
比率調整 | 年4回 | 年4回 | 年2回 |
単一セクター上限 | 30%以内 | 30%以内 | 30%以内 |
特に大きく異なっているのが増配年数と加重方式についてです。
さらに細かく見ていきましょう。
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増配年数について
米国は連続増配25年以上が採用条件となっていますが、欧州と日本については連続増配10年以上と基準が緩められています。
ただし、日本に関しては厳密に10年以上である必要はなく、欧州よりもさらに緩い基準となっています。
出典「S&P Dow Jones Indices」一部加工
米国や欧州にはない配当性向や配当利回りという項目があるのも特徴といえます。
いずれの指数も①連続増配〇年を満たす銘柄を採用→②最低銘柄数を下回る場合は基準を緩めて選定という流れで採用銘柄を選んでいますが、日本に関しては①の時点でかなりゆるゆるですね(笑)
配当貴族指数における採用銘柄基準を見ても、連続増配という視点で株を評価するなら米国>欧州>日本という構図になってしまいそうです。
加重方式について
米国と欧州に関しては均等加重で構成比率を決定するため、最低銘柄数(40銘柄)の場合1銘柄あたり2.5%が目安になります。
※現時点での構成銘柄数は米国が67銘柄・欧州が46銘柄となっているため実際はもう少し低い数値になります。
しかし、この中で日本だけは配当利回り加重になっています(読者様に教えていただきました)
そのため配当利回りが高いほど構成比率が高くなり、低いほど構成比率は低くなります。
ちなみに一般的な配当加重(配当総額が基準)とは異なります。
参考記事…【指数】時価総額加重・均等加重・配当加重について
参考記事…【配当利回り加重?】つみ次郎が配当加重っぽい概念を自力で思いついた話について
なので日本の配当貴族は連続増配だけでなく高配当も意識された指数であるといえますね。
同指数をベンチマークとするSMT 日本株配当貴族インデックス・オープンのレポートによると、直近の上位10銘柄は以下のようになっています。
構成比率トップに君臨するのはみんな大好き日本たばこ産業(2914)です。
ちょうど昨日決算があったようですが、無事(?)配当は維持されたようですね(話が脱線)
日本だけは1銘柄あたり5%以内というルールも追加されているため、極端に配当利回りの高い銘柄の構成比率が高くなりすぎるという事がないように工夫されています。
三銃士以外の配当貴族指数
今回紹介した3指数以外にも、様々な配当貴族指数が存在しています。
・S&P 500 Dividend Aristocrats(米国)
・S&P Technology Dividend Aristocrats Index(米情報技術)
・S&P MidCap 400 Dividend Aristocrats(米中型)
・S&P High Yield Dividend Aristocrats(米高配当)
・S&P Europe 350 Dividend Aristocrats(欧州)
・S&P/TSX Canadian Dividend Aristocrats Index(カナダ)
・S&P UK High Yield Dividend Aristocrats Index(イギリス)
・S&P Dividend Aristocrats Brasil Index(ブラジル)
・S&P/JPX Dividend Aristocrats(日本)
・S&P Pan Asia Dividend Aristocrats(アジア太平洋)
・S&P Global Dividend Aristocrats(全世界)
・S&P International Dividend Aristocrats Index(米国外)
()内は対象としている地域や属性を表記しています。赤字になっている3つは配当貴族三銃士の英名です。
ザックリ調べただけでもこれだけ種類がありましたので、他にもまだまだたくさんあると思います(笑)
全体的な傾向としては、米国だけの指数は均等加重・それ以外の指数は配当利回り加重になっていることが多いですね。
結構気になる指数も多いので、別記事でまた紹介してみます。
地味ポジションに収まった配当貴族
配当貴族三銃士という風に3つ並べてみましたが、国内での知名度は米国>>日本>>>>>>欧州と大きくかけ離れているイメージです(笑)
日本株で配当投資するなら個別株のほうが利回り的にも優待的にもオトクな感じがしますし、欧州株はそもそも人気がありません(煽)
少なくともつみ次郎の感覚では配当貴族=米国というイメージが強く根付いているように感じます。
連続増配年数が25年以上と厳しい条件が課されているのも、米国における連続増配株の力強さを実感しますね。
実際つみ次郎も積立していた(過去形)時期もありますし、今でも投資先としては十分有望だと考えています。
ただ、対応する投信やETFの信託報酬がやや割高だったり、配当貴族にこだわらずともバンガード・米国連続増配ETF(VIG)でええやんという結論になりやすいため最近では米国配当貴族すらあまり話題になりません(辛)
逆の見方をすれば、地味だけど堅実という本来のポジションに収まりつつあるのかもしれません。
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