もし全財産をたった1つの個別株に投資するとしたら?
つみたて次郎です。
突然ですが、もし現時点で全財産を売却し任意の個別株1種類だけを買わなければならないとしたら何を選びますか?
あり得ないシチュエーションですが、投資家同士であれば面白い議論になりそうです。
当然ですがETFというのはナシです(笑)
あくまでもたった1つの株式会社を選ぶつもりで考えてください。
分散投資ができないことから、単体での企業体力や安定性が重視する人が多そうですね。
倒産リスクを考えれば、小型株より大型株・景気敏感株よりディフェンシブ株のほうが向いているような気がします。
ちなみにつみたて次郎の場合、どの企業を選ぶかはだいだい決めています。
企業の永続性という面でこの2社は圧倒的だと思う。
もし全財産を1つの個別株に突っ込めと言われたらワイはこのどちらかを選ぶ。— つみたて次郎(辛苦) (@siegeljiro) 2018年10月11日
この条件下では、以下の2社が有力候補ではないかと思います。
どちらも超がつくほどの優良企業で、圧倒的な競争優位性を持っています。
共通点を掘り下げてみます。
事業範囲が広いコングロマリット
→MMMは総合化学製品・JNJは総合ヘルスケアであり、特定分野に依存していない。
参入分野の大体がトップシェア
→どちらもNYダウ銘柄で規模も大きく、海外売上比率も高く地域分散が効いている。
消耗品取り扱いが多いため不況耐性あり
→資本財セクターでありながら不況での落ち込みが少ないMMMと、ヘルスケアセクター自体が不況に強いJNJ
人材教育とイノベーション文化に強み
→企業社風がしっかりしており、老舗企業ながら新陳代謝が活発。大企業病になりづらい(はず)
BtoBメインだがBtoCもやってる
→販売経路の分散になっており、一般人からの知名度向上がブランド力につながっている。
ブランド頼みではない
→特許も数多く所得しており、ブランド+真似できない高品質という二段階のワイドモート。
上記2社は共通点が多く、事業内容含めあらゆる面で分散が効いています。
いわば単体で分散投資をしているようなものであり、1社にしか投資できないという縛りの中では最強かもしれません。
ここまではベタ褒めですが、2社とも大型成熟企業なため今後大きな成長を期待することができません。
その分株価変動は比較的緩やかなので、よほど変なタイミングで買わなければ永久保有で報われる可能性は高いと思います。
ただしこれは、市場平均に勝てる可能性が高いという意味ではありません。
今回の設問においては高リターンを目指すのが目標ではないため、普段とは異なる視点が必要になります。
全体的には、ウォーレン・バフェット氏が提唱する消費者独占企業の条件と近いですが、コングロマリットを避けるという点では真逆です。
バフェット氏は優良なビジネスに集中投資したいのでコングロマリットを嫌いますが、今回の設問においては「集中投資で分散投資」を実現するためにコングロマリットが必要になります。
ここまで読んでピンときた方もいるかと思いますが、この設問には模範解答ともいえるさらに有力な投資先が存在しています。
それはバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)です。
ご存知の通りバフェット氏がCEOを務める金融コングロマリット企業で、実体としてはバフェット氏がファンドマネージャーを務めるアクティブファンドのような状況です。
BRK.Bは正真正銘の個別株ですので、条件を満たしている選択肢となっています。
ただしBRK.Bを経由して様々な企業の株式を保有しており、市場に合わせて現金比率を柔軟に変えることで高いリターンと低いリスクを実現しています。
つみたて次郎はそれでもMMMをJNJのどちらかを選びたいですが、多くの人にとってはBRK.Bが答えになるのではないかと思います。
「1つの個別株しか持てない」というのは非現実的な設定で、実際には複数の個別株を保有したり、ETFを通じて無数の株式に分散投資することが可能です。
単体では倒産リスクの高い小型株も、小型株ETFを用いて分散投資すれば倒産リスクから切り離すことができますし、製薬のような競争の激しいジャンルであっても、セクターETFを用いれば事前に勝者を予想する必要はなくなります。
また、投資信託を用いればたった100円で世界中の株式や債券に分散投資することも可能ですし、投資家目線で見れば恵まれた時代に生きているといっても過言ではありません。
分散投資が容易な時代だからこそ、今回のような設問を現実と切り離して楽しむことができるのかもしれませんね。
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コングロマリット次郎
BRKだと私も思いましたが、バフェット氏の年齢を考えると手が出ません。弟子が優秀といっても氏に何かあったときに絶対に暴落すると思うのです。その辺いかがでしょうか。
コメントありがとうございます。
まず個人的な見解としては、バフェット氏に何かあったときに暴落するという予想は広く知られているので、押し目になるような買い場にはならないのではないかと思っています。
また、バークシャーは巨大な金融持ち株会社であり、収益のメインは非公開企業が生み出しています。(いわゆるバフェット銘柄はオマケに過ぎない)
既にバークシャーは強固な収益システムを構築しており、そこから生み出されるキャッシュフローも莫大な金額になっているため、バフェット氏も次の投資先を探すのに苦労しているところです。(=規模がデカすぎて超過リターンを得ることが難しくなっている)
逆に言えば、よほど尖った後継者がCEOにならない限り問題なく経営できるような企業になっているのではないかと思います。
むしろ「第二のバフェット」がもてはやされ、極端な集中投資などを行ってしまう可能性のほうが怖そうです。