eMAXIS SlimがSBIに対抗して信託報酬引き下げ【S&P500・全世界株】
つみたて次郎です。
eMAXIS Slimシリーズを運用する三菱UFJ国際投信㈱より、もう何度目か分からない信託報酬引き下げが発表されました。
外部リンク…業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施
具体的には、4ファンドについて以下のように引き下げられます。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
・eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
略称 | 変更前 | 変更後 |
S&P500 | 0.165% | 0.0968% |
除く日本 | 0.132% | 0.1144% |
3地域均等型 | 0.132% | 0.1144% |
オール・カントリー | 0.132% | 0.1144% |
S&P500についてはSBI・バンガード・S&P500インデックス(信託報酬0.0938%)、その他3つについてはSBI・全世界株式インデックス・ファンド(信託報酬0.1102%)を意識しての引き下げかと思われます。
引き下げ後でもSBIのほうが若干低いですが、税抜だとそれぞれ0.088%・0.104%となるので互角です。
いつものことですが税抜で同等水準まで引き下げたという事になります。
(eMAXIS slimにしては)遅い引き下げ
eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを目指すというだけあって、他社のライバル商品の引き下げや新規設定に反応して即対抗引き下げを行う執拗さが個人投資家からも評価されています。
直近だとたわらノーロード全世界株が登場した時になりますが、存在が確認されてからわずか12日後(8営業日後)に信託報酬対抗引き下げを発表しています。
これ以外でも、ほとんど10日前後で対抗引き下げを発表していましたが、今回引き下げするきっかけになったであろうSBI・バンガード・S&P500インデックス及びSBI・全世界株式インデックス・ファンドについて新規設定および信託報酬引き下げが確認できたのは1ヶ月以上も前の話です。
なんと、eMAXIS Slimは1ヶ月以上何もせずにこの状況を放置していたのです!(悪質クレーマー)
というのは半分冗談ですが、これまでのように即対応というわけではなかったため一部ホルダーからの不満(ワイ含む)も上がっていましたが、今回の引き下げでチャラになりそうですね。
普通に考えたら1ヶ月でも十分すぎるほど早いんですけどね(笑)
単体ファンドより割安に
S&P500以外の3種については、それぞれ国内株式+先進国株式+新興国株式の組み合わせとなっており、指数で言えばTOPIX+MSCIコクサイ+MSCIエマージングとなります。
※オール・カントリーは国内株式部分がTOPIXではなくMSCIジャパンとなっていますが、そこまで差はないと思われます。
eMAXIS Slimシリーズで展開している以下の3ファンドを組み合わせることで、ほぼ同様のポートフォリオを再現できます。
名称 | 信託報酬 |
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX) | 0.154% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.10989% |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.2079% |
略称 | 国内株 | 先進国株 | 新興国株 |
除く日本 | 0.0% | 87.6% | 12.4% |
3地域均等 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
オール・カントリー | 7.3% | 81.1% | 11.5% |
※いずれも2019年8月末現在。
それぞれの比率で3つのファンドを組み合わせて自作した場合の合成信託報酬は以下のようになります。
略称 | 通常 | 自作 |
除く日本 | 0.1144% | 0.122% |
3地域均等 | 0.1144% | 0.1571% |
オール・カントリー | 0.1144% | 0.124% |
いずれの場合も、わざわざ自作するとかえって割高になってしまいます。
ちなみに3地域均等型については元々自作のほうが高かったですが、さらにその差が広がりました。
信託報酬の引き下げタイミングや構成比率の変化によってどちらが有利になるかは変わってきますが、そもそも自作しても大して安くならない(むしろ割高になる)という現象が当たり前になりつつあるのがすごいですね。
遅れて期待に応えたeMAXIS Slim
長い間(1ヶ月強)音沙汰なかったeMAXIS Slimですが、それでも執念の引き下げを見せてくれたのはお見事と言わざるを得ません(上から目線)
特にS&P500に関しては4割以上の引き下げ幅ですので、つみ次郎もホルダーとして感無量です(嬉)
これによりSBI・バンガード・S&P500インデックスのアドバンテージは大きく削がれたものの、既に純資産総額はそこそこ集められているので、S&P500ファンドの双璧として今後もライバル商品として競い合うことになりそうです。
参考記事…SBI・バンガードS&P500が募集期間で16億円集めてスタート
逆に、もっと早い段階で引き下げられていればライバルファンドの登場を防げていたかもしれないですけどね(辛辣)
また、結果的に米国株ファンドとして割高なポジションになってしまった楽天・全米株式インデックス・ファンド(信託報酬0.162%)が何らかのアクションを起こすのかも注目ポイントですね。
いずれにせよ、eMAXIS Slimは再び全ジャンル最安値(ただし税抜で)に返り咲きましたので、今後もインデックス投信業界の中心として君臨するのは間違いなさそうです。
今日の一言
(消費増税のせいで先日やったばかりなのに)またブログやサイトの記事修正しなきゃらならないの辛い
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