ファンド・オブ・ETF×スマートベータ=最強
シーゲル二郎です。
最近は、「楽天・バンガード・ファンド」や「EXE-i」といった、日本完全敗北の象徴ともいえる投資信託が大注目を浴びています。
参考記事「ETF全盛期なのに投資信託を推奨する日本」
いずれも海外ETFに乗っかるだけという、ある意味恥知らずの思い切った商品です。貧乏人のシーゲル二郎的には嬉しい現象なのですが、日本の将来を考えると少し不安です。
いずれも単体または複数のETFを管理するだけなので、大規模なマザーファンドを用意しなくて済むのが利点です。
また、ETFの数だけ商品を開発できるので、人気のあるETFにタダ乗りできる柔軟性があります。
しかし、現時点では運用がうまくいっていない問題もあります。
参考記事「ファンズ・オブ・ETFの将来性」
問題はありそうですが、現物株を何千と準備する必要がないので、今後の主流になる可能性を秘めている素晴らしい仕組みです。
海外ETFのメリットと投資信託のメリットを両方併せ持つような存在です。
この仕組みを取ることで、従来の投資信託に比べて格段に有利になる部分があります。
それは、「運用に関する税金と手数料が最小限で済む」ということです。
もちろんETFのように税金と手数料が全部スキップできるわけではありません。購入や売却のたびに現物ETFのやり取りが必要なので、通常の投資信託と同じデメリットがあります。
しかし、ポートフォリオの入れ替えに関するコストは全部無視できます。なぜなら、入れ替えは全て管理しているETFの内部で勝手に行われているからです。
例えば「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の場合、投資するのは「バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)」のみとなります。
これを通常の投資信託でやる場合、何千という米国株を現物で管理して、定期的に入れ替えという作業が必要になります。
ですが、楽天VTIの場合はただVTIを持っているだけなので、入れ替え作業は発生しません。なぜならETF側で全てその作業は自動的に行われているからです。
この仕組みを活かすと、売買回転率が高くなるスマートベータ系の戦略と相性抜群になると思いませんか?
例えば、シーゲル派に大人気の「iシェアーズ・コア米国高配当株(HDV)」というETFは、財政状況が優良な高配当銘柄という選定を基本としたスマートベータ系ETFです。
売買回転率が70%を超えることもあるスーパー高回転率のETFで、最近ではあのゼネラルエレクトリック(GE)を外しやがりました。実質アクティブファンドだろ
ETFなので入れ替えに伴う税金と手数料はスキップできますが、これを投資信託でやろうとしたら大変なことになります。
現物で多数の株を管理して、指数の入れ替えごとに現物株を頻繁に売買することになるので、実質コストは非常に高くつくでしょう。
ですが、ファンズ・オブ・ETFであれば、入れ替えの管理は全てETFに押し付けることができため、事実上入れ替えに伴う税金と手数料も無視できます。
シリーズ的にあり得ませんが、楽天HDVが出た場合、他社は追随できないことになります。
現物で運用する場合、時価総額基準の伝統的なインデックス運用とそれ以外では、実質コストに大きな差が出ますが、ファンズ・オブ・ETFであればどちらも全く同じです。
VTIを管理するのも、HDVを管理するのも同じ手間でしょう。
そういった意味で、「楽天・バンガード・ファンド」や「EXE-i」は、時価総額基準インデックス以外の領域に踏み込む資格があるシリーズといえるでしょう。
「ファンズ・オブ・ETF」という反則技は、売買回転率が高い指数でさらに輝きます。
という訳で楽天VYM頼んだよ。
※楽天VYMが販売されることが決定しました。分析記事ご覧ください。
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1589とかいう黒歴史がありますからね…あまり日本で売るのは勝算ないんでしょうか。
国内ETFは税制上の問題アリアリだし、上場償還リスクも大きいですからね。
米国にとっても魅力がなかったらただ撤退するだけですから、やはり安定感では海外ETFに勝てませんね。
今後も海外ETFと投資信託の二極化は続きそうです。